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2021年 5月 26日 [ トピックス ]

No.1000:一足早く、「黒部ルート」を擬似体験!

2024年、立山黒部アルペンルートと黒部峡谷鉄道をつなぐ新たな観光ルートとして「黒部ルート」の一般開放が予定されている。公式ホームページでプロモーション映像を公開中。コロナ禍の中、一足早く、自宅で「立山黒部」の絶景や地底に存在する巨大な電源施設群を擬似体験し、大自然の中に存在する黒部ルートの意義や電源開発の歴史を感じてみてはいかがだろう。

●立山エリアと黒部峡谷が周遊可能に


▲プロモーション映像

「黒部ルート」は、黒部ダムと黒部峡谷の欅平を結ぶ約18kmにわたるルート。黒部川第四発電所の建設などに伴い、日本電力(株)や関西電力(株)が工事用ルートとして整備したものだ。今も発電施設の保守・工事などに利用されており、普段は工事関係者しか立ち入ることができない。

県では、2017年6月に「『立山黒部』世界ブランド化推進会議」を設置し、世界ブランド化に向けたさまざまなプロジェクトを開始。その中の一つ「黒部ルートの一般開放・旅行商品化」については、関西電力(株)と協議を重ねた結果、2018年10月に協定を締結し、安全対策工事完了後の2024年に年間最大1万人の規模で一般開放することになった。

これにより、世界的な山岳景観を誇る立山エリアと日本一のV字峡である黒部峡谷が結ばれ、「立山黒部」を周遊する新たな観光ルートが形成される。美しく雄大な大自然を守るため、黒部奥山の地底につくられた電源施設群が目の前に迫り、当時の人類の英知を結集した電源開発の軌跡に触れられる旅が実現する。

●乗り物ファン必見


▲高熱隧道

今回制作された映像のタイトルは「宇奈月~黒部ダム 新ルート始動」。約15秒、1分、5分に編集された3種類の映像がある。作業にかかせない工事用トロッコ列車、標高差200mを一気に昇降する竪坑エレベーター、上部専用軌道を走る蓄電池機関車、最大積載能力25tのインクラインなど、普段目にすることができない乗り物が登場する。乗り物ファンにとっては垂涎のプロモーション映像だろう。特に黒部川第四発電所建設に必要な資材や機材を輸送するために建設されたインクラインの映像は、急傾斜(斜度34度)を昇降していることが伝わってくる。大自然の中で斜坑を掘削した先人の苦労が偲ばれる。

また、掘削時、岩盤の温度が160℃に達した高熱隧道の映像は暗闇と橙色の照明のコントラストが神秘的。熱気や硫黄臭が映像から感じられるほどだ。このほか、荒々しい稜線が織りなす「裏剱」、落差125mの雲切の滝を眺望できる仙人谷など、インパクトのある映像が心に迫ってくる。

黒部峡谷の人喰岩や猿飛峡、立山黒部アルペンルートのみくりが池や眼下に紅葉が広がる立山ロープウェイなど、前後のルートの絶景もふんだんに盛り込まれている。

サウンドも印象的だ。鉄橋を渡る工事用トロッコの車輪の音、黒部ダムの放水の音、独特の声を響かせるライチョウの鳴き声、称名滝の涼しげな音など、臨場感あふれるサウンドが感性を刺激してくれる。

●黒部ルートのPR強化


▲インクライン

プロモーション映像は、公式ホームページとYouTubeでの公開をはじめ、立山黒部アルペンルートのデジタルサイネージ(立山駅、室堂駅)、黒部峡谷鉄道宇奈月駅、宇奈月国際会館セレネ、JR富山駅、日本橋とやま館などで放映。また、宇奈月温泉街の旅館や立山黒部アルペンルート、県内観光施設・文化施設、日本橋とやま館などでパンフレットを配布中。

今後、富山県と旅行商品の運営主体である(株)JTB富山支店は、2024年に向けて、今年の立山黒部アルペンルート全線開業50周年や黒部峡谷鉄道(株)創立50周年記念事業、2023年の宇奈月温泉開湯100周年などとも連携し、プロモーションを展開する計画だ。

県地方創生局 観光振興室では、「プロモーション映像とパンフレットで黒部ルートの魅力や希少性、歴史的背景をコンパクトにまとめました。ホームページではインクラインなどのVR映像で、行程の一部を擬似体験することもできます。一足早く、新たな周遊ルートの魅力や電源開発の歴史に触れてみてはいかがでしょう」と話している。

問合せ
●富山県地方創生局 観光振興室
TEL.076-444-4498
FAX.076-444-4404

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