北陸新幹線の開業(来年3月14日)が迫るなか、企画展「鉄軌道王国とやま展」<主催：富山県>が9月6日、埼玉県さいたま市の鉄道博物館で開幕した。新幹線3駅舎や周辺の街並みをイメージした「とやまの鉄軌道大型ジオラマ」では、新幹線の新型車両や路面電車などの模型が走り抜けていく。新幹線に携わる県内ものづくり企業の技術などを紹介するコーナーもある。周遊スタンプラリー開催の情報も併せてお届け！

●とやまの鉄軌道大型ジオラマ、車両模型走行

目の前を猛スピードで通過する北陸新幹線の流線形の車体。模型とは思えないほどの迫力に、見つめる子どもたちの瞳もキラキラと輝いている……。企画展「鉄軌道王国とやま展」は10月20日(月)まで、鉄道博物館のコレクションゾーン2階・スペシャルギャラリー2を会場に開かれている。同館で自治体が展示を行う企画は初めて。富山県内の鉄道や路面電車、北陸新幹線の魅力を発信することで、首都圏からの誘客、県内の地域公共交通の活性化を図ることが目的だ。

　展示の目玉は、富山高等専門学校鉄道部が企画・制作した「とやまの鉄軌道大型ジオラマ」。「鉄軌道王国とやま展」で展示するために県が同鉄道部に制作を依頼した。今年3月に富山市で開催された新幹線開業1年前イベント「かがやき！とやまフェスタ」に出展した新幹線ジオラマをベースにしながら、県内鉄道路線などを大幅に盛り込んでスケールアップ。臨場感たっぷりの巨大なジオラマに。部員20人が4カ月かけて制作した。

　縦2.7ｍ、横5.4ｍの大きさの中に富山、新高岡、黒部宇奈月温泉の各新幹線駅の建物や線路、道路、ビル、街並み、緑の山々、川を配置した。特撮映画に登場するような精巧な作りが印象的だ。

　各新幹線駅の建物は150分の1サイズ。駅舎や周辺のビルはプラスチックの板を加工して作ってある。車両の模型も150分の1サイズのNゲージ。新幹線E7系、JR521系・475系、富山地方鉄道のレッドアロー、10030形、14760形、市内電車環状線のセントラム、富山ライトレールのポートラム、万葉線のアイトラム、ドラえもんトラムが走行する。川に架かる橋を渡り、トンネルを抜けていく新幹線車両のカッコよさ、街中を走る青い車体のドラえもんトラムの可愛らしさ…。見ていると、大人も子どもも胸が躍る。

　北陸新幹線や県内の鉄軌道、先進的なトラム（路面電車）の紹介をはじめ、新幹線の新型車両の製作に携わる県内企業の技術などもパネルで紹介。曲げガラスの加工技術で作られたフロントガラスや、線路上で車両の進路を変更する分岐器（ぶんぎき）などが富山の企業の技術によるものだとわかる。

　新幹線の試験走行の様子や県内の鉄軌道を収めた映像も流れている。使用されてきたヘッドマークの実物展示や、首都圏などで活躍したあと、富山で現役で走っている懐かしい電車、映画の撮影で使用された駅舎なども紹介している。

　富山の最先端のLRT（次世代型路面電車システム）からノスタルジックな電車までずらりと紹介する「鉄軌道王国とやま展」。鉄道ファン必見！ファミリーでぜひ見学を！

●県内初企画、県内15駅でスタンプを

　県内鉄軌道の魅力発信とともに、「鉄軌道王国とやま 1日周遊乗り放題きっぷ」(トヤマ・ジャスト・ナウ7月9日配信記事http://www.toyama-brand.jp/TJN/?tid=103759)の利用促進にもつなげようと、9月12日(金)から、「鉄軌道王国とやま　周遊スタンプラリー」がスタートする＜11月30日(日)まで＞。県内6社(西日本旅客鉄道、富山地方鉄道、万葉線、富山ライトレール、立山黒部貫光、黒部峡谷鉄道)合同によるスタンプラリーは初めての試み。県内15駅に設置してあるスタンプを専用の台紙(応募用紙)に押して集めて郵送すると、集めたスタンプ数に応じて、商品が抽選でプレゼントされる企画。スタンプのキャラクターは音楽ゲーム「太鼓の達人」で有名な横尾有希子さん(高岡市出身)のデザインで、大人も子どもも楽しめる。ぜひ15駅を制覇してほしい。

　県内15駅は、JRの富山駅(インフォメーションブース)、高岡駅（高岡駅観光案内所）、魚津駅(魚津駅前観光案内所）、氷見駅(氷見駅観光案内所)、城端駅(城端観光案内所)、越中八尾駅、地鉄の電鉄富山駅、宇奈月温泉駅、立山駅、南富山駅、万葉線越ノ潟駅(富山県営渡船越の潟発着場)、富山ライトレール岩瀬浜駅(岩瀬カナル会館)、富山ライトレール富山駅北駅(ポートラムショップ富山駅北)、立山ケーブルカー美女平駅、黒部峡谷鉄道宇奈月駅。商品は、「全駅制覇賞　選べるギフトトヤマカード(10,000円分)3名」、「10駅制覇賞　富山県産コシヒカリ(10kg)10名」、「7駅制覇賞　富山のカレー3種セット　30名」、「1日周遊乗り放題きっぷ全駅制覇賞　幸のこわけセット(2,000円相当)30名」。台紙のダウンロード、郵送先など詳細は鉄軌道王国とやまスタンプラリーキャンペーン特設サイト(http://www.toyama-stamp.com/)へアクセスを。

　富山県総合交通政策室では、「北陸新幹線の開業まであと6カ月となりました。鉄道博物館の“鉄軌道王国とやま展”を見学し、県内の鉄道や路面電車の魅力に触れてほしい。11月9日(日)には富山の鉄軌道の魅力を語るシンポジウムを富山で開催します。開業後は、新幹線で富山に来て、電車や鉄道に乗り、富山の旅を満喫ください。開催中の“鉄軌道王国とやま 1日周遊乗り放題きっぷ、周遊スタンプラリー”もぜひお楽しみを」と話している。