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2021年 12月 8日 [ トピックス ]

No.1025:またとない機会、3館のコレクションを富山県美術館で

県美術館で「トライアローグ 横浜美術館・愛知県美術館・富山県美術館 20世紀西洋美術コレクション」展を開催中<2022年1月16日(日)まで>。70作家、約120点の名作、3館のコレクションが響き合う。

●120点を3章立てで紹介


▲「3章 1960s-アートの多元化」
の展示風景

本展では、西洋美術コレクションからピカソ、クレー、エルンスト、ダリ、マグリット、ポロック、ベーコンなど20世紀美術を彩った巨匠たちの作品を厳選し、絵画を中心に約120点を紹介している。3者による話し合い、鼎談を意味する「トライアローグ」をキーワードに、3館のコレクションを組み合わせて、20世紀美術の歴史を振り返る。20世紀の始まりを告げる「第1章 1900s-アートの地殻変動」、シュルレアリスムに関連する作家をクローズアップする「第2章 1930s-アートの磁場転換」、芸術の新たな中心地となったニューヨークを取り巻く動向から20世紀末までのアートシーンを追う「第3章 1960s-アートの多元化」の3章立てだ。

この3館は、1980年前後に日本で起こった、美術館ラッシュを象徴する美術館で、いずれも多様性に富んだコレクションを有する。また、近現代の西洋美術を収集の柱の1つとし、美術館の「顔」となる作品が多く含まれる。ピカソ、マティス、マグリット、ダリ、ポロック、ウォーホル、リヒターなどの名作がずらりと並ぶ。

特定の作家をフォーカスして3館の所蔵作品を比較するコーナー「artist in focus」など、連携・共同企画ならではの趣向も織り交ぜながら、表現方法と概念の刷新が繰り返された前世紀の美術の足跡をたどるのも楽しみだ。

絵画作品以外に、映像作品も展示されている。マルセル・デュシャンの「アネミック・シネマ」はデュシャンが手掛けた唯一の映像作品。円盤を1mmずつ回転させてコマ撮りする作業を2週間反復して作り上げられたという、回転をテーマにしたアニメーションだ。

●来場者イチオシ作品の紹介も


▲パウル・クレーなどの作品が並ぶ第2章

会場では、トライアローグの「3」にちなんで、来場者イチオシの3点を募集。富山県美術館ボランティアの気になる1点も紹介されている。パブロ・ピカソ≪肘かけ椅子の女≫については、「モナリザの体型に似る。椅子に座り、安定があり、抽象画にしていない。白の絵具が微妙なタッチ、光の効果を生む。グレーと白のさわやかな調和が伝わってくる~」と紹介されている。想像をふくらませたり、共感しながら、気になる作品を観に行かれてはいかが。

県美術館では、「欧米の近現代美術の粋を堪能していただくと同時に、日本の美術館が競い合うように繰り広げてきた西洋絵画収集の足跡と、その結果日本にもたらされた豊かな資産を再確認いただけると思います。ぜひお越しください。」と話している。

問合せ
●富山県美術館
TEL.076-431-2711
FAX.076-431-2712
https://tad-toyama.jp/


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