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2019年 1月 16日 [ トピックス ]

No.890:世界の舞台芸術の祭典「シアター・オリンピックス」―今夏、富山県で開催

世界16カ国・地域の演出家などが参加する国際的な舞台芸術の祭典「第9回シアター・オリンピックス」<企画:シアター・オリンピックス国際委員会、主催:(公財)舞台芸術財団演劇人会議、シアター・オリンピックス2019実行委員会>が、2019年8月23日(金)から9月23日(月)まで、富山県南砺市利賀地域と黒部市で開催される。1月8日、東京都内のホテルで記者会見があり、関係者が意気込みを語った。今回はロシアとの共同開催となり、国の枠を越えての開催は祭典史上初めて。ロシアでは同年6~11月にサンクトペテルブルク市を中心に行われる。

●日本・ロシア共同開催、記者会見

 「シアター・オリンピックス」は、鈴木忠志氏(日本)やテオドロス・テルゾプロス氏(ギリシア)など世界各国で活躍する演出家・劇作家(8名)により1993年ギリシアのデルフォイで創設された国際的な舞台芸術の祭典。1995年のギリシア(デルフォイ、アテネ、エピダウロス)から始まり、日本(静岡)、ロシア(モスクワ)、トルコ(イスタンブール)、韓国(ソウル)、中国(北京)、ポーランド(ヴロツワフ)、2018年のインド(ニューデリーなど)まで、世界8カ国で開催されてきた。


▲1月8日の記者会見

 2つの国で共同開催されるのは今回が初めてとなり、1月8日の会見には、日本側の芸術監督を務める演出家の鈴木忠志監督、𠮷田忠裕 シアター・オリンピックス2019実行委員会会長、石井隆一富山県知事、テオドロス・テルゾプロス シアター・オリンピックス国際委員会委員長、ロシア側の芸術監督を務めるヴァレリー・フォーキン ロシア国立アレクサンドリンスキー劇場芸術総監督らが出席した。

 「第9回シアター・オリンピックス」のテーマは、「Creating Bridges」。会見で鈴木芸術監督は「芸術家として、国や民族を越えて人類に貢献できる普遍的価値を提供していきたい。異質なものに橋を懸ける。そしてもっと明るく虹をかけたい」と述べ、「サンクトペテルブルク市は人口約530万人の大都市、一方、利賀の人口は約500人。この2都市での共同開催は、演劇がどこでも可能だということを示す意味でたいへん意義のあること。日本の地方には国際的な共同事業ができる財産がある」と力を込めた。テルゾプロス委員長は「グローバル化とともにすべてが均一化してきた。異なる創造、伝統があっていい。異質なものを受け入れ、創造する大切さを訴えたい」と述べ、𠮷田会長は「日本で行われることに感激している」、石井知事は「東京一極集中の是正に向け、東京から地方へ人の流れを作るのが地方創生のテーマ。この大会を一つのモデルケースとしたい」と期待を込めた。

●今夏、富山から世界へ発信


▲「第9回シアター・オリンピックス」
のチラシ
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 「第9回シアター・オリンピックス」の日本での会期は8月23日(金)~9月23日(月)。会場は南砺市利賀地域が富山県利賀芸術公園の5つの劇場と、利賀大山房。黒部市は宇奈月国際会館「セレネ」、前沢ガーデン野外ステージ(YKK)。ロシアでは6月にオープニングセレモニー、9~11月に作品上演が行われる。会場はサンクトペテルブルクの国立アレクサンドリンスキー劇場ほか。6月にロシア連邦沿海地方・ウラジオストクで、鈴木芸術監督を招いたワークショップを開催予定。


▲会見でオープニング作品
「リア王」などを紹介

 日本では30作品が上演される。主な上演作品は、鈴木芸術監督の「リア王」、「サド侯爵夫人」、「世界の果てからこんにちは」、「ディオニュソス」、ヴァレリー・フォーキン芸術監督の「Today.2016-...」、テオドロス・テルゾプロス委員長の「トロイアの女」、ロバート・ウィルソン氏(アメリカ)の「Lecture on Nothing」、ラタン・ティヤム氏(インド)の「マクベス」、リュー・リービン氏(中国)の「天と地の間の生」、チェ・チリム氏(韓国)の「名もなき花は風に散る」、ヤロスロウ・フレット氏(ポーランド)の「Anhelli.The Howl」、宮城聰氏の「天守物語」、平田オリザ氏の「東京ノート・インターナショナルバージョン」、中島諒人氏の「剣を鍛える話」など。上演場所の詳細は4月に発表予定。チケットの予約受付の6月下旬までにどれを観るのかしっかり検討してほしい。

●プレイベントで舞台衣装を特別展示


▲プレイベントリーフレット
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 「第9回シアター・オリンピックス」のプレイベントが1月26日(土)~2月3日(日)に富山<フューチャーシティ・ファボーレ>、2月23日(土)~3月1日(金)に高岡<イオンモール高岡>で開催される。祭典を企画・運営してきた国際委員や上演される作品、会場となる利賀や黒部の魅力を映像やパネルで紹介。また、鈴木芸術監督の代表作で今回の上演作品でもある「リア王」、「ディオニュソス」、「サド侯爵夫人」で実際に俳優が着用している舞台衣装も特別に展示される。入場は無料(事前申込不要)。シアター・オリンピックスの魅力や芸術性に身近で触れる絶好の機会だ。


▲広報サポーター募集
※画像をクリックすることで広報サポーター
募集ページへジャンプできます☆

 シアター・オリンピックス2019実行委員会事務局(富山県文化振興課内)では、「日本で20年ぶりに開催される舞台芸術の祭典です。一緒に盛り上げていただくため、広報サポーターを募集しています。近隣のお店や施設でのチラシの設置やポスターの掲示、SNSへの投稿、動画放映など広報活動にご協力ください。詳しくは公式サイトをご覧ください」と話している。

問合せ
「第9回シアター・オリンピックス」について
●シアター・オリンピックス2019実行委員会事務局
(富山県生活環境文化部 文化振興課内)
TEL.076-444-8650
FAX.076-444-8900
https://www.theatre-oly.org

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