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2004年 4月 28日 [ イベント ]

No.141-1:山里に春を告げる「利賀フェスティバル2004」、4月29日開幕

●太鼓のリズムが利賀の山々にこだまする

 「利賀フェスティバル2004」が4月29日(木・祝)から5月4日(火・祝)まで、利賀村の富山県利賀芸術公園で開催される。期間中には、日本、アメリカ、インドの3カ国から劇団・演劇人が集い、能や歌舞伎でおなじみの「道成寺」(日本:劇団山の手事情社/安田雅弘構成・演出)や、オブジェと人形で物語を紡ぎ出す「裸海−LAKAI」(日本:オブジェクト・パフォーマンス・シアター/木村繁演出)、コメディー「Go True West」(アメリカ:Future Stars of Hollywood Associates/アントニー・サンドヴァル構成・演出)など、7つのプログラムを上演する。
 注目は、インドの伝統舞踊劇「カタカリ」。これはインド・ケララ州の寺院に伝わる舞踊劇で、壮麗な衣装と冠、大きなお面をつけたダンサーと激しい太鼓のリズムが特徴。特異な化粧をほどこした顔の表情と500以上もあるとされる踊りのジェスチャ−により、幻想的なインドの神話が表現される。また、2003 年の「利賀演出家コンクール」で最優秀演出家賞を受賞した中島諒人氏の演出作品「かもめ」も必見。チェーホフの「かもめ」が、古代ギリシャ風の野外劇場と池を背景にどのように舞台化されるのか、期待したい。


●21世紀の舞台芸術を展望

 利賀芸術公園は劇団SCOT(鈴木忠志主宰)の演劇活動の拠点としても知られる。フェスティバルでは、鈴木忠志氏とパネリストが「地方分権と日本文化の将来」をテーマに劇場経営の在り方などを討論するシンポジウムをはじめ、カタカリの扮装の技法プロセスを公開するデモンストレーション、演出家による公開討論なども企画されており、演劇や舞踊劇、パフォーマンスの鑑賞以外からも舞台芸術にアプローチできる。なお、公園内では観客と出演者の交流のためのフェスティバル広場や、そば、山菜など利賀の特産品が味わえる味の市も催される。
 公園内の樹木や周囲の山々は新緑のシーズンを迎え、園内に点在する古代ギリシャ風の野外劇場や豪壮な合掌造りの劇場・新利賀山房などの建物は、利賀の自然に調和した佇まいを見せる。山の清澄な大気を吸い込みながら、演劇や素朴な味覚、自然景観を堪能したい。

問い合わせ
●舞台芸術財団演劇人会議・利賀事務所(togapk@p1.tst.ne.jp)
TEL.0763-68-2356 FAX.0763-68-2912
http://www1.tst.ne.jp/togapk/
http://www.jpaf.or.jp/

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