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2006年 1月 18日 [ トピックス ]

No.231-2:産官学連携開発−−−滋養強壮保健薬「パナワン」発売!


 富山県薬業連合会、旧富山医科薬科大学(現富山大学)、富山県の産学官連携で初めて開発した配置用医薬品「パナワン」が1月13日に発売された。配置薬業界の起爆剤として期待が高まっている。
 リンパ球チップで抗体医薬の開発に取り組んでいるバイオベンチャー企業「エスシーワールド」は、富山大学杉谷キャンパスの生命科学先端研究センターに研究室を開設し、開発を本格化!

●富山オリジナルブランド医薬品、発売
 富山県薬業連合会、旧富山医科薬科大学(現富山大学)、富山県の産学官連携で初めて開発した配置用医薬品「パナワン」が1月13日に発売された。

 パナワンは、薬用ニンジンを主薬に、エンゴサク、ジャショウシ、オキソアミヂン、ゴオウ、コウボク、トウキ、シャクヤク、センキュウ、ケイヒ、オウギの 11種類の生薬を配合した滋養強壮保健薬。虚弱体質、肉体疲労、病中病後、胃腸虚弱、食欲不振、血色不良、冷え症などの場合の滋養強壮に効能・効果がある。また動脈硬化などの生活習慣病の予防効果を実験で明らかにした初めての配置薬だ。15歳以上で1回6丸、1日3回食後に服用する。価格は540丸入りで8,820円となっている。

 富山市内で開かれた発売発表会で、森政雄富山県薬業連合会長は「パナワンが富山の薬業、配置薬業の活性化の一助になることを期待したい。第二、第三のパナワンの開発も進めたい」とあいさつ。

 パナワンの製造は、廣貫堂(富山市)、第一薬品工業(富山市)、大同製薬(高岡市)の3社を中心に、この3社から丸剤を購入し、分割充填・包装のみを行う、小分製造業者(6社)もいる。販売面では、全国約3万人の配置薬業者のネットワークを使い、全国の家庭へ配置する。初年度は、合計3万個の販売を目指す。

 配置薬業界では、ドラッグストアやコンビニなどの攻勢により、年々出荷額が減っている。しかし、顧客に対面し効能を説明して販売する配置薬業者への信頼は厚い。構想から約5年で誕生したパナワン。配置薬業界の起爆剤として、期待が高まっている。

●リンパ球チップの最先端技術で抗体医薬品開発へ
 医薬品開発の話題をもう一つ紹介しよう。富山県工業技術センターや旧富山医科薬科大学(現富山大学)などの共同研究によって開発された世界初のリンパ球チップで抗体医薬の開発に取り組んでいるバイオベンチャー企業「エスシーワールド」(平成17年2月設立)は、富山大学杉谷キャンパスの生命科学先端研究センターに研究室を開設し、開発を本格化させた。専任スタッフは5人で、富山大学医学部内の他の研究室とも連携を深める。

 大学ではこれまで実験施設を部屋ごと企業に貸し出したことはなかったが、独立行政法人となり大学間の競争が激しくなるなか、大学発のベンチャーを支援するため、受け入れを認めた。

 リンパ球チップは、1cm角のシリコン・樹脂基盤に直径10μmの穴を25万個配列した高精度の細胞チップで、これまでに人の血液中の単一細胞から優れた中和活性を持つB型肝炎抗体遺伝子の抽出に成功している。

 エスシーワールドでは、リンパ球チップの抗体検出技術を実用化に移し、感染症やがん、自己免疫疾患などの分野で抗体医薬品(人体の免疫システムを利用し、抗体を人工的に作った医薬品)の開発を進める。このほか、抗体探索用チップや抗体試薬の製造・販売、細胞の注入・特定・回収を自動化する細胞スクリーニングシステムの製造・販売も目指す。

 300年余に及ぶ薬の伝統を持つ富山県。新しい医薬品づくりのウェーブが起こっている!




問い合わせ
●(社)富山県薬業連合会
TEL.076-432-2765
FAX.076-432-2767
http://www.chuokai-toyama.or.jp/seiyaku/

●エスシーワールド株式会社
TEL.076-444-5885
FAX.076-444-5886
http://www.scworld.co.jp/

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