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2004年 12月 28日 [ トピックス ]

No.176-1:北陸新幹線富山県内全区間フル規格整備決定


●富山—金沢間フル規格整備へ

 東京から北陸を経由して大阪にいたる「北陸新幹線」。東京−長野間はすでに開業し、現在、西へ向かって工事が進められている。16年12月16日の政府・与党による整備新幹線検討委員会で、北陸新幹線の富山—石動間、金沢—金沢車両基地を平成17度初に着工することになり、県内全区間のフル規格整備が決まった。完成時期は長野−金沢車両基地間を一括して「平成26年度末」と明示され、「できる限り早期の完成に努めることとする」として完成前倒しに含みを残した表現になっている。新規着工が決まったことで、国の平成17年度予算案では、整備新幹線として富山−石動間、金沢−金沢車両基地間への事業費が盛り込まれた。
 富山県は長野県、石川県など沿線十都府県で組織する北陸新幹線建設促進同盟会の会長県を務め、地道に新幹線の整備を国などに要請してきた。県内では平成 4年に石動−金沢間、5年には糸魚川−魚津間がスーパー特急方式(一般のJR線と同じ狭軌1067mm)で着工。その後、12年12月の政府・与党申合わせで長野−富山間のフル規格整備(標準軌1435mm)が決定し、これを受け、13年5月に上越−富山間が着工。今回の申合せで金沢までのフル規格整備が決まり、富山県が昭和42年以来願ってきた北陸新幹線の整備にようやくめどが立った。
 長野−富山間は170km、総工事費は1兆400億円、16年度までの累計予算額は3,171億で、予算ベースの進捗率は30%(平成16年10 月現在)となっている。県東部では、朝日、第2、第3黒部トンネルが貫通しており、高架橋などの工事も進んでいる。平成4年に着工した石動−金沢間 (25km)は、総工事費は1,950億円。16年度までの累計予算額は1,483億で、予算ベースの進捗率は76%(平成16年10月現在)。区間内の新倶利伽羅トンネルなど全8本のトンネルが貫通している。


●東京と富山が2時間7分で直結

 北陸新幹線の沿線地域の人口は4,030万人と、東海道新幹線の4,626万人に匹敵する。北陸新幹線がフル規格で全線開通すれば、これらの沿線の人たちだけでなく、三大都市圏をはじめとするさまざまな地域の人たちにとって、大きなメリットが生まれる。
 例えば、東京−富山間が現在の3時間7分から乗り換えなしの2時間7分と1時間の短縮。新大阪−富山間は現在の3時間1分から1時間 20分と1時間41分の短縮となる。これによって滞在可能時間が増え、レジャーやビジネスにその分の時間をかけることができる。また、雪の影響を受けにくいため、確実に定時に目的地に行くことができる。
 飽和状態にある東海道新幹線のバイパス機能もポイントだ。全線開通すると、北関東圏の人たちも北陸を経由して乗り換えなしで関西方面へ向かうことができ、東海道新幹線の輸送負担が軽減される。東海地震が発生した場合、東西間の幹線交通が寸断され、30日間で約2兆円の影響額があると想定(中央防災会議「東海地震対策専門委員会」資料による)されており、緊急時の代替ルートとしても北陸新幹線の役割は重要なものとなる。北陸新幹線の一日も早い全線整備が望まれる。




問い合わせ
●富山県庁土木部新幹線建設課
TEL.076-444-3124
FAX.076-444-3474
http://www.h-shinkansen.gr.jp/toyama/

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