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2004年 7月 14日 [ トピックス ]

No.152-2:薬師岳登山の拠点・太郎兵衛平(大山町)にバイオ式公衆トイレ新設


●バクテリアが汚物・汚水を浄化する環境配慮型トイレ

 立山連峰の南端にどっしりとした山容を見せる薬師岳(2,926m)。薬師岳登山の拠点となっている太郎兵衛平(大山町)にバイオ式の公衆トイレが新設された。(名称:立山槍ヶ岳縦走線歩道公衆トイレ)
 太郎兵衛平は、太郎山(2,372m)の北方に広がる広大な草原。有峰湖・折立方面からの登山道、立山から槍ケ岳・穂高への縦走路、奥黒部からの登山道の3つの道が合流する場所で、シーズンを通して多くの登山者で賑わう。しかしながら、これまで公衆トイレがなく、登山者は草原に建つ太郎平小屋を利用するか、やむを得ず野外で排泄するしかなかった。
 このたび新設された公衆トイレは、太郎平小屋の裏側(西側)にあり、県産材を使った造りが周囲の自然環境に溶け込んでいる。そのし尿処理方式には、山岳地の自然環境に配慮した「土壌処理循環型」を採用。バクテリアが汚物を分解し、酵素で液化・消臭することにより、少量(約250cc)の水で洗浄できる。また、処理水の一部が蒸発するほかは汚水などが一切外部に流出しない「自己処理型」で、環境にもやさしい。なお、山岳地におけるし尿処理への理解と協力を得るため、チップ制が導入されている(利用者1人100円程度で任意)。


●一休みして、薬師岳山頂をめざす

 水と電気の供給が困難な山岳地にあるトイレは、国内では汲取式がほとんどで、し尿の垂れ流しによる環境への影響が懸念されている。そこで富山県では、自然環境保全の取組みとして、平成12年の富山県快適トイレ推進プランの策定や、平成14年の「全国山岳トイレシンポジウムin富山」の開催、そして、全国初の取組みとなった、吸水凝固剤の入ったビニール袋の携帯トイレを販売し、回収、処理も共同で行う「山岳携帯トイレネットワーク」のスタートなど、“環境に配慮し、かつ快適なトイレ”の整備に取り組んできた。バイオ式トイレは、これまで県内の山岳地では、立山一ノ越、弘法、剱沢の野営場で供用されており、今回の太郎兵衛平が4番目となるほか、今年度中にさらに2箇所の改修が予定されている。
 太郎兵衛平からは、赤牛岳や水晶岳、黒部五郎岳、北ノ俣岳などの雄大な景観が楽しめる。新設された公衆トイレを利用した後は、太郎山や周囲の木道、お花畑散策や、薬師岳山頂への登山を果たしてみたい。




問い合わせ
●富山県生活環境部自然保護課
TEL.076-444-3396
FAX.076-444-4430
E-mail : shizenhogo1@pref.toyama.lg.jp
http://www.pref.toyama.jp/sections/1709/1709.htm

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