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2016年 4月 27日 [ 特産品 ]

No.754:シロエビ、ホタルイカ…豊饒の海、富山湾からの贈り物に舌鼓!

 富山湾に本格な春の訪れを告げるシロエビ漁が4月に解禁となり、浜は活気づいている。シロエビは、ほのかに薄紅色をした透明な体から“富山湾の宝石”と呼ばれる。シロエビをたっぷり使った贅沢な押し寿し「白えび寿し」(富山市:寿々屋)がこのほど日本ギフト大賞の最高賞に輝いた話題や、富山湾の春の味覚・ホタルイカについてもお伝えしよう。

●深海から“宝石”を水揚げ


▲淡いピンク色をした透明なシロエビ(左)
▲白えび寿し(右)

 富山湾は日本で最も深い湾の一つで、深いところでは水深1,200mほどにも達する。庄川、神通川、常願寺川が流れ込む沖には、V字にえぐられた深くて複雑な谷が伸びる。通称「あいがめ」と呼ばれ、一気に深くなる海域だ。大地からの豊富な栄養分や海中のプランクトンが多くの魚介を育み、好漁場となっている。

 シロエビの漁場も上記の大きな河川の河口部の沖合。新湊沖の小矢部・庄川海谷、岩瀬沖の神通海谷、水橋沖の常願寺海谷の3カ所だ。シロエビは水深100~600mの深海に生息する体長5~8cmの小型のエビで、正式な和名は「シラエビ」。全国の海域に広く分布しているが、漁業が成り立つほど漁獲されるのは富山湾だけだ。

 “浜前漁場”と呼ばれるほど漁場が近い新湊漁港(射水市)。早朝から沖合2~3kmでシロエビ漁に出ていた小型の底引き網漁船が次々に漁港に接岸し、シロエビを入れたザルを下ろし、再び漁場へ戻っていく。朝にこれを3回繰り返す。獲れたてのシロエビを活きのいいまま出荷するためだ。4月2日の漁初日には、例年並みの2,800kgほどの水揚げがあり、幸先のいいスタートを切った。漁期は4~11月で、6~7月に最盛期を迎える。

 シロエビは県民には馴染みのある食材だが、県外で知名度がぐんとあがったのは近年のことで、昨年春の北陸新幹線開業で一気に人気に火が付いた。昨年のように漁獲量が減少傾向にあるなかでの人気の高まりに、高級食材としてのプレミアム感が強まっているようだ。今年は豊漁を期待したい。

●シロエビならではの上品な甘みと滋味

 シロエビをふんだんに使った「白えび寿し」<富山市:寿々屋(すずや)>が、優れたギフト商品を表彰する「日本ギフト大賞2016」(主催:日本ギフト大賞選考委員会)の“ふるさとギフト最高賞”に輝いた。都道府県賞47点の中から選ばれた栄えある賞だ。

 清々しい香り漂う緑の熊笹をめくると、シロエビの白い身に白いシャリ……。「白えび寿し」は、手作業で丁寧にむき身にしたシロエビを県産コシヒカリの酢飯のうえに贅沢に敷き詰めた押し寿し。添加物、保存料を一切使わない伝承の味だ。おすすめの食べ方はしょうが醤油につけて。一口食べると、シロエビの甘みと旨味、滋味が口いっぱいに広がる。シロエビと酢飯の間のおぼろ昆布もいい味を出している。


▲シロエビの身と酢飯の間には
おぼろ昆布(左)
▲曲げわっぱの器(右)

 富山市内の契約農家から仕入れた減農薬のコシヒカリ、ほどよい酸味と甘みが上品な味わいを醸し出す米酢、平成の名水百選に選ばれた延命地蔵水そばの井戸水を使った仕込み水と、吟味した素材と職人の手技が冴える。器は、富山名産・ますの寿しでおなじみの木製の曲げわっぱ。郷愁をそそるデザインがいい。「白えび寿し」は見て楽しめ、味で満足できる逸品だ。

 「白えび寿し」は1個300g(直径15cm)で2,800円。富山駅新幹線高架下の「寿々屋とやマルシェ店」で店頭販売。また、インターネット(http://www.e-suzuya.co.jp/)でも注文が可能。地域によって異なるが、送料込みで3,500円前後となる。親しい人への高級感溢れるお土産に、自分へのご褒美に。また富山の旅の思い出が詰まった一品にしてほしい。

 なお、「日本ギフト大賞」は、2015年にスタート。地域に根ざした独自性、新しいギフト習慣を生み出す創造性、日本のギフト文化への貢献や活性化につながる社会性の3つを満たしている商品を対象に、人気度や話題性、消費者の満足度、パッケージの工夫などを全国の新聞社や大手百貨店など幅広い分野の選考委員が評価する。ふるさとギフト最高賞をはじめ、特別賞の感動ギフト賞、プレミアムギフト賞、地域ハーモニー賞などが設けられている。4月28日(木)に東京都千代田区の日本プレスセンターホールで表彰式が行われる。

●“富山湾の神秘” 旬のホタルイカに出会う旅を

 富山湾の春の風物詩、ホタルイカ漁。魚津から滑川、新湊にかけてが主な漁場で、常願寺川の河口から魚津市に至る約15kmの海岸線、沖合1.3kmの海域は「ホタルイカ群遊海面」として、国の特別天然記念物に指定されている。日本海の山陰沖などでも漁は行われているが、定置網で獲るのは富山湾だけ。胴体を傷めずに水揚げされる。しかも漁場と漁港が近く、漁獲後にすぐに冷水に浸けられて漁港に運ばれるため、鮮度も保たれているのが富山湾産ホタルイカの特徴。ほとんどが産卵期を迎え、身がふっくらとした雌。丸ごと茹で上げ、わた(内臓)の旨味を楽しむ「釜あげ」、分葱とともに味わう「酢味噌和え」などが定番の料理だ。

 ホタルイカは体長4~7cmの小さなイカだが、腕発光器(2本の腕先に各3個)、眼発光器(眼の回りに5個)、皮膚発光器(腹側の皮膚全体に約1,000個)を持っている。定置網で引き揚げられるときに、網に触れて青白い神秘的な光を放つ。この神秘的な光を滑川沖の観光船から見学できるのが「ほたるいか海上観光」。5月8日(日)までの実施で、乗船は予約でいっぱいだが、キャンセルが出ることもある。問合せは滑川市観光協会へ(TEL.076-475-0100)。


▲ほたるいか発光ショー(ライブシアター)

 ホタルイカの魅力を体感できるのが、富山湾岸に建つ「ほたるいかミュージアム」(滑川市)。この季節、定置網で捕獲されたホタルイカを半円形の特殊飼育水槽に入れ、「ほたるいか発光ショー」(ライブシアター)を実施している。目の前できらめく青白い光が心を染める。自然の神秘を感じずにはいられない。4月29日(金・祝)には「春のホタルイカ祭り2016in滑川」が開催されるのも話題だ。金魚すくいのホタルイカバージョン「ホタルイカすくいコンテスト」や「滑川名物大食いコンテスト」、「ホタルイカ目玉とばしコンテスト」などが予定されている。春満開、GWはホタルイカの幻想的な光に誘われて、富山の旅を楽しんでほしい。

問合せ
「白えび寿し」について
●寿々屋
TEL.076-492-5887
FAX.076-492-5772
http://www.e-suzuya.co.jp/

「ほたるいか発光ショー」、「春のホタルイカ祭り2016in滑川」について
●ほたるいかミュージアム
TEL.076-476-9300
FAX.076-476-9301
http://www.hotaruikamuseum.com/

富山県の物産のお買い求めについて
●いきいき富山館
TEL.03-3213-1244
FAX.03-3287-1722
http://toyamakan.jp/

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