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2005年 3月 16日 [ トピックス ]

No.187-2:社会貢献や平和を考える若者の育成を−県内大学に新しい学部・講座が開設


●全国初の「NPO実務士」養成課程−富山国際大学地域学部

 富山国際大学地域学部は平成17年4月から、NPO(特定非営利活動法人)に関する専門知識を持つ「NPO実務士」の称号を取得できる新教育課程を設置する。称号を発行する全国大学実務教育協会(本部・東京)の承認が得られたもので、全国の大学で初の設置となる。
 近年、公益性の高いサービスや、災害時に支援・緊急活動、福祉ボランティアなどを行うNPOの存在が大きくクローズアップされている。全国ではその数が 2万を超え、今後、行政、企業に続き、社会を大きく動かす第3のセクターになっていくと考えられている。
 同大はこれまでNPOやNGO(非政府組織)との連携をテーマにしたフォーラムを開くなど、市民活動を通した国際・地域貢献のあり方を考える研究や教育を推進してきた。そんな取組みを進めるなかで、NPOの活動に関する企画・運営能力、ボランティアなどのコーディネート力といった実務能力を身につけたリーダーの養成が急務であると考え、新教育課程の設置を決めた。
 講義には既存のコミュニティー・ビジネス論、NPO・NGO論、国際協力論などに加え、NPO実務論、NPO演習などを新設するなどし、カリキュラムを体系的に整備する。また、実際にNPOの活動に参加する実習もある。必修科目、選択科目合わせて20単位を取得すると、同協会からNPO実務士の称号が発行される。
 北野孝一地域学部長は「地域学部では、IT、環境、経営の3つの視点から地域社会の諸問題を理解し、地域づくりと地域の未来づくりを担える人材の育成を目標としています。学生にはNPOの運営など、実務能力を身に付けてもらい、将来、行政や企業と協働して地域社会の諸問題を解決していってほしい」と活躍に期待している。社会人聴講生も講義を受けられるので、下記まで問い合わせを。(称号取得は不可。)


●新「富山大学」人間発達科学部に「平和学講座」

 平成17年10月、富山大学、富山医科薬科大学、高岡短期大学の再編統合により新「富山大学」が発足する。注目は、教育学部から生まれ変わる人間発達科学部(発達教育学科・人間環境システム学科)。これまで教育学部で培われてきた「教育技術」を核に、「人間」と「環境」の調和のなかで豊かな社会を形成し、地域社会との連携を深め、国際社会に貢献できる教育人材の育成をめざす。
 この戦後60年の節目に誕生する学部の目玉講座として準備が進められているのが、「平和学講座」。広島市と長崎市が実施する、全国の大学などに被爆者を講師として派遣する事業を活用するもので、北陸三県の国公立大学では初めての試みとなる。被爆者を特別講師に迎え体験などを語ってもらうことで、戦争を知らない現代の若者たちに戦争の悲惨さや平和の尊さを伝える。
 準備を進める佐藤幸男教授(国際政治学)は、「平和学を机上の学問とするのではなく、被爆者や富山大空襲の体験者から生の声を聴くことで、戦争や平和を考える時間にしたい。環日本海時代といわれ、富山と環日本海諸国との関係が今後ますます深まっていくと思われるが、過去の歴史認識の違いなどを克服し、真の友好関係を築き、共生していくうえでも若い世代が講座で平和を考えることは重要」と話している。富山で社会貢献や平和を学んだ学生が活躍することを期待したい。
 
 なお、富山県大学連携協議会では、2005年度版の県内大学ガイド「UNIVERSITY GUIDE in TOYAMA 2005」(写真下)を発行し、配布している。県内各大学の概要や特色が一目でわかるので、富山県の大学を知るうえで便利な資料となる。希望者はkoho1@pref.toyama.lg.jpまでメールでお問い合わせを。




問い合わせ

●富山国際大学地域学部
TEL.076-483-8000
FAX.076-483-8008
http://www.tuins.ac.jp/

●富山大学教育学部
TEL.076-445-6251
FAX.076-445-6264
http://www.toyama-u.ac.jp/jp/

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