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2021年 2月 17日 [ トピックス ]

No.988:富山デザインコンペティション2020、グランプリ決定

若手デザイナーの登竜門として全国に知られる「富山デザインコンペティション」。2020年のデザインコンペティションのグランプリに「積彩」(セキサイ)」、準グランプリに「Rainglass(レイングラス)」、審査員特別賞に「サイズを実感できるスケール」の各作品が決定した。今後、商品化、プロジェクト化の検討が行われる。

●デザインメンタリングで作品をブラッシュアップ


▲グランプリの「積彩」

 1994年、全国初の商品化を前提としたデザインコンペとしてスタートし、これまでに多くのヒット商品を生み出してきた「富山デザインコンペティション」。27回目となる今回はコロナ禍にもかかわらず、256点の応募があった。

 応募対象は、「量産可能なプロダクト製品(モノのデザイン)」と「近い将来に実現可能と予想されるプロジェクトのプランニング(コトのデザイン)」。審査対象基準は「新規性」、「独創性」、「市場性」、「実現性」。

 今回は、本コンペの原点に立ち返り、県内企業の抱える課題から募集テーマを抽出し、A:「化学強化ガラス」の新しい展開」<三芝硝材株式会社>、B:色を着ける<株式会社タカタレムノス>、“C:「かたづける」をデザインする」<株式会社リッチェル>に設定した。

Aでは、スマートフォンなどに用いられている、薄く、軽く、割れにくいといった機能をもつ「化学強化ガラス」の素材を活かした新しいアイデアや提案を募集した。

Bでは、着色にスポットライトを当て工程を見直すことで、新商品の“種”となるアイデアやデザインを生み出すことをめざした。

Cでは、新型コロナウイルスの影響で生活や働き方が大きく変わっているなか、デザイン視点で生活を再考し、より心地よく過ごすための新しい「かたづけ」の方法や、それを実現するプロダクトを募集した。

また、新たな取り組みとして、「デザインメンタリング」を導入。この「デザインメンタリング」とは、作品のアイデアやデザインなどをブラッシュアップするため、テーマ企業の担当者との意見交換やデザイン有識者(デザインメンター)などからアドバイスを受けること。ファイナリスト(1次審査通過者)へのサポート体制を強化し、よりリアリティある提案が生まれやすい、新たなデザインコンペのあり方を探った。

●独創的な作品


▲Rainglass


▲サイズを実感できるスケール

 グランプリを受賞したのは、“B:色を着ける”に応募のあった「積彩」<デザイナー:Color Fab(カラーファブ)>。コンピューティングによって調色しながらフィラメント(色糸)を積む3Dプリンティングを活用することで、造形・着彩を1つの工程として扱う。繊細な織物のように糸を積むことで「虹のように変化する色彩」という新たな表現方法を確立し、この技法を応用したプロダクトが制作された。

 準グランプリは、“A:「化学強化ガラス」の新しい展開”に応募のあった「Rainglass」<デザイナー:memo(メモ)>。軒先に吊り下げ、ガラスを伝って滴る水の様子を楽しむことができる雨樋。日本の伝統的な文様である「立涌」をモチーフに、2本の長い曲面で構成された形状が特徴。風を受け、ゆっくり回転しながら天気の変化を美しく反映する。心地よいリズム感と軽やかな印象を空間にもたらす提案だ。

 審査員特別賞は、“C:「かたづける」をデザインする”に応募のあった「サイズを実感できるスケール」<デザイナー:原田一穂>。スケールを伸ばして任意の位置でコーナーを固定することで、モノの大きさを再現できるプロダクト。実際にモノを置いた際のサイズ感や圧迫感を視認できる。寸法やCGではつかみづらいサイズ感も直感的に把握でき、在宅時間の長期化で多くの人が行った「かたづけ」と楽しく向き合うことができる。

●2018年のコンペティションから生まれた話題の商品も


▲「KIKACARE(キカケア)

 富山デザインコンペティション2018で黒木靖夫特別賞(現 審査員特別賞)を受賞した「actex(アクテックス)」<デザイナー: yonanp(ヨナンペ)> から、株式会社リッチェルとyonanpとの商品開発で生まれた「KIKACARE(キカケア)も紹介しよう。幾何形態(凹凸の独自フォルム)のセルフケアグッズシリーズで、肩こりや足裏の疲れなどをやわらげてくれるマッサージアイテム。そのうち、「KIKACARE FOOT(キカケア フット)」ではマグネットを内蔵することでアイテム同士をくっつけて使うこともできる。使わないときは、デスクサイドキャビネットなどに貼り付けて収納。オブジェとしても映えるデザイン性が特徴だ。

 本コンペの事務局である富山県総合デザインセンターでは、「今回の富山デザインコンペティションは、“富山で生まれる、次のデザイン”の新たな方向性を見出すきっかけになりました。今回は募集期間を8月末までにしたことで、プロのデザイナーだけでなく、美術系や工学系の学生からの作品も多くあったほか、デザインメンタリングを通じ、本コンペに対する熱い思いを感じることができました」と話している。

問合せ
●富山県総合デザインセンター
(※デザインウエーブ開催委員会事務局)
TEL.0766-62-0510
FAX.0766-63-6830
https://www.toyamadesign.jp/

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