富山県美術館では5月28日（土）より、“開館5周年”企画の一つである、「まるごとTADこども美術館」を開催中。「宮城県美術館所蔵　絵本原画の世界2022」をメイン企画として、親子でアートに触れる企画が多数用意されているという。今記事では、初日の開会式および会場の様子の写真とともに、各企画展の紹介、ならびに期間中に用意されるイベントについて紹介する。

●2階展示室では、宮城県美術館所蔵の絵本原画350点を惜しみなく大展示！

「まるごとTADこども美術館」のメイン企画となる「富山県美術館開館5周年記念　宮城県美術館所蔵　絵本原画の世界2022」では、『ぐりとぐら』や『はじめてのおつかい』など、人気の絵本原画を多数展示。これらのヒット作を世に送り出した1956年創刊の月刊「こどものとも」の歴史と併せ、国内の名作絵本のルーツを巡る企画となっている。「こどものとも」は、画家や彫刻家、漫画家など幅広い分野の作家たちが手がけた月刊の絵本。子どもたちが上質な美術体験を得られる絵本作りに取り組んできた「福音館書店」が出版元だ。

そんな“特別”が詰まった企画展では、初期の原画コレクションの中でも選りすぐりの貴重な絵本原画たちが、２階の展示室3室に渡って惜しみなく展開されている。34作家、350点にも及ぶ圧巻のスケール感は、これら名作を所蔵する宮城県美術館の協力によって実現したものだ。

時系列をベースにレイアウトされた作品群からは、各絵本作家の「はじまり」と「成長」を感じ取ることができる。鮮やかな⾊彩や質感、技法や画材の組み合わせの妙、文字掲載のための余白、印刷工程の色の指示や修正の跡、お蔵入り部分など、個性や息遣いまでが浮き彫りになるファン垂涎の仕掛けだ。ファンのみならず、一度訪れれば誰でも、親しみ溢れる絵本の世界が、より親しみ深いものになることだろう。

そして、この「宮城県美術館所蔵　絵本原画の世界2022」を含め、富山県美術館で開催される企画展は、小・中学生、高校生および学校教育や社会教育活動としての引率者、手帳を所有する障がい者及び引率者1名は観覧無料となっている。また、対象外の場合も、「リピーター割」「クマ割」など様々なお得プランがあるので、まずは記事ラストに記すリンク先をチェックしてほしい。

●1階TADギャラリーでは地元の小中高生による作品展示も！

さらに期間中はもうひとつの“特別な展示”にも注目。1階の「TADギャラリー」にて、「学校（School）×富山（Toyama）×アート（ART）＝”START”」と銘打ち、富山県内の小学校・中学校・高等学校から集結した個性あふれる作品たちが主役（＝STAR）を飾る「START☆2022」が同時開催中だ。

富山市立水橋西部小学校、富山市立水橋中部小学校、富山市立水橋東部小学校、砺波市立出町中学校、富山県立高岡西高等学校の児童や生徒が柔軟な発想で生み出した作品たちに魅了されるこちらもまた、絵本原画展とは一味違った展覧会となっている。

●展覧会をより魅力的に彩る、イベントも続々！

開催初日には、開会式会場となった２階「ホワイエ」で、砺波市立出町中学校合唱部によるコンサートも開催された。今後、単日では6月11日（土）の生田美秋氏による講演会の他、18日（土）のギャラリートークや19日（日）の映画上映会、26日（日）の絵本作りのワークショップの他、「TADおさんぽビンゴ」やオープンラボなどが行われる予定。子どもから大人までを対象とした、夏目前までのイベントは、必見だ。

最後に追加情報を。4月末、富山県（砺波市）出身で、チャンネル登録者数1000万人越えの人気ユーチューバー「はじめしゃちょー」氏が富山県美術館を巡る企画動画を配信開始。こちらもチェックを！