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2006年 6月 21日 [ トピックス ]

No.253-2:日本一の木彫りの里・井波に新たな観光拠点


 信仰と木彫りの里・南砺市井波の八日町通りに新たな観光拠点となる「よいとこ井波」が誕生した。敷地内には、手づくり工芸品ショップや特産品売り場のほか、『鬼平犯科帳』、『剣客商売』などの時代小説で知られる劇作家・小説家の故池波正太郎氏の直筆原稿や単行本、手紙などを展示する「池波正太郎ふれあい館」が建つ。池波ファンにとっては必見の場所となるだろう。

●池波正太郎ふれあい館を併設

 南砺市井波の八日町通りに新たな観光拠点となる「よいとこ井波」が誕生した。井波は、600年以上の歴史を誇る井波別院瑞泉寺の門前町として栄え、井波彫刻の職人が数多く工房を構える「信仰と木彫りの里」。瑞泉寺の門前から伸びる八日町通りには、道の両側に彫刻工房や造り酒屋、郷土玩具店、美術館などが軒を連ね、格子戸のある町家とともに情緒ある町並みを見せている。

 通りの一角に誕生した「よいとこ井波」は周囲の景観に合わせた木造2階建ての趣ある佇まいが印象的。スギの柱にベイマツの梁と、木の温もりがいっぱいだ。1階には、木彫り、ガラス、陶芸、組み紐などの作品を販売する手づくり工芸品ショップや、地元南砺市の銘菓や地酒、農産加工品、県内の海産物、伝統工芸品を販売する特産品売り場、地元の旬の食材を使った和風レストランなどが設けられている。

 敷地内のオープンテラスの奥には、よいとこ井波の目玉ともいえる「池波正太郎ふれあい館」が建つ。館内には、『鬼平犯科帳』、『剣客商売』などの時代小説で知られる劇作家・小説家の故池波正太郎氏の直筆原稿や単行本、手紙、年賀はがき、愛用の万年筆、帽子、草履などが展示されている。父方の先祖が井波の宮大工だったことから井波に何度も足を運んだという池波氏。井波訪問の際に撮影された写真や、井波について書かれたエッセイ、手紙からは池波氏と井波の人々との温かい交流の様子が伝わってくる。池波氏のゆかりの品を展示する本格的な施設としては、東京都台東区立中央図書館にある「池波正太郎記念文庫」と長野県上田市の「池波正太郎 真田太平記館」に次いで全国で3番目となる。池波ファンにとっては必見の場所となるだろう。            

 よいとこ井波では「井波の中心部、八日町通りの観光の拠点として、また、皆さんの“よいとこ”となれるよう頑張っていきたい。池波正太郎ふれあい館は入館無料となっています。お気軽にお立ち寄りください」と話している。

●全国でも珍しい太子絵伝の絵解き

 梅雨明けとともに、瑞泉寺で行われる伝統行事「太子伝会(たいしでんえ)」も井波散策の折には見ておきたい。7月21日(金)〜29日(土)、聖徳太子の二歳像のご開帳と、太子の生涯を描いた八幅の絵軸を使って、仏の教えを説く「絵解き」が太子堂で行われる。全国でも珍しい行事で県内外から大勢の人が訪れる。八幅の絵軸は、瑞泉寺を開いた綽如上人が後小松天皇よりいただいたもの。僧侶が場面場面を指しながら、太子一代の遺徳を語る独特の口調が心に響く−−。瑞泉寺は明徳元年(1390)に建立されて以来、北陸の浄土真宗発展の拠点となってきた寺院。北陸最大の木造建築の本堂や山門、太子堂のいたるところに優れた彫刻を見ることができ、井波彫刻発祥の寺院としても知られている。

 瑞泉寺の太子伝会に合わせ、「いなみ太子伝観光祭」が22日(土)・23日(日)・25日(火)、本町通りや八日町通り、瑞泉寺境内などで行われるのも話題だ。男衆が巨木を勇壮に曳きまわす「木遣り町流し」や、彫刻刀・チェーンソーなどを使って氷の彫刻を仕上げ、その造形美を競う「氷の彫刻フェスティバル」、瑞泉寺境内に太鼓の勇ましい音が響きわたる「八乙女風神太鼓」、「いなみ木遣りレース」、「奉納踊り」、「太子伝芸能ステージ」、「よさこいフェスティバル」など、多彩な行事が予定されている。

 いなみ太子伝観光祭を企画する実行委員会(井波商工会・井波観光協会)では「太子伝会で聖徳太子の遺徳を偲び、暑い夏の夜に氷の彫刻で涼を感じ、木遣りで井波の男衆の心意気を感じてください。今回初めて、利賀そば大食い大会も開催します。ご期待ください。」と話している。


▲池波正太郎ふれあい館


問い合わせ
●よいとこ井波
TEL.0763-82-5666
FAX.0763-82-5677
http://www.matidukuri-inami.co.jp/

●井波商工会
TEL.0763-82-0184
FAX.0763-82-0189
http://www.shokoren-toyama.or.jp/~inami/

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