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2013年 2月 13日 [ 特産品 ]

No.593-2:杜氏と蔵人たちの想いがこもった富山の新酒、仕込みの最盛期 ★1名様に富山のお酒プレゼント★

酒蔵を包み込む冷気にのって、日本酒の芳香が漂う――県内の酒蔵は、新酒の仕込みの最盛期。富山県酒造組合や酒蔵を訪ね、富山の酒の特徴や魅力を聞いた。いい水、いい米、酒造りに適した寒冷な気候に恵まれた富山で美酒に酔う旅も思い出深い――。今回紹介した酒蔵から、富美菊酒造の「羽根屋 純米吟醸 煌火(きらび) 生原酒」をプレゼント。応募は記事本文最後のプレゼント応募フォームから<2月17日(日)締切り>。

▲酒蔵を代表する銘柄を紹介した「とやま・美酒地図

●富山のいい水、いい米が美味しい酒に

 粉雪舞う厳しい寒さが続くなか、県内の酒蔵は、新酒の仕込みの最盛期。造り酒屋の証しである、杉の葉を球状にした杉玉が新しいものに替わり、新酒の季節の到来を告げている。豊かな自然のなか、いい水、いい米、酒造りに適した寒冷な気候に恵まれた富山で美酒に酔う旅も思い出深い――。

 県内の酒蔵19社が組合員となっている富山県酒造組合で富山の酒の美味しい理由を聞くと、“いい水、いい米、造り手の技術の高さ”にあるという。水は、北アルプス・立山連峰を源流とした清らかで良質な伏流水。富山は、全国名水百選と平成の名水百選に全国最多となる計8カ所が選ばれていることからもわかるように水の良さは折り紙つきだ。良質な水を仕込み水にふんだんに使うことで、すっきりとした酒が生まれる。米については、山田錦、五百万石といった酒造好適米の使用割合が70%を超える。全国平均の20%強に比べてはるかに高く、全国トップクラス。酒造好適米は米粒の中心部にある心白が大きく、酒の元となるでんぷん質を多く含んでいる。この良質な米を磨きに磨くことで、雑味のない、酒に仕上がる。酒造りに適した寒冷な気候のもと、研鑽を積み、高度な技をもった杜氏や蔵人たちは、自然からの恵みに感謝して、酒造りに精進している。

 富山の酒蔵では、いろいろなタイプの酒を造っているが、なかでも吟醸酒や純米酒の割合が高い。甘辛度ではやや辛く、濃淡度は淡から濃の中間ぐらいで“端麗辛口”の酒が多い。香り高いものや軽快で滑らかなもの、熟成したもの、コクを感じるものと、その味わいを大別できるが、いずれもすっきりとしたなかに深い味わい、独特のまろやかな風味があり、飲み飽きしないのが特徴といえる。海、山、野と、富山の豊かな幸を使ったどの肴にも合うといえるだろう。

 さて、日本酒ファンに注目してほしいのが、10月5日(土)、高岡市で開催される「日本酒で乾杯推進会議 富山大会」だ。“乾杯は日本酒で”と呼びかける日本酒造組合中央会、地酒で乾杯富山推進会議、富山県酒造組合などで組織する「日本酒で乾杯推進会議富山大会実行委員会」が主催する。“地酒は地方の文化 越中万葉の郷から”をフレーズに、基調講演やパネルディスカッション(第1部)、落語(第2部)、万葉朗唱の宴(第3部)が催される。高岡古城公園を会場にした万葉朗唱の宴には、県内19酒蔵と石川、福井の酒蔵が出展。県民大乾杯、抽選会、アトラクションなどが予定されており、左党にとって楽しみなイベントとなる。

 富山県酒造組合の田近清光事務局長は、「富山には歴史のある蔵が多く、伝統を守ろうと若手の後継者が育っています。自然の恵み、素材、技から造られる富山の酒は日本の宝。女性ファンも増えています。日本酒で乾杯推進会議 富山大会にぜひいらして、県内19酒蔵の酒をお楽しみください」と富山の酒をPRしている。


▲岩瀬家の清水▲仕込み中のタンクを説明する岩瀬新吾社長

●名水で造る銘酒を求めて酒蔵探訪

 富山県酒造組合で富山の酒の魅力を聞いたあと、県内3カ所の酒蔵へ。まず、水と酒の関係を探るべく、名水の里・黒部市生地の皇国晴(みくにはれ)酒造(黒部市)を訪ねた。酒蔵の敷地に全国名水百選の「黒部川扇状地湧水群」の一つ、「岩瀬家の清水」が勢いよく湧き出ているのには驚く。地下40~50mからの水は北アルプス・立山連峰の雪解け水が地下にもぐり、100年ほどかけて湧出した軟水。コップですくって飲むと、清冽な水が五臓六腑に染み渡っていく。成分を見ると、酒造りにとって障害となる鉄分の含有量が全国でも例をみないほど低い数値。酒造りに適した大自然の恵みをふんだんに使って仕込みが行われているわけだ。

 皇国晴酒造の岩瀬新吾社長は、清酒の香りや味の多様な特徴を評価でき、清酒の製造方法や貯蔵・熟成に関する知識を持つ、清酒専門評価者に認定(酒類総合研究所)されており、全国の新酒鑑評会で鑑評者として利き酒をすることも多い。越後杜氏とともに精進しながら造る酒はどんな味なのだろうか。代表ブランド「幻の瀧」は、すっきりとしたやや辛口の酒。辛さの後に、ふんわりとした米の旨味、やわらかさを感じる。「生一本」は「幻の瀧」に比べてやや骨太で、しっかりとした味わいに特徴がある。若い人に日本酒をもっと楽しんでほしいと、日本酒をベースにした炭酸入りの柚子リキュールも商品化している。

 岩瀬社長は「酒は、人と人とのコミュニケーションを円滑にしてくれるツール。楽しく飲んでほしい。そうすると、互いの絆がより深まります。日本酒の文化を知っていただくため、皇国晴酒造では酒蔵の見学を可能な限り引き受けています。日本酒の魅力、黒部の名水の魅力に触れてください」と話している。


▲酒母を見守る高澤龍一杜氏▲しぼりたて生原酒登場

●キトキトの海の幸、料理に合う端麗辛口

 県内一の漁獲量を誇り、冬の寒ブリ漁で全国に知られる氷見で、明治初期から酒造りに励む高澤酒造場へ。造り酒屋の店頭には、この時期ならではの“しぼりたて生原酒”が並ぶ――。

 ブリを代表とするキトキトの海の幸、料理との相性を考えた端麗辛口から豊潤な味わいのものまで、「有磯 曙」を代表銘柄に真摯に造られる酒の美味しさには定評がある。高澤酒造場では、“一.麴、二.酛(もと)、三.造り”といわれる酒造りを基本に、県内の酒蔵では唯一、全量を昔ながらの「槽搾り」で搾っている。もろみ(酒母に麴、蒸米、水を加えて仕込んだもの)を入れた袋自体の重みで自然に搾られるため、口当たりがやさしく、繊細な味わいの酒に仕上がるという。

 高澤酒造場では、富山県が開発した酒米「富の香(とみのかおり)」を氷見・八代地区の農家の棚田で栽培し、酒造りに使用していることも特筆すべき点だ。今シーズンは約3.6tを無事に処理し、3月上旬に搾る予定。富の香は高級酒米の山田錦と県育成品種の雄山錦を交配させたもの。まだまだ若い酒米のため、性質を見極め、試行錯誤しながら酒造りに取り組んでいる。

 また、八代地区産の低タンパク米「春陽(しゅんよう)」を使った純米吟醸酒造りでは、毎年、地元氷見高校農業科の生徒が春陽の苗の田植えや稲刈り、酒の仕込みを体験しており、日本酒の伝統文化の一端に触れる貴重な機会となっている。

 杜氏の高澤龍一さんは、「ここ数年、富の香を使っており、データを蓄積している段階です。味はやや甘めで、まろやかさがあります。秋口まで熟成させる予定で、今年はどんな味に仕上がるか楽しみ。ご期待ください」と意気込みを語る。

●一滴、一滴から伝わる酒造りにかける想い、情熱

 首都圏などで富山の地酒の魅力発信に努めている酒蔵の一つ、富美菊酒造(富山市)。自然豊かな呉羽山の麓にある酒蔵を訪ねると、古風な煙突と杉玉が印象的。日本酒のいい香りが鼻腔を刺激する。蔵のなかに漂う酒の精が心身を元気にしてくれるようだ。富美菊酒造の特徴は、大正5年の創業と県内の酒蔵の中では歴史は浅く、小規模ながら、完全温度管理できる空間を設け、一年を通して醸造する“四季醸造”に踏み出したことだ。組合員の中ではいち早い取り組みで、暑い夏場でも冬のような環境で酒造りに励む。言葉にすれば簡単だが、温度管理の徹底などが要求される。

 酒造りへの進取果敢な姿勢、味わいが評価され、近年、富美菊酒造の古くからの屋号を冠した限定醸造酒「羽根屋」が酒通から注目を集めている。杜氏(羽根敬喜さん)、蔵人のこだわりは、製造するすべての酒を最高級の大吟醸と同じ手間暇をかけて醸すこと。たとえば、原料米となる富山産の酒米を半分近くまで削ったあと、手作業で限定吸水させる。酒米の原料処理の要といわれるこの作業、酒米をザルに小分けし、ストップウオッチで計って秒刻みに吸水具合を調整していくという手間の掛けようだ。仕込み水は、敷地内に掘った井戸から汲み上げる常願寺川水系の地下水。一部では、平成の名水百選に選定されている富山市・いたち川沿いの延命地蔵尊の霊水も使用している。丁寧な作業で、酒米に富山の清らかな水が沁み込んでいく。

 また、麴処理は、少量単位で世話をする箱麴、蓋麴の方法が取られている。そして、昔ながらの酒槽しぼりにもこだわる。しぼりには、重石をかけて出てくる順に「あらばしり」、「中汲み」、「責め」と3段階があるが、「羽根屋」ではもろみをしぼる際に中心にたれる雫部を汲み出す「中汲み」だけを使う。できあがった酒は、フルーツ系の香りと、まろみがあってやわらかな口あたり。米の持つ芳醇な旨みと甘み、すっきりとしたキレと深い味わい。優雅な余韻が楽しめる。

 富美菊酒造の羽根千鶴子さんは、「“羽根屋”はその名の響きのように、軽やかにやわらかく、優しい酒です。日本酒は微生物が造りだす生き物といえます。愛情を込め、手間暇を掛ければ、それに応えてくれます。これからも日本酒の可能性を模索し、挑戦し続けたい」と話している。

 なお、「羽根屋 純米吟醸 煌火 生原酒」を抽選で1名様にプレゼントします。プレゼント応募フォームに、プレゼント内容「羽根屋」・氏名・郵便番号・住所・メールアドレス・電話番号・記事を読んでのご感想をご記入のうえ、お送りください。<2月17日(日)締切り。発表は発送をもって代えさせていただきます。>
→プレゼント応募フォームはこちら


▲手作業で酒米を限定吸水▲櫂入れの作業で醗酵を促す▲羽根屋で今宵一献
問い合わせ
●富山県酒造組合
TEL.076-425-1851
FAX.076-425-1857
http://www.toyama-sake.or.jp/

●皇国晴酒造
TEL.0765-56-8028
FAX.0765-56-8027
http://www.mabotaki.co.jp/

●高澤酒造場
TEL.0766-72-0006
FAX.0766-72-2680
http://www1.cnh.ne.jp/akebono/

●富美菊酒造
TEL.076-441-9594
FAX.076-442-6048
http://www.fumigiku.co.jp/

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