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2005年 12月 28日 [ トピックス ]

No.228-1:富山市内の産業観光をガイドブックで紹介


 富山商工会議所の「とやま産業観光推進協議会」では、富山市内の産業観光のモデルコースや見学受け入れ施設・企業、産業観光品などを紹介するポケットサイズのガイドブックを作製した。ガイドブック片手に市内をめぐれば、「ものづくり」の伝統など、富山の産業ルーツを知ることができる。

●5つのモデルコースを設定
 富山商工会議所の「とやま産業観光推進協議会」では、富山市内の産業観光のモデルコースを設定した。また、このモデルコースや見学受け入れ施設・企業、産業観光品などを紹介するポケットサイズのガイドブックも作製した。

 産業観光とは、歴史的・文化的意味をもつ工場やその遺構、機械器具、産業製品など、地域の産業文化財を再認識し、ものづくりの心に触れることを目的とする「観光活動」のこと。これまでの自然や歴史、伝統を訪ねる観光だけでなく、体験や学習の要素も加わったもので、人的交流を促進させ、新しい文化を生み出す、これからの観光活動として注目されている。

 モデルコースは、JR富山駅を起点に、中心部周辺、北部、西部、南部、東部の各エリア内をめぐる5コースが設定されている。中心部周辺では、「富山の薬と食をたどる」がテーマ。富山市売薬資料館、ますの寿しのせきの屋、医薬品関連の池田屋安兵衛商店、廣貫堂、薬種商の館・金岡邸、食品の 日の出屋製菓産業の6カ所をめぐりながら、富山売薬の歴史や文化などを体感することができる。

 北部エリアでは、「豊饒の海に育てられた感性」をテーマに、銘酒「満寿泉」で知られる桝田酒造店、古い酒蔵を改装した酒商・田尻本店、北前船廻船問屋の森家、岩瀬カナル会館、富山市エコタウン、かまぼこの梅かまミュージアム・U-mei館を選定。かつて北前船の寄港地として賑わった岩瀬地区の歴史や、地酒、祝儀用の細工かまぼこ、昆布巻きなどの味に触れることができる。

●売薬業に始まる「ものづくり」の伝統を知る
 「豊かな自然に育った文化と芸術」をテーマにした西部エリアでは呉羽梨選果場、富山ガラス工房、やまふじぶどう園、曳山展示館(越中八尾観光会館)、桂樹舎・和紙文庫、八尾おわら資料館をめぐるコース。富山ガラス工房では吹きガラス、桂樹舎では紙漉きの体験でオリジナルの作品をお土産にできる。

 南部エリアでは、「県境の山里に息づく文化と歴史」をテーマに、医薬品容器製造メーカーの阪神化成工業、ますの寿しの源、県内で初めて電気を起こした大久保発電所、飛越ふれあい物産センター・林林、特産品加工グループ・ふきのとう、越中と飛騨を結ぶ旧飛騨街道の往時を紹介する猪谷関所館を選定。神通峡の自然、人知が育んだ食文化に触れる観光が提案されている。

 東部エリアでは、「恵まれた自然を生かし、共に生きる」がテーマ。医薬品・精密機械部品製造の斉藤製作所、イチジクなどを副原料に使った発泡酒を醸造する風車の丘、みょうが寿しの味彩おおやま、国登録有形文化財の本宮砂防堰堤、薬師岳信仰や有峰の歴史を紹介する大山歴史民俗資料館、有峰ダムをめぐりながら、先人の知恵に学ぶコースが設けられている。

 ガイドブックでは、モデルコースのほか、医薬品関連、エネルギー、食品、自然・伝統・歴史などのジャンル別に、施設や観光受け入れ企業を紹介。地酒や地ビール、カジキマグロの昆布じめ、ますの寿しなど、産業観光品もピックアップされており、お土産選びの参考にもなる。配布はガイドブック掲載施設等で行われている。

 巻末には、「とやまの産業の歴史」として、先用後利(得意先に薬を預け、使ってもらった薬の代金は後で受け取る)を特徴とする売薬をはじめ、北前船交易と昆布、水力発電による近代工業化などが紹介されている。「ものづくり」の伝統、豊富な電力、勤勉な労働力を生かしながら、さまざまな業種展開をみせ、日本海側屈指の工業県となった富山の産業ルーツを知ることができる。




問い合わせ
●富山商工会議所 とやま産業観光推進協議会
TEL.076-423-1170
FAX.076-423-1114
http://www.ccis-toyama.or.jp/toyama/sangyokanko/

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