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2004年 1月 28日 [ トピックス ]

No.134-2:富山の宝、富山の本物を様々な視点から発掘


●万華鏡のように視点を変えれば、いろいろな富山が見える

 『富山写真語・万華鏡(とやましゃしんがたり・まんげきょう)』(ふるさと開発研究所発行)が、富山の素晴らしさを伝える月刊誌、ふるさと再発見につながる文化誌として、そのファンを増やしている。
 創刊は1991年で、「写真と文で富山を歩く、富山の宝を見つめ直す」をコンセプトに現在144号を発行。「鰤」、「屋敷林」、「北前船」、「富山弁」、「合掌造り」、「ヒスイ海岸」など、富山らしいテーマが1号につき1テーマずつ設定されており、モノクローム写真と識者の文章を織りまぜた16頁構成となっている。毎号、日常生活に溶け込んだ風景のなかから「富山の宝」を発見し、自然環境や地域の文化財の保存、生活文化の在り方などについて読者に語りかけるという内容だ。
 発行ごとに反響も大きく、創刊号の「立山神殿」によって、山岳信仰の象徴である雄山神社峰本社の遷宮待望論が起こり、平成7年9月に136年ぶりに遷宮が実現した。また、31号「鏝絵」、83号「蔵印」などで左官職人 竹内源造を取り上げたことで、鏝絵を庶民の文化遺産として評価する気運が高まった。


●『万華鏡』で地域の人起こしを

 ふるさと開発研究所の写真家・風間耕司さんは「富山県は蝶の羽根を広げたような形でコンパクトにまとまっていますが、歴史、自然、文化、伝統、産業、人とどれも底が深く、その宝は無尽蔵です。失われようとしている富山の宝、知られていない富山の宝をさらに掘り起こし、ふるさとのよさを再発見して次代に伝えていきたいですね。たとえば人でいえば、小杉町出身の左官職人・竹内源造。源造が手掛けた鏝絵は素晴らしく、まさに芸術。そんな先人に習い、歴史に学ぶことで、われわれの生き方、生活の在り方を見つめ直していきたいと思います」と語っている。風間さんは『万華鏡』を通して、地元に生きる人をさらに発掘し、生の声を聞き、その地域の宝を輝かせたいと、熱い心をたぎらせている。
 『万華鏡』のユニークなところは、誌面の中には広告が一切掲載されていないこと。また一般書店での店頭販売がされていないことにも注目したい。これは、外部からの制約のない環境で編集を続けるための仕組みで、出版の主旨に賛同する「檀那衆(だんなしゅう)と呼ばれる出版支援者による買い取り方式となっている。県内のある企業では海外で自社をPRするときに、会社を培った富山の歴史や風土を外国人に知ってもらうために『万華鏡』を英訳し持参するケースもあるという。
 なお、『万華鏡』は、1部500円・郵送料別途で県外発送も可能となっている。

問い合わせ
●ふるさと開発研究所
TEL.076-451-8850
(フォトグラフィック・ユニティ内)

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