樹木の葉が美しく色づき、大自然のパノラマを見せる紅葉シーズンが到来。黒部峡谷では、周囲の山々の頂から黒部川まで、三段染めとも五段染めともいわれる紅葉、黄葉、冠雪などの景観が圧巻だ。見ごろは10月中旬から11月中旬まで。周囲の山々の紅葉を愛でながら露天風呂に浸かるひとときは、まさに心身のリラクゼーションにつながるだろう。

●紅葉の見ごろは10月中旬から11月中旬まで

　樹木の葉が美しく色づき、大自然のパノラマを見せる紅葉シーズンが到来。黒部峡谷では、周囲の山々の頂から黒部川まで、三段染めとも五段染めともいわれる紅葉、黄葉、冠雪などの景観が圧巻だ。北アルプスの雄山、剱岳などを主峰とする立山連峰と、白馬岳、鹿島槍を連ねる後立山連峰との間にＶ字型に深く刻まれた黒部峡谷。日本一深い、このＶ字峡を縫うように走る黒部峡谷鉄道(トロッコ電車)が、紅葉を愛でる旅へと導いてくれる。ちなみにこの黒部峡谷鉄道は、月刊誌『一個人』(kkベストセラーズ)の9月号の特集「風を感じて　全国トロッコ列車ベスト10」で“本当に乗って楽しいトロッコ列車”の全国第1位の栄誉に輝いている。
　
　さて、黒部峡谷鉄道沿線の紅葉前線は、標高の高い終点・欅平(標高599m)から鐘釣(標高443m)、宇奈月(標高224m)へと下りてくる。例年、10月中旬から欅平周辺で色づきはじめ、10月下旬に欅平周辺で見ごろ、鐘釣周辺が色づきはじめる。そして11月上旬に鐘釣周辺で見ごろ、宇奈月周辺で色づきはじめ、中旬に宇奈月周辺で見ごろを迎える。

　欅平周辺では、ヤマモミジやコミネカエデ、ハウチワカエデ、ナナカマド、オオカメノキ、ヤマウルシなどの樹木の紅葉、ブナ、イタヤカエデ、ウダイカンバなどの黄葉が美しい。今年オープンした河原展望台・足湯(欅平駅から徒歩約5分)に浸かりながら、紅葉や奥鐘橋、奥鐘山の景観を眺めていると、散策の疲れも癒される。また、国の特別名勝・特別天然記念物に指定されている猿飛峡(さるとびきょう)もぜひ訪れたいポイント。欅平駅から黒部川沿いに続く遊歩道を歩いて約20分。黒部川本流で最も川幅が狭く、花崗岩の岩肌と紅葉、清流の眺めが印象的だ。

　鐘釣付近では、「錦繍関(きんしゅうかん)」と呼ばれる鐘釣橋一帯が、紅葉の名所として知られている。2つの岩峰が寄り添うようにそびえる西鐘釣山(標高740m)も見もの。岩峰上部の紅葉と岩壁のコントラストが美しく、見る者の心を鮮やかに染め上げてくれる。鐘釣駅の手前(宇奈月方向から)、サンナビキ山(標高1,949m)は周囲の山々より早く冠雪することから、別名「さきがけ山」とも呼ばれ、紅葉期の五段染めの眺望がトロッコ電車から楽しめる。

　欅平の10月の朝の平均気温は約15度、11月は約8度と、秋が深まるごとに気温が下がる。黒部峡谷探勝の旅では、防寒着の用意を忘れずに。

●なめこやしめじいっぱいのきのこ鍋を味わう

　紅葉シーズンに合わせて開催されるイベントも楽しみだ。10月14日(土)の「鉄道の日」の前後には、記念行事として写真展＜11日(水)〜17日(火)＞や鉄道部品の販売＜14日(土)・15日(日)＞が宇奈月駅で行われる。写真展では、黒部峡谷や称名滝などの作品で著名な写真家・志水哲也氏の写真がコンコースに展示され、旅の気分を盛り上げてくれる。鉄道部品の販売は、マニア必見のイベント。黒部峡谷鉄道で使われた行先標識板やパンタグラフ、信号電球、レールで作った文鎮などがずらりと並ぶ。

　10月25日(水)・26日(木)には、「黒部峡谷きのこ鍋祭」が欅平駅で10:00からスタートする。500人分を調理できる大鍋2台が用意され、まいたけやしめじ、なめこなど風味いっぱいのきのこをグツグツと鍋に。先着1,000名にアツアツの鍋が振る舞われる。

　黒部峡谷鉄道の今シーズンの営業終了直前の11月28日(火)から30(木)には「おかげさまで35周年　感謝の気持ちを込めてお客様プレゼント・パート3」と題し、トロッコ電車に乗車すると、「黒部峡谷オリジナルカレンダー2007」(非売品)がプレゼントされる。カレンダーを見ながら、来年の黒部峡谷の旅に思いをめぐらせてみるのも一興だ。

　紅葉の美しい景観を満喫したあとは、県内一の大温泉郷・宇奈月温泉でのんびり過ごしたい。トロッコ電車の旅の余韻に浸り、また周囲の山々の紅葉を愛でながら露天風呂や大浴場の湯に浸かるひとときは、まさに心身のリラクゼーションにつながるだろう。



問い合わせ
●黒部峡谷鉄道・営業センター
＜受付時間9:10〜17:00＞
TEL.0765-62-1011
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