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2023年 3月 22日 [ トピックス ]

No.1081:脱炭素社会へむけて、「廃プラ」ごみ袋の試作品が完成!

県では、プラスチックの資源循環に向けた一手として、「廃プラスチック」を利用したごみ袋の製作を進めており、去る2月、その試作品が完成した。「バイオマスプラスチック(※)」との併用により、石油資源使用量とCO2の排出削減への効果に優れるだけでなく、機能性も十分だという。今記事では、新たなごみ袋の製作に取り組んだ背景や、完成に至るまでの道のりと現在地、その先に見据える展開まで、担当者に聞く。
※バイオマスプラスチック…植物や動物に由来する再生可能な資源を原料にしたプラスチック

●令和3年度からの調査と検討、県内業者との連携で誕生


▲環境省
プラスチック資源循環法特設サイトから

新しいごみ袋の試作は、令和3年度に実施した「廃プラスチック」の実態調査から繋がる取組み。県内の事業者の協力の下、現状、焼却(燃料化含む)又は埋め立てされており、かつ「異物の混入がない」などの条件を満たした「廃プラスチック」を選び、ごみ袋の素材の一部として活用している。
県では、これまでも「とやま廃棄物プラン」に基づき、廃プラスチックを含む産業廃棄物のリサイクルを推進してきたところであるが、昨年4月に施行された「プラスチック資源循環法」では、廃プラスチックを輩出する事業者は、可能な限りプラスチックの再資源化(新たなプラスチック製品の原料として利用すること:マテリアルリサイクルなど)を行うこととされたことから、その事例創出も狙ったものだ。

●地球に優しい素材で、クオリティも担保

新たなごみ袋には、「廃プラスチック」を材料全体の約15%、サトウキビ由来の「バイオマスプラスチック」を約30%使用することで、石油資源の使用量とCO2の排出削減にも貢献し、カーボンニュートラル実現への一助を担うという。担当者によると、「廃プラスチック」類を細かく砕く「ペレット化」や「ごみ袋への加工」を担える県内の事業者が連携することで、従来の「ごみ袋」と同等レベルの強度となっており、「家庭用の指定袋と比べても丈夫な印象。印刷も鮮明で、剥がれなどもありません」とその品質に太鼓判を押す。

●好循環で連鎖する取組み、まずは注目を!

試作された袋は5,000枚、まずは市町村に配布し、清掃活動等で順次利用されているという。サイズは一般的なごみ袋の「小サイズ」に当たる「15リットル」限定だが、袋にはプラスチックの資源循環も表示されており、まずは手に取った県民への啓発効果が期待できるという。さらにこれらの活用事例がHPなどで紹介されれば、事業者に周知され、新たな資源循環の可能性を拡大するといった、循環・相乗効果の連鎖が期待できそうだ。

担当者は、「現在廃棄しているプラスチックが新たな製品の原料となる可能性があります。企業のPR効果や、場合によっては費用を抑えるメリットもありますし、あらためて性状確認や廃棄物処理業者への相談など、リサイクルへの転換を検討いただければ」と、県内の工場・事業場にアピール。そして県民には、「こうした製品を優先的に手に取り、使用いただくこと自体が環境にやさしい取組みとなります。また、地域の企業や新たなリサイクルの取組みの応援にもなりますので、この製品に限らず、環境配慮型製品をぜひ意識し使用いただければ」と呼びかけた。

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トヤマジャストナウは、今回の記事で更新を終了いたします。
長らくご愛読いただき、誠にありがとうございました。
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【問合先】
富山県生活環境文化部 環境政策課(廃棄物対策班)
TEL:076-444-3140

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