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2020年 10月 28日 [ トピックス ]

No.975:霊獣・妖怪「クタベ」特集第1弾!クタベを見て、疫病除け

その昔、越中立山に現れたとされる霊獣・妖怪「クタベ」が、新型コロナウイルスの影響で“疫病除けの霊獣”として注目されている。富山県[立山博物館]では、クタベをデザインした缶バッジやエコバッグ、Tシャツを制作。北日本新聞社は、「クタベ画を描こう」キャンペーンを展開。読者から募集した「クタベ画」をHPで公開している。五洲薬品は、「清潔ハンドジェル クタベボトル」を販売中!

●顔が人で、体が獣の予言獣(妖怪)


▲立山博物館のクタベ模型とTシャツ(左)
▲北日本新聞(2020年5月30日付)に
掲載されたクタベ画募集告知
(イラスト:水木しげる/©水木プロ)(中央)
▲五洲薬品の「清潔ハンドジェル
 クタベボトル」(右)


▲立山博物館オリジナルの缶バッチ(左)
▲エコバッグ(右)

 古くから立山の深山幽谷には、霊異(不思議なこと)と畏怖(おそれおののくこと)が満ちていると考えられてきた。閻魔大王や天狗、うば尊などの話も伝わり、不思議世界、不思議キャラクターがいっぱい。そして、コロナ禍の今、人気となっている妖怪が「クタベ」、顔が人で、体が獣の疫病流行の予言を告げる予言獣だ。

 言い伝えによると、立山に薬種(薬となる原料)を掘りに来た者に「4、5年の内に原因不明の難病が流行するが、我が姿を見た者はその難を逃れられる。」と告げたという。その絵を見る者も疫病の難をのがれ、助かることができるとされ、絵を描いて張り置く人も多かったようである。

 立山博物館(立山町)の調査・研究によると、クタベに関する資料として、『越中国怪獣 クタヘ』(江戸時代 湯本豪一記念日本妖怪博物館(三次もののけミュージアム)蔵)とある肉筆のものや、「クタベ(クタは「にんべん」に上に「夂」下に「田」、べは「けものへん」に「部」)」(大阪府立中之島図書館蔵)とある刷り物などがある。また、江戸時代の随筆である『虚実無尽蔵』四(国立国会図書館蔵)や『弘賢随筆』(屋代弘賢著 国立公文書館蔵)などから、クタベが流行していたのは、文政10年(1827年)の冬から翌年の春ごろと考えられる。

 疫病流行を予言する妖怪は全国におり、その1つとして「越中立山のクタベ」も生まれたとみられる。

 立山博物館では、大正時代の『奇態流行史』全(宮武外骨編集兼発行 半狂堂 大正11年7月1日刊)の挿絵を元に、オリジナルキャラクターを制作。資料には、クタベの大きさについての記載がないため、模型(同館のエントランスで展示中)は顔からしっぽまで約1.2mと「立山で出会ったら驚く(であろう)大きさ」にしているとのこと。

 立山博物館オリジナルの缶バッチ(100円)は29種類もある。色やデザインが異なるので、気に入ったものをじっくり選びたい。このほか、クタベをデザインしたシール(200円)やエコバッグ(350円)、Tシャツ(2,000円)もある。

 立山博物館では、「昨夏、当館で開催した前期特別企画展『立山ふしぎ大発見!?』でクタベを紹介したところ、SNSで話題になりました。クタベの話は江戸期、立山周辺では語られておらず、疫病の不安があった都市部を中心に、疫病流行を伝える妖怪の話が語られ、“越中立山のクタベ”が生まれたと考えられます。不思議な妖怪、クタベが棲むとされるくらいに『立山』は神秘的な山と考えられていたのではないでしょうか」と話している。

●北日本新聞 紙面展開「クタベ画を描こう」キャンペーン


▲北日本新聞見開き30段
(2020年9月30日付)でクタベ画を紹介(左)
▲寄せられたクタベ画(一部)(右)

 今年5月30日、北日本新聞(富山市)の朝刊。水木プロダクション・水木しげる氏の「クタベ」<『決定版日本妖怪大全 妖怪・あの世・神様』(講談社文庫:2014年)より>のイラストが「クタベ画を描こう」キャンペーンの紙面に登場。森の中の切株の上に立つ雄々しい姿、人面と牛の体に目が3つずつのおどろおどろしい画に度肝を抜かれた読者も多かっただろう……。「新型コロナ感染防止」および「新しい生活様式への移行」についての機運醸成を図ろうと、北日本新聞社と電通西日本富山支社が、読者からクタベ画とメッセージを募集し、紙面での掲載を企画。募集告知として、水木しげる氏制作のクタベをモチーフに新聞15段で展開した。

 その後、キャンペーンでは、5月末から6月末までの1カ月間で、県内外、海外から合計264点の作品が集まった。選定した作品10点を新聞朝刊で7月末に掲載。9月30日付で見開き30段で作品の一部105点を紹介した。現在、WEBで全作品を見ることができる。

 園児が色鉛筆で描いた作品から水彩画、パステル画、プロはだしの作品まで、個性的なクタベが揃った。「立山のクタベ様が見守ってくださるはず」「みんなの元気に祈りを込めて」「みんなひっしにいきている」「笑顔いっぱいの日常に戻れますように」「早くコロナが収まって、明るい生活がしたいです」「まだ希望はある 共に生きて行こうではないか」「クタベがゆう気をくれるよ」「おじいちゃんの病気を治すことができるクタベを描きました」などのメッセージに心打たれる。

 県内のある幼稚園教諭・保育士養成所では、1学年がクタベを描き、新型コロナの早期終息を願った。原画を印刷したものを入れたお守りも作り、所内や家族、県内の高校生らに配るなど、キャンペーンの反響は大きかった。

 北日本新聞社と電通西日本富山支社では、「コロナ禍、先の見えない日々への不安を少しでも前向きな気持ちで乗り越えるために企画しました。一日も早い終息を願う気持ちが寄せられた264作品から伝わってきました。描いているうちにクタベに親しみを持った方も多いのではないでしょうか。全作品を掲載したHPも見てください。きっと元気が湧くはずです。自作のクタベや水木しげる氏制作のクタベ入りの新聞を自宅に飾り、疫病除けのお守りにしてみるのもいかがでしょうか」と話している。

●「清潔ハンドジェル クタベボトル」をお守りに


▲ハンドジェルで手洗いを

 “美と健康”をテーマに独創的な製品づくりに取り組んでいる五洲薬品(富山市)は、「クタベ」のイラストをデザインした「清潔ハンドジェル クタベボトル」を商品開発し、5月に発売した。クタベはピンク色の可愛らしい姿。ジェルを付け、手指をすりすりした、ユーモラスな姿で、クスッと笑える。

 ジェルはアルコール洗浄タイプで、エタノールを含有(67vol%)。また、肌荒れを防ぐ潤い成分の温泉水とヒアルロン酸を配合している。べたつきにくい、速乾タイプで、水なしで使用できる。医薬品や医薬部外品ではないが、消毒用エタノールの代替品として、手指消毒に使用することができる。

 「清潔ハンドジェル クタベボトル」は130gで、1,485円(税込み)。販売は、富山駅のきときと市場とやマルシェと五洲薬品のオンラインショップにて。

 五洲薬品では、「キレイに見える手でも、目に見えない汚れがついています。そこでアルコール洗浄を。ボトルには、気分が明るく、笑顔になれる可愛らしいクタベをデザインしました。この商品をお守りにしてご愛用いただければ」と話している。

次回、11月11日の「トヤマ・ジャスト・ナウ」では、『霊獣・妖怪「クタベ」特集第2弾』を配信予定です。お楽しみに!

問合せ
「立山のクタベ」について
●富山県[立山博物館]
TEL.076-481-1216
FAX.076-481-1144
http://www.pref.toyama.jp/branches/3043/home.html

「クタベ画を描こう」キャンペーンについて
●北日本新聞社 営業局営業部
TEL.076-445-3373
FAX.076-445-3338
https://webun.jp/

「清潔ハンドジェル クタベボトル」について
●五洲薬品(株)
TEL.076-424-2661
FAX.076-422-4571
https://www.goshu.co.jp/

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