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2002年 10月 23日 [ トピックス ]

No.104-1:ノーベル化学賞受賞の田中耕一さん—故郷富山で熱烈な歓迎


●素朴で親しみやすい人柄に好感

 10月9日、富山市出身の田中耕一さんのノーベル化学賞受賞が発表された。43歳、会社勤務(島津製作所)の田中さんは、発表後の記者会見で「作業服姿ですいません」、「予想もしなかった」と、最高の栄誉である同賞受賞の驚きと喜びを気取らず素直に表した。その田中さんの素朴で親しみやすい人柄が、全国の人々の注目を集め、好感がもたれている。
 富山市内で生まれた田中さんは、富山中部高校を卒業し、東北大学工学部に進学。大学卒業後、島津製作所に入社し、サラリーマンとして研究の道を歩んできた。田中さんの幼少期からの常識にとらわれない自由な発想が、タンパク質などの分析を簡単に素早くできる新しい方法の発見に結びつき、今回の受賞をもたらした。この発見は、新薬の開発などを大きく発展させるものである。

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●故郷富山で熱烈な歓迎

 10月19日、田中さんは、受賞の喜びに沸く富山に受賞決定後初めて帰郷し、地元の人々、母校である徳風幼稚園、八人町小、芝園中、富山中部高の園児・児童・生徒をはじめ大勢の県民の熱烈な歓迎を受けた。
 中沖知事は、「富山県にとってこの上ない名誉、若いみんなに大きな希望を、県民に大きな夢をあたえていただいた」とお祝いの言葉を述べた。田中さんは、照れながらも、「今回の受賞は富山県人としての粘り強さ、忍耐強さが大きく影響している。富山に生まれ育ち良かった」と答えた。
 田中さんは、今後は、自らの研究をさらに進めていくとともに、産学官連携への協力などにも取り組んでいきたいと意欲をみせる。子供たちへは、「コツコツ努力していることを、どこかで見ていてくれる人がいるということに気付いてほしい」とメッセージを残し、多忙なスケジュールのなか、故郷富山をあとにした。


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