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2014年 7月 9日 [ トピックス ]

No.665:「鉄軌道王国とやま 1日周遊乗り放題きっぷ」発売

 モダンなデザインのLRT(次世代型路面電車システム)やノスタルジックな路面電車……富山県は全国の鉄道、電車ファンが注目する鉄軌道王国。北陸新幹線開業後の県内公共交通機関の利用促進に向け、「鉄軌道王国とやま 1日周遊乗り放題きっぷ」が発売された。7月19日(土)~11月30日(日)の土・日曜・祝日限定で、富山~射水~高岡間が1日乗り放題。『おとくガイドブック』のプレゼントなど特典もあり。公共交通を利用した富山の旅へ。富山、射水、高岡の各エリアの見どころも紹介しよう。

●1日に何度乗り降りしてもOK!


▲JR北陸本線(左上)
▲富山ライトレール(右上)
▲万葉線(左下)
▲射水市コミュニティバス(右下)

 「鉄軌道王国とやま 1日周遊乗り放題きっぷ」(以下、「鉄軌道王国とやま」)は、西日本旅客鉄道(株)、富山ライトレール(株)、万葉線(株)、射水市の4事業者による企画きっぷ。魅力あるきっぷの開発に向け、県内公共交通企画きっぷ社会実験事業として、県主催で行われる。企画きっぷ利用者に対してアンケート調査を実施し、利用エリア、料金体系、割引特典、目的地といった利用ニーズなどについて分析・検証。北陸新幹線開業後の並行在来線などにおける魅力ある企画きっぷの商品化に向けた検討につなげていきたい考えだ。

 利用可能区間は、JR北陸本線(富山~高岡)、富山ライトレール全線、万葉線全線、射水市コミュニティバス(海王丸パーク・ライトレール接続線)。期間中の土・日曜・祝日限定で、いずれか1日乗り放題。1日に何度も乗り降りできる。価格は、大人(中学生以上)1,000円、小人500円。区間1周すると、通常価格より3割ほどお得になる計算だ。販売は、県内のJR線主要駅のみ(石動、福岡、高岡、越中大門、小杉、呉羽、富山、東富山、滑川、魚津、黒部、入善、泊、砺波、氷見、速星、越中八尾の17駅)。販売が始まっているが、利用当日の購入ももちろん可能だ。


▲「鉄軌道王国とやま 1日周遊
乗り放題きっぷ」のチラシ

 「鉄軌道王国とやま 1日周遊乗り放題きっぷ」を購入すると、路線マップや沿線施設などを紹介した『おとくガイドブック』のプレゼント、沿線施設の割引といった特典を受けられる。アンケート回答者には抽選で粗品のプレゼントもある。

●夏、秋に富山ならではの鉄軌道の旅へ


▲廻船問屋 森家(左上)
▲新湊漁港の昼セリ(中央上)
▲帆船海王丸と新湊大橋(右上)
▲高岡大仏(左下)
▲高岡市金屋町(中央下)
▲万葉線車両基地(右下)

 各公共交通機関を紹介すると、JR北陸本線の富山~高岡間は18.8km、普通列車で18分ほど。呉羽丘陵や神通川、庄川など車窓からの自然景観が魅力の路線だ。両駅間には呉羽、小杉、越中大門の3駅があり、通勤、通学の足として親しまれている。富山駅は、来年春の北陸新幹線開業に向けて駅舎の工事が急ピッチで進められている。

 富山ライトレールは、全国初の本格的なLRTとして2006年4月に開業した。JR富山駅北口に設けられているステーション・富山駅北~岩瀬浜間7.6kmを24分ほどで結ぶ。「ポートラム」と名付けられた車両は、レッド、ブルーなど7色のアクセントカラーとスタイリッシュなデザインが特徴だ。

 路面電車・万葉線は、高岡市の高岡駅~射水市の越ノ潟間12.9kmを40分余りで結ぶ。高岡市出身の漫画家、藤子・F・不二雄氏の代表作「ドラえもん」のキャラクターをデザインしたラッピング電車「ドラえもんトラム」が人気。
 射水市コミュニティバスの海王丸パーク・ライトレール接続線は、富山市の岩瀬浜と射水市の海王丸パークを38分で結ぶ。通常、土・日曜・祝日のみ運行している。

 各公共交通機関をどのように利用して鉄軌道の旅を楽しむか。参考ルートを紹介しよう。まず出発駅は、JR富山駅の北口に設けられている富山ライトレール・富山駅北。ここからライトレールに21分乗車して東岩瀬で下車し、岩瀬の町歩きへ。岩瀬は江戸から明治時代にかけて北前船の寄港地として賑わった港町。かつての廻船問屋の繁栄を偲ばせる豪壮な構えの家々が軒を連ねる。廻船問屋・森家(国指定重要文化財)は、屋久杉の板戸、能登産黒松の梁、小豆島産の巨大な1枚岩を敷いた土間、精巧な鏝絵を飾る土蔵など見どころがいっぱい。眺めていると、往時にタイムトリップした気分だ。

 富山ライトレールの岩瀬浜から射水市コミュニティバスに乗車し、40分で海王丸パークへ。“海の貴婦人”と呼ばれる帆船海王丸や、日本海側最大級の斜張橋・新湊大橋の絶景が満喫できる。7月21日(月・祝)、8月10日(日)、9月23日(火・祝)、10月12日(日)には、海王丸で29枚ある帆をすべて広げる総帆展帆(そうはんてんぱん)が行われるので、お見逃しなく。海王丸パークから新湊きっときと市場や新湊漁港への周遊もおすすめ。漁港で13:00から始まる昼セリもぜひ見学しよう。新湊エリアでは、屋根付の東橋、ステンドグラスのかぐら橋などが架かる内川の周辺散策も楽しみたい。散策後は、新湊寿し組合加盟店(12店)で富山湾産のネタを使った寿司を味わってほしい。きっぷを提示すると、味噌汁やランチのコーヒー1杯サービスなどの特典を受けられる。

 新湊エリアから万葉線に乗車し、米島口電停で下車して「万葉線車庫見学」を体験できるのも「鉄軌道王国とやま」の特典。万葉線車両基地を見学できる貴重な機会だ(9:00~16:00、事前連絡が必要TEL.0766-25-4139)。電車ファンにはたまらない時間となるだろう。

 米島口電停から万葉線に揺られて高岡市中心部へ。銅器の生産高が日本一の高岡を象徴する高岡大仏の見学や、鋳物発祥の地・金屋町、水郷公園・高岡古城公園の散策をおすすめしたい。万葉線が発着する新高岡ステーションビル・クルン高岡で伝統工芸品などのお土産を選んだあとは、隣接するJR高岡駅(橋上駅舎)から北陸本線でJR富山駅へ戻るとしよう。もちろん、「鉄軌道王国とやま」の使い方、楽しみ方はいろいろ。路線マップを見ながらプランを練り、富山ならではの鉄軌道の旅、観光に出かけよう。

●二大特典で鉄軌道の旅をより満喫


▲『おとくガイドブック』の中の路線マップ(左)
▲岩瀬エリアの紹介ページ(右)

 『おとくガイドブック』(周遊マップ)は、B6判、16ページ、オールカラー。ハンディサイズでバッグに入れて手軽に持ち運べる。ガイドブックには、JR北陸本線(富山~高岡)、富山ライトレール全線、万葉線全線、射水市コミュニティバス(海王丸パーク・ライトレール接続線)の路線マップ、きっぷのお得な使い方、岩瀬・新湊・高岡エリアの見どころ・施設、加盟店の特典、7~11月のイベントカレンダー(土・日曜・祝日の主なイベント)、時刻表、アンケートが盛り込まれている。

 上記で触れたが、きっぷを加盟店に提示すると、特典を受けられるのもうれしい。加盟店は20店。たとえば、岩瀬エリアの「富岩水上ライン」では“乗船料10%引き”、「食堂 天保」では“ソフトドリンク1杯サービス(食事した方)”、新湊エリアの「海王丸パーク」では“帆船海王丸の乗船料50円引き”、高岡エリアの「大寺幸八郎商店」では“鋳物アクセサリー創作体験2,000円”、“喫茶ドリンク100円引き”、「クルン高岡」の「梅かま」では“かまぼこ粗品進呈”、「KAWASE cafe」では“珈琲レギュラーサイズ1杯無料”などの特典がある。

 富山県総合交通政策室では、「北陸新幹線開業後の県内公共交通機関の利用促進に向けた社会実験です。今夏と秋、富山の観光にぜひ“鉄軌道王国とやま 1日周遊乗り放題きっぷ”をご活用ください。購入者限定の特典もあります。アンケートへの協力もお願いします。回答者へのプレゼント抽選は10月15日(水)、12月15日(月)に行います」と話している。

問い合わせ
●富山県知事政策局総合交通政策室
TEL.076-444-3123
FAX.076-444-9656
http://www.pref.toyama.jp/cms_sec/1003/

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