イベント

アーカイブ

2021年 12月 22日 [ イベント ]

No.1027:立山曼荼羅の世界へ

富山県[立山博物館]では、「冬の立山曼荼羅特別公開展―岩峅寺中道坊の立山曼荼羅」を来年2月27日(日)まで開催中。岩峅旧宿坊家の一軒である中道坊に関係する立山曼荼羅2点を展示している。

●立山博物館A本、山岳景観いろいろ


▲「冬の立山曼荼羅特別公開展」
≪立山博物館A本(右)、中道坊本(左)≫

立山曼荼羅とは、立山の聖なる世界を一般に広めるため描かれた絵図。雄山や浄土山などの山岳景観に、立山地獄や、立山開山伝説、立山の名所案内などが描かれており、現在県内外で約50点が発見されている。江戸時代、立山の衆徒らは立山から遠く離れた地の人々や、登山を禁止されていた女性たちへ、立山曼荼羅を用い、「絵解き」という方法で立山信仰を広め、立山の神仏との結縁や、立山への参詣を勧めた。立山曼荼羅の中には、礼拝画として用いられたものもある。

現存しているものは、掛軸四幅で一つの絵になる「四幅一対」のものが多い。初めは大きな紙に描き、折りたたんで持ち運んでいたが、利便性を高めるため、絵を分割し、掛軸にして全国で布教活動をした。

●岩峅寺衆徒と芦峅寺衆徒

立山信仰の布教活動の拠点となった芦峅寺と岩峅寺の両集落の衆徒らは、立山に対する宗教的な諸権利などでしばしば対立した。そのため加賀藩は1711年以降、立山に近い芦峅寺衆徒には諸国での廻壇配札活動の権利を、岩峅寺衆徒には立山山中における宗教的諸権利を与え、「別当」として管理も任せた。

岩峅寺の衆徒らは、江戸時代後期に立山山中の諸堂舎の修復費用などを得るため、加賀藩内の寺院で出開帳による布教勧進活動を行った。一方、芦峅寺衆徒らは、全国的な布教活動に重点を置き、各宿坊は、それぞれの檀那場に赴き、配札や絵解きによって、立山登拝や布橋灌頂会への参加を勧誘した。

●山岳景観を丁寧に描いた岩峅寺系の立山曼荼羅と芦峅寺系に倣った立山曼荼羅


▲立山の霊獣クタベ

▲富山県[立山博物館]

「立山博物館A本」は、立山の山岳景観が詳細に描かれているが、「立山開山縁起」「立山地獄」「立山浄土」「立山禅定登山案内」の場面はいずれも簡略に描かれている。また、峰々や名所、諸堂、諸仏などには、名称が書かれており、山絵図(登山案内図)の様相が強く表れていることから、岩峅寺衆徒が関係する立山曼荼羅の特徴をもつ。

それに対して、岩峅寺中道坊に伝わる「中道坊本」は立山地獄を大きく描き、芦峅寺衆徒が絵解きに使用した立山曼荼羅に近い形態をしている。

立山博物館では、「今冬も、立山曼荼羅の世界を静寂の空間でお楽しみください。立山の霊獣、クタベもお待ちしています。」と話している。

問合せ
●富山県[立山博物館]
TEL.076-481-1216
FAX.076-481-1144
https://www.pref.toyama.jp/1739/miryokukankou/bunka/bunkazai/home/index.html


コメント

その他のイベント

ページの先頭へもどる↑