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2020年 2月 19日 [ トピックス ]

No.945:富山県の伝統工芸品、まるわかり!「とやまの伝統工芸 11の誇り」

県は、本県の伝統工芸品の魅力を一冊にまとめたパンフレット「とやまの伝統工芸 11の誇り」を発刊した。高岡銅器や井波彫刻など「国指定伝統的工芸品」と、越中瀬戸焼や高岡鉄器など「富山県伝統工芸品」の紹介をはじめ、ARアプリによる動画との連携、QRコードの記載など、わかりやすさに工夫を凝らした。パンフ片手に伝統工芸品と出会うとやまの旅へ出かけよう。

●時代に合わせた革新的なものづくり紹介

 日本海側有数の工業集積を誇る富山県。伝統工芸品の分野でも高度で優れた伝統技術・技法が磨き上げられ、時代を越えて受け継がれている。それと同時に、伝統技術を生かし、現代の暮らしに合ったものづくりも盛んに行われている―。


▲「とやまの伝統工芸 11の誇り」


▲高岡漆器・青貝塗の燭台(左)
▲青貝塗で飾った箸。
現代の暮らしに合った商品開発も盛ん(右)

 県では、本県の伝統工芸品の魅力を国内外に広く発信するため、紹介パンフレットを5年ぶりに刷新した。名称は「とやまの伝統工芸 11の誇り」<A4版、オールカラー、16ページ>。国が『伝統的工芸品』に指定している「高岡銅器」、「井波彫刻」、「高岡漆器」、「庄川挽物木地」、「越中和紙」、「越中福岡の菅笠」の6品目と、県が『富山県伝統工芸品』に指定している「越中瀬戸焼」、「高岡鉄器」、「高岡仏壇」、「とやま土人形」、「富山木象嵌」の5品目を詳細に紹介している。

 制作のポイントとして、高度で優れた伝統技術・技法や精緻な職人技に根差した各産地の特徴を、今回新たに、時代に合わせた革新的なものづくりや世界への展開も視野に入れた挑戦も含めて掘り下げて紹介。また、実際に産地を訪れて体験してもらう産業観光の視点も取り入れた。スマートフォンを活用したARアプリ「エコデンス」<開発:(株)スプラウト」(富山市)>をインストール(無料)することにより、産業観光のPR動画や、高岡銅器、高岡漆器製品を3Dモデルで確認することができる。また、関連施設のHPにすぐアクセスできるQRコードも記載。海外でのPRやインバウンドにも対応し、日本語をはじめ、英語、中国語(簡体、繁体)の多言語版も制作。わかりやすさにも工夫を凝らした。

●ページをめくるごとに、富山県の伝統工芸への理解が深まる

 表紙には、梵鐘や菅笠、獅子頭など、各産地の伝統工芸品を手にした着物や作業着姿の職人さんらを描いたイラストがずらりと並ぶ。軽妙なタッチで、工芸品が生まれた時代にタイムトリップした気分になれそうだ。

 巻頭では、400年以上の歴史を誇る高岡鋳物発祥の地、高岡市の鉄器工場の鋳込み風景の写真を掲載。高温でドロドロに溶けた橙色の鉄の発色が作り手たちの情熱を象徴しているかのようだ。


▲高岡銅器の香炉(左)
▲銅器と木を組み合わせた酒器(右)

 次ページからは各産地が紹介されるが、たとえば銅合金の鋳物で国内トップシェアを誇る高岡銅器のページを開くと、誕生した江戸初期の時代背景やバックボーン、製品の特徴などが盛りだくさん。高度な彫金の技を生かした香炉と、着色技術を深化させ、銅器と木の異素材を組み合わせて製造した酒器等のクローズアップや、研磨、彫金、着色等の製造工程を詳しく紹介した「高岡銅器の工程、教えます」、高岡鋳物発祥の地・金屋町と、錫100%の曲がる器で注目の鋳物メーカー・能作を取り上げた「産業観光スポット」のコーナーなどを読むと、高岡銅器の歴史や革新的な試みがよくわかる。各産地がこのように、伝統的な商品を作りつつ、現代の暮らしに合った商品づくりを進めてきた。その歴史と今にスポットを当てているのが特徴で、富山県の伝統工芸品を興味深く、また楽しく学ぶことができる。

 「とやまの伝統工芸 11の誇り」は、東京都内の県アンテナショップ・日本橋とやま館や県内文化施設などで配布中。HPにアクセスし、各言語版をダウンロードすることもできる。

 県経営支援課では、「ページをめくるごとに、富山県の伝統工芸品の魅力に触れることができます。QRコードから実際に県内の各産地を訪れて、本物と触れる時間もいかがでしょうか。多くの方々に、伝統産業に注目してもらい、需要拡大につなげていきたいです」と話している。

問合せ
●富山県商工労働部 経営支援課
TEL.076-444-3249
FAX.076-444-4402
http://www.pref.toyama.jp/cms_sec/1300/

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