特産品

アーカイブ

2013年 3月 27日 [ 特産品 ]

No.599-2:ビビッドカラーが目に新鮮!五箇山和紙に新感覚のブランド「FIVE」

五箇山和紙の里(南砺市)は、和紙の新たな可能性を追求する新ブランド「FIVE(ファイブ)」を立ち上げた。ブックカバー、カードケース、金封、ポチ袋、メモロールの5つのアイテムが揃う。顔料で染めたビビッドカラーと、揉み紙ならではの優しい風合いが魅力。普段使いのステーショナリー、プレゼントにいかが?

▲ブックカバー(左)、カードケース

●手漉きの和紙の風合いと鮮やかなカラーの組み合わせ

 五箇山の厳しくも豊かな自然環境のなか、人々の知恵と努力で受け継がれてきた伝統産業、五箇山和紙。「FIVE」は、五箇山の和紙づくりを若い世代に発信するとともに、五箇山の土地の魅力を広く世界に伝えることを願って誕生した。名称は、五箇山の「五」と職人の手、5本の指を表現している。武蔵野美術大学工芸工業デザイン学科で木工を学んだ職員の石本泉さんが中心となり、大学時代の同級生のデザインユニット「minna」(東京)と協力してプロジェクトを進めてきた。

 FIVEは、既存の和紙の感覚にとらわれない、鮮やかなカラーが印象的だ。ブックカバーとカードケースは蛍光色のブルー、グリーン、イエロー、オレンジ、ピンク、モノトーンのホワイト、グレー、ブラックの8色、金封とポチ袋はブルー、グリーン、イエロー、オレンジ、ピンクの5色、メモロールはホワイトとグレーの2色が揃う。北欧デザインを意識しながらも世界で通用するようなトレンドカラーを採用。ビビッドなカラーを出すため、蛍光顔料などをスクリーン印刷用に調色している。一方、形・デザインはシンプルにまとめられているのが特長だ。

 製造法として、ブックカバー、カードケース、金封、ポチ袋は、自家栽培の楮(コウゾ)を使って一枚一枚手漉きした和紙を顔料で染め、全面スクリーン印刷。さらに、こんにゃく糊(こんにゃくいもを乾燥させて粉状にしたものを水に溶かして糊状にしたもの)を和紙に塗り込み、一枚一枚手で揉み込んでいく。これにより和紙の風合いを生かしながらも強靭な紙に仕上がり、見た目ではわからない、独特の触感も生まれる。また、毛羽立ちが少なく、通常の和紙よりも丈夫なため、多少水に濡れても問題がなく、簡単に破れる心配もない。

●障子紙の技法を活かしたメモロール

 メモロールは木材パルプを主な原料に、機械漉きで製造。天然素材のみを用いる五箇山の障子紙と製造方法は同じだが、簡単に手でちぎれるよう、樹脂系の材料はいっさい含まれていない。あえて強度を弱くしているのだ。そのため、和紙独特の柔らかな耳たぶのような感触が楽しめる。ひもが付いており、吊り下げてもいいし、芳名録にも使える。メモしたい分だけを切り取って使えるエコなメモロールといえる。

 アイテムとして同じもの、近いものは五箇山和紙のこれまでの製品にもあったが、FIVEは素材、デザイン、カラーなどに対する視点、角度を変えて、まったく別の感覚で触れてもらえるような提案がなされている。初出展した第75回東京インターナショナル・ギフト・ショー(2月、東京ビッグサイト)では、新感覚のカラーや質感、触感が反響を呼び、石本さんらは大きな手応えを感じたという。

 各アイテムのサイズと価格(五箇山和紙の里価格、すべて税抜)は、ブックカバー(文庫本サイズ:タテ160mm×ヨコ285mm※開いた状態)1,500円、カードケース(105mm×147mm、名刺約20枚収納可※開いた状態)1,300円、金封(90mm×180mm、2枚入)680円、ポチ袋(65mm×110mm、2枚入) 380円、メモロール(105mm×15m)650円。五箇山和紙の里のほか、富山県内では、高岡市小馬出町にあるギャラリー&ショップの「HAN BUN KO」、東京都港区元麻布の「acrylic」などで取り扱っている。

 なお、五箇山和紙の歴史をみると、約1200年前の正倉院宝物(図書寮文書)と平安時代の延喜式に、越中国が朝廷へ和紙を納めたことが記されている。また、江戸時代初期には加賀二代藩主・前田利長に中折紙を贈ったという旨の受領書が残っている。昭和に入り、京都・桂離宮の解体修理の際に指名されるなど、五箇山和紙は高い品質でその名を歴史に刻んできた。昭和63年には県内の八尾和紙、蛭谷和紙とともに「越中和紙」と総称され、国の伝統的工芸品に指定された。

 五箇山和紙の里の石本泉さんは、山口県岩国市出身。学生時代に五箇山和紙と出合い、深い山々に囲まれた自然豊かな土地と和紙づくりに魅せられて五箇山へ移り住んだ。「FIVEは、材料を畑から作り、昔からの手仕事を大切にしながらも、新しい感覚を生かした和紙。これまで和紙に関心のなかった若い世代の人たちにも和紙の良さが伝えられたらと思います。より多くの方々に触れて使っていただき、五箇山和紙の魅力を世界へ発信していきたい。また、地元に愛され、さらに活気あふれる産業に発展し、次代へ受け継がれるよう、made in Gokayamaの和紙を誇りに邁進していきます」と話している。


▲メモロール▲金封(下)、ポチ袋▲手漉きの様子
問い合わせ
●五箇山和紙の里
TEL.0763-66-2223
FAX.0763-66-2250
http://www.five-gokayama.jp/

コメント

その他の特産品

ページの先頭へもどる↑