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2004年 5月 19日 [ イベント ]

No.144-2:国宝で行われる万病厄除けの行事「ひとつやいと」


●毎年約6,000人の参拝者が訪れる年中行事

 高岡市にある国宝・瑞龍寺(ずいりゅうじ)で6月1日(火)と7月1日(木)の2日間、「ひとつやいと」が行われる。万病に効くとされる両ひざの「三里 (さんり)のつぼ」(膝頭の下のくぼんだところ)に灸を据え、一年間の無病息災を祈願するもので、毎年約6,000人の参拝者が訪れる。
 時間は朝5時から夕方4時までだが、灸は朝早ければ早いほど体に効くと伝えられ、朝の4時ごろには参拝者でいっぱいになる。まず、やいとに使うもぐさと線香が法堂の青麻三光菩薩(あおそさんこうぼさつ)に供えられ、住職らの読経が始まる。法堂前の八尺廊下では、参拝者が足をくの字にしてずらりと座っており、20人ほどの墨衣をまとった僧らが、灸の順番を待つ参拝者の膝のつぼに据えたもぐさに、合掌しながら線香の火を点けて回る。もぐさは20秒ほど燃えるが、熱く感じるのは最初の2〜3秒のよう。「アチッ」と顔をしかめて熱さを我慢する若い女性や、「足や体が軽くなった」とほっとした表情を浮かべるおばあちゃんたち。もうもうと上がるもぐさの煙りにも心が癒されるのだろう。善男善女、それぞれの顔の表情を見ているのもおもしろい。ちなみに料金は500円。全身のやいともあり、こちらは1,000円となっている。


●ひとつやいとの後は国宝で癒される

 「ひとつやいと」は、約300年前、瑞龍寺の雲水たちが厳しい修行の疲れを取るためにお互いの足に灸を据えたのが始まり。明治時代に入り、近郷の農家の人たちが田植えを終えた体に灸を据えてもらったことから一般に広がった。
 瑞龍寺は加賀藩二代藩主前田利長公の菩提を弔うために、三代利常公によって江戸時代初期に建立された禅宗寺院。平成9年12月に山門、仏殿、法堂が国宝に指定されている。ひとつやいとで心身が軽くなったところで、壮麗な伽藍をゆっくりと見学したい。




問い合わせ
●高岡山瑞龍寺
TEL.0766-22-0179
FAX.0766-26-6978
http://www.zuiryuji.jp/

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