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2021年 4月 28日 [ トピックス ]

No.997:春、名画、美味との出会いは富山から

富山県美術館で4月24日、「ポーラ美術館コレクション展―印象派からエコール・ド・パリ―」が開幕した<6月27日(日)まで>。モネ、ルノワールからピカソ、シャガールまでの名作を鑑賞。また、県美術館3Fに「アートとイート」をコンセプトにしたレストラン「BiBiBi&JURULi(ビビビ&ジュルリ)」がオープンした話題も紹介。県内全15市町村の旬の食材を素材に、美術館の企画展と連動した遊び心あふれる料理を提供する。

●総数86件の作品を一堂に


▲「ポーラ美術館コレクション展
―印象派からエコール・ド・パリ―」
ピエール・ボナール《地中海の庭》(左)
▲富山の旬の彩り
“コンポジションプレート”( BiBiBi&JURULi)(右)


▲ルノワールの《水の中の裸婦》(左)、
《裸婦》(右)

ポーラ美術館(富士箱根伊豆国立公園内)のコレクションは多岐にわたり、その総数は約1万点にも及ぶ。なかでも西洋絵画のコレクションは、19世紀フランス印象派の絵画から、ポスト印象派、そして20世紀絵画に至る、西洋の近代美術の展開を体系的にたどることができる国内でも屈指のコレクションだ。

本展覧会では、同コレクションから、フランスで活動した作家による74点の絵画を厳選し、12件の化粧道具コレクションを合わせた総数86件の作品を、「都市と自然―モネ、ルノワールと印象派」、「日常の輝き―セザンヌ、ゴッホとポスト印象派」、「新しさを求めて―マティス、ピカソと20世紀の画家たち」、「芸術の都―ユトリロ、シャガールとエコール・ド・パリ」の4つの章構成によって印象派からエコール・ド・パリへと流れる時代の変遷を紹介する。

また、時代を映すファッショナブルな「女性像」、近代化によって大きく変貌する「パリ」、画家たちが旅先で出合った風景や、南仏など重要な制作地をめぐる「旅」というテーマを通して、フランスを舞台に活躍した画家たちに時代や様式を超えて受け継がれる美意識を浮き彫りにする。

作品をいくつか紹介しよう。ピエール・オーギュスト・ルノワールの《レースの帽子の少女》は、夢見るような青い瞳と珊瑚色の唇が魅惑的な輝きを湛えている作品。白いドレスは「真珠色の時代」にふさわしく、さまざまな色を帯びた光沢を放ち、衣服の質感に対するルノワールの鋭い感性が発揮されている。身体に布を引き寄せて、長い髪に手を添える《裸婦》は、晩年のルノワール作品の特徴である、滑らかな画肌が印象的。やわらかな輪郭によって背景へと溶け込んでいる。

ピエール・ボナールの《地中海の庭》は、ミモザの黄色の花で埋め尽くされた庭と背景にみえる青い地中海が印象的。テラス越しに風景が広がる構図は、観者を画面に誘い込むような感覚をもたらす。

マルク・シャガールの《オペラ座の人々》は、パリ・オペラ座前の広場を背景に抱き合う男女、弦楽器を持つ音楽家などが空中の輪舞を華麗に繰り広げる幻想的な作品。見ていると、自然に微笑みが浮かんでくる。

「アール・ヌーヴォーの化粧道具」では、香水瓶を多く手がけたガラス工芸作家、エミール・ガレの《クレマチス文香水瓶》などの作品を展示。植物や女性像をモティーフにした曲線的デザインが目を引く。

なお、県美術館では、マスクの着用、適切な距離の確保、咳エチケットなど、新型コロナウイルス感染症拡大防止への協力を呼びかけている。土・日曜・祝日、GWなどの混雑時には入場制限を行う場合がある。

富山県美術館では、「モネやルノワール、ピカソ、シャガールら、総勢28名の画家たちの作品を一堂にご覧いただける貴重な機会です。ぜひお越しください」と話している。

●新レストランオープン! 食を通じてアートを体感


▲季節のパスタ(左)
▲オノマトペサンデー(右)

「アートとイート」をコンセプトにしたレストラン「BiBiBi&JURULi」。アートで感性を“ビビビ”と刺激し、イートで食欲を“ジュルリ”と刺激することを店名に込めた。射水市の白エビ、滑川市のホタルイカ、富山市のえごま、黒部市の黒部名水ポーク、小矢部市のイチゴ、砺波市の雪タマネギ……県内全15市町村の旬の食材をふんだんに。食を通じてアートを体感できる多彩なメニューを提供する。

丸い木のプレート、陶器、磁器、ガラスなど、器は県内の職人が製作したオリジナルだ。丸い木のプレートは、トチノキに薄く黒漆をすり込んで仕上げた。陶器に見える白い器は、アルミ製。高岡の鋳物製造技術が活かされている。

一押しのメニューは、お肉や海産物、野菜、卵など富山の旬の食材をふんだんに使った「富山の旬の彩り“コンポジションプレート”」。コンポジションとは、構造・組み立てという意。器の位置を自由に並べかえて、自分なりのコンポジションを楽しめる。春のメニューを紹介すると、季節のお惣菜は、富山のえごまたっぷりサラダ。季節の小鉢は、ホタルイカのペペロンチーノ風、昆布を使ったサーモンマリネ、富山の卵のスパニッシュオムレツなど。メインは富山産豚肩ロースの香草パン粉焼きが並ぶ。

「季節のパスタ」は、富山湾の白エビを使ったパスタ。ソースだけでなく、米粉を使ったシロエビのフリットものっている。デザートには、オノマトペ(擬音語、擬態語)をテーマにした「オノマトペサンデー」。“ふわふわ”生クリーム、“パリパリ”チョコレートなど、オノマトペの響きとともに食感を楽しんでみよう。

BiBiBi&JURULiの前田慎太郎料理長は、「富山の旬の彩り“コンポジションプレート”は、丸いプレートをカンバスに見立て、大小さまざまの器に盛り付けられた料理を、並べかえて楽しんでほしい。現在、ポーラ美術館の企画展と連動した、アフタヌーンティーメニューを企画しています。名画鑑賞後にぜひお寄りください」と力を込める。

問合せ
●富山県美術館
TEL.076-431-2711
FAX.076-431-2712
https://tad-toyama.jp/

●BiBiBi&JURULi
TEL.076-482-3037
https://bibibi-juruli.com/


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