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2018年 8月 22日 [ イベント ]

No.870:世界の人と利賀から未来を見る!「SCOTサマーシーズン2018」開幕間近

夏の富山で恒例のイベントとなった「SCOTサマーシーズン2018」が今年は8月24日(金)から9月2日(日)まで、富山県利賀芸術公園(南砺市利賀村)で開催される。利賀の大自然をバックに繰り広げられる壮大な演劇に心を酔わせたい。来年8・9月に利賀と黒部市で開催される「第9回シアター・オリンピックス」についても併せて紹介!

●利賀はますます上機嫌!


▲「世界の果てからこんにちは」

 世界の人と利賀で出会う、世界の人と利賀で考える、世界の人と利賀から未来を見るをテーマに、「SCOTサマーシーズン」が今年もいよいよ開幕する。利賀は世界の演劇人から「演劇の聖地」と呼ばれている。鈴木忠志氏主宰のSCOT(Suzuki Company of Toga)が1976年、東京から利賀へ拠点を移して活動を開始。82年には日本で初めての世界演劇祭「利賀フェスティバル」を開催するなどし、世界の演劇関係者の注目を集めたからだ。

 今年のサマーシーズンは、「世界の果てからこんにちは」や「ディオニュソス」などの公演をはじめ、アジア演出家フェスティバル、シンポジウム「『激動する世界』、その可能性を探る」、「鈴木忠志トーク」、「ドキュメンタリー上映会」などプログラムが目白押しだ。

 演目を紹介しよう。「世界の果てからこんにちは」(構成・演出:鈴木忠志)は、水面に緑を映す池と山を借景にした野外劇場ならではの舞台を生かした花火劇。花火を使用する演出は珍しく、毎年好評を博している目玉作品だ。歌謡曲に表出されるセンチメンタルな抒情など、過去に日本人が陥ってきた心性のいくつかを通して、日本の歴史を顧みる。

 「津軽海峡冬景色」(構成・演出:鈴木忠志)は異色の流行歌劇。本演目は完全新作で今回が初披露。冬景色は津軽海峡だけではなかった。尾崎紅葉、チェーホフ、ゴーリキーなどの言葉が飛び交って人間の冬景色が浮きあがる。

 「ディオニュソス」(演出:鈴木忠志、原作:エウリピデス)は、日本・インドネシア共同制作作品。宗教と政治の衝突により解体される国家と犠牲になる個人を浮き彫りにする。世界19カ国を駆け巡った鈴木忠志氏の代表作が、スズキ・トレーニング・メソッドで鍛えられたインドネシア、中国、日本の俳優によって新たな姿を見せる。

 「トロイアの女」(演出:鈴木忠志、原作:エウリピデス)は、ギリシア悲劇を素材に、戦争によって国と家族を失った人々の姿を描く。幾度となく繰り返される戦争の暴力、宗教の無力、人々の諦観。古代から変わることのない人間の悲惨な歴史と、我々は未来を如何に生きるべきかを考える。

 アジア演出家フェスティバルでは、アジア各国から選ばれた若手演出家たちがブレヒトの「処置」を連続上演し、互いに議論する。


▲富山県利賀芸術公園・野外劇場

 シンポジウム「『激動する世界』、その可能性を探る」では、歴史学者や評論家、経済人らを迎え、ギリシャ悲劇を導入部として、「世界とニッポン」のあるべき「未来」のための「可能性」を探る。

 公演スケジュールなどの詳細は特設サイトへアクセスを。観劇の申し込みは、SCOT利賀事務所に電話(TEL.0763-68-2216)を。名前、住所、電話番号を伝え、SCOT倶楽部への登録を済ませた後に希望の観覧日と公演名を。なお、FAX、メール、ウェブサイトから申し込みはできないので注意を。

●来年8、9月に「第9回シアター・オリンピックス」

 また、来年2019年8月23日(金)から9月23日(月)まで富山では「第9回シアター・オリンピックス」が開催される。「シアター・オリンピックス」は、鈴木忠志氏(日本)やテオドロス・テルゾプロス氏(ギリシア)など世界各国で活躍する演出家・劇作家(8名)により1993年ギリシアのデルフォイで創設された国際的な舞台芸術の祭典。1995年にギリシアで初めて開催され、2018年のインドまで、8回開催されている。

 シアター・オリンピックス国際委員の共同作業により、シアター・オリンピックス憲章がつくられ、詩人でもあるトニー・ハリソン(イギリス)の発案で“Crossing Millennia(千年紀を過<よぎ>ること―過去と未来の相互交流)”というサブタイトルを設定。また、ロゴは美術家でもあるロバート・ウィルソン(アメリカ)によってデザインされた。


▲第9回シアター・オリンピックス

 「第9回シアター・オリンピックス」は、鈴木忠志氏が芸術監督を担い、南砺市利賀村の富山県利賀芸術公園(「野外劇場」、「新利賀山房」、「利賀大山房」等、計6カ所)、黒部市の宇奈月国際会館「セレネ」、前沢ガーデン円劇場(野外ステージ)を会場に、世界第一線の演出家による最先端の舞台芸術作品の上演のほか、次世代への教育プログラムも実施される。20カ国30プログラムが予定され鋭意、準備が進められているが、詳細は「SCOTサマーシーズン2018」に併せ、HPやチラシなどで発表されるので目を離さないようにしたい。

 富山県文化振興課では、「会場まで続く道中も本演劇祭のみどころ。緑の山々が織りなす絶景、澄んだ空気に心を癒したあとの演劇鑑賞は格別。今年の『SCOTサマーシーズン2018』、来年の『第9回シアター・オリンピックス』へぜひいらしてください」と話している。

問合せ
「SCOTサマーシーズン2018」について
●SCOT 利賀事務所
TEL.0763-68-2356
http://www.scot-suzukicompany.com/sss/2018/

●富山県利賀芸術公園
TEL.0763-68-2028
http://www.togapk.net/

「第9回シアター・オリンピックス」について
●シアター・オリンピックス2019実行委員会
(富山県生活環境文化部 文化振興課内)
TEL.076-444-8650
FAX.076-444-8900
http://www.theatre-oly.org

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