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2004年 12月 15日 [ トピックス ]

No.174-2:ノーベル街道で創造的な発想を−案内板と道標がお目見え


●ノーベル街道の起点を示す

 富山湾の寒鰤を富山から飛騨、そして信州へと運んだ歴史の街道は「ブリ」街道と呼ばれ、その一部が現在の国道41号線とほぼルートを同じくする。この国道41号の富山から高山までの約90kmの沿線に、日本のノーベル受賞者12人のうち田中耕一氏(2002年:化学賞)、利根川進氏(1987年:医学・生理学賞)、小柴昌俊氏(2002年:物理学賞)、白川英樹氏(2000年:化学賞)の4人にゆかりがあることから、この道は「ノーベル街道」と呼ばれるようになり、これにちなんだ御膳も人気を集めている。(2003.1.8記事:国道41号は"ノーベル街道"http://www.cap.or.jp/INT/No109/t-10901.html)(2004.6.2記事:ノーベル街道に思いを馳せる『ブリ街道「ノーベル夢御膳」』http://www.cap.or.jp/INT/No146/t-14602.html)
 そしてこのほど、「ノーベル街道」を広くPRするため、案内板と道標が設置された。場所は、富山市の県民会館前と、富山湾岸でブリ街道の起点の東岩瀬 (富山市岩瀬)に近い岩瀬運河緑地の2カ所。高さ1.95m、幅2.04mの案内板では、ノーベル街道の由来や受賞者のほか、沿線の地図や見どころも紹介。道標はステンレス製で高さ1.3m、幅0.2m、奥行き0.2m。「ノーベル街道」という文字のほか、「県民会館」、起点「岩瀬」と文字がそれぞれ記されている。
 また県民会館前には、昨年11月にノーベル街道のシンボルモニュメント「縄魂弥才(じょうこんやさい」が設置されている。「縄魂」とは自然と共生し、循環の世界観のなかで生きていた縄文人の魂を表現し、「弥才」とは外国のすぐれた文化を理解し、移入し、自分の頭で考える弥生人の才能を意味している。作者は、高岡市在住の金工作家で日展理事の大角勲(おおかどいさお)氏。シンボルモニュメントは、未来につながる永遠の道をイメージさせる伸びやかな動きのあるデザインが印象的で、時代を担う青少年たちへの「夢」や「希望」などのメッセージが込められた作品となっている。


●豊かな自然が、創造的な発想を生み出す土台になった!?

 4人のノーベル賞受賞者を紹介しよう。高校まで富山市で過ごした田中耕一氏は、たんぱく質などの生体高分子を簡単に特定する手法を開発し、新薬の開発に革命をもたらした。小学1年から中学1年まで富山県大沢野町で過ごした利根川進氏は、多様な抗体を生成する遺伝的原理を解明し、遺伝学・免疫学に貢献した。小柴昌俊氏は、岐阜県神岡町(現在の飛騨市神岡町)の神岡鉱山の地下1,000mに「カミオカンデ」と呼ばれる巨大な検出装置を設置し、超新星爆発からのニュートリノを検出。最新天文学の進歩に貢献した。小学3年から高校3年まで岐阜県高山市で過ごした白川英樹氏は導電性高分子(電気を通すプラスチック)を開発し、分子エレクトロニクスの開発に先鞭をつけた。
 4氏の業績をみると、まさに世界の頭脳が国道41号沿線で育まれたといっても過言ではない。これは偶然だろうか。田中氏の「田舎こそが創造性を引き出してくれる」「立山連峰を見ているだけで心が落ち着く」、利根川氏の「子どものころに自然豊かなところで伸び伸びと過ごせた」、白川氏の「子どものころは野山をかけめぐっていた」という言葉からは、飛越地域の豊かな自然と文化が創造的な発想を生み出す土台となっていることをうかがい知ることができる。
 案内板でノーベル街道や沿線の観光ポイントを確認し、ドライブに出掛けてみたい。創造的な発想を生み出すことができるかもしれない。
 なお、県では、このノーベル街道を紹介するリーフレットも制作し、希望者に配布している。地図や受賞者の経歴、周辺の名所なども盛り込んであるので、ノーベル街道について手軽に理解することができる。ご希望の方は、電子メールに、郵便番号・住所・氏名・電話番号、記事を読んでのご感想をご記入のうえ、表題を「ノーベル街道」と明記してkoho1@pref.toyama.lg.jpへお送りください。




問い合わせ
●富山県経営企画部総合政策課
TEL.076-444-9605
FAX.076-444-3473

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