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2012年 11月 7日 [ トピックス ]

No.580-2:鋳物師町で全国初、高岡・金屋町 国の重伝建地区に選定へ

高岡市金屋町が国の重要伝統的建造物群保存地区(重伝建地区)に選定されることになった。高岡銅器やアルミ産業の礎となった高岡鋳物発祥の地で、江戸時代から昭和初期に建てられた町家が連なる。鋳物師(いもじ)町としては全国で初めての重伝建地区となる。「さまのこ」と呼ばれる千本格子の町家が軒を連ねる金屋町を散策。通りに佇む資料館や工房なども見学してみよう。

▲高岡市金屋町

●400年の歴史が語りかけてくる町並

 高岡市金屋町が国の重要伝統的建造物群保存地区(重伝建地区)に選定されることになった。高岡銅器やアルミ産業の礎となった高岡鋳物発祥の地で、江戸時代から昭和初期に建てられた町家が連なる。鋳物師(いもじ)町としては全国で初めての重伝建地区となる。

 金屋町の歴史は、1611年、加賀藩主前田家二代前田利長が領内の砺波郡西部金屋から鋳物師7人を招き、千保川の西側に土地を与え、諸役を免除し、鋳物を作らせたことに始まる。1615年、高岡城は廃城となるが、三代利常が商業の町として高岡の再興を図る中で、鋳物師達は生活用品や用具といった鋳物製造を行ってきた。

 選定対象となった地区は、千保川の西側、当時、鋳物師に与えられた拝領地とその周辺で、東西約140m、南北約450m、面積約6.4ha。地区内には、おおむね50年以上経過した「伝統的建造物」として、町家の主屋や土蔵、作業場など建築物111棟、地蔵堂や塀といった工作物12件がある。

 町家は、通りに面した主屋1階に「さまのこ」と呼ばれる千本格子、2階は白漆喰の壁に袖壁(建物の端に突き出した壁)を設け、長押、貫を化粧で見せているのが特徴。敷地は短冊形で、通りに面して主屋を配置し、その背後に中庭、土蔵を置き、土蔵の背後に鋳物作業場を設けている。万一、作業場で火災が起こっても、主屋への延焼を防ぐ工夫がされている。鋳物師が集住し形成した町並が現代に残り、作業場や土蔵など鋳物製造に関わる建物も良好に保存されていることが高く評価された。

●金屋町をぶらりと見て歩こう

 さまのこの町家が軒を並べる金屋町。通りの石畳には銅片が敷き込まれており、独特の雰囲気を漂わせている。高岡市鋳物資料館へ。第1展示室には型作り用具、仕上げ用具、鍛金用具、製品、第2展示室にはたたら(大型のふいご)や風呂釜など大型用具・製品が並んでいる。第1展示室で印象的なのが、鰐口(わにぐち)。寺院や神社の堂前の軒先に吊るし、参詣者が綱を振り動かして打ち鳴らす金属製の梵音具だ。第2展示室では、2009年に金屋緑地公園で開かれた「近世高岡銅器祭り」で鋳込んだ前田利長愛用「銀鯰尾形兜」の鋳型を作るための原型なども展示されており、興味をそそられる。

 資料館が所蔵する、へらや鏨(たがね)など製作用具1,482点と、鍋、釜や梵鐘、仏具、花瓶、近代の美術工芸品など製品79点は昨年、「高岡鋳物の製作用具及び製品」として、国の登録有形民俗文化財に登録された。用具を眺めていると、鋳物職人たちの息遣いが聞こえてきそう。どのような使われ方をしていたのか、その情景を思い浮かべてみたい。

 若手金工作家の作品との出会いを楽しみに、金屋町金属工芸工房「かんか」(開館/金・土・日・月曜、10:00~17:00)へ。工房名は、溶かした金属を受ける器(坩堝)に由来する。るつぼの中で金属が溶け合うように様々な人が集い、新しいものごとを生み出したいという思いから名付けられたという。

 蝶やトンボ、セミの羽をモチーフにした銀のイヤリングやネックレス、錫の酒器、ブレスレットなどがライトを浴びて煌く――。金工作家ら13名が思い思いの作品を制作し、企画展示や製品販売を行っている。工房では、刻印体験(トントンキーホルダーづくり/500円)もできる。金属の板に金槌で刻印を押していくと、文字や数字が刻まれる。所要時間は10分ほどと気軽な体験。完成したキーホルダーは世界にただ1つのオリジナル作品となる。企画展は2~3カ月に1回開催。来年1月12日(土)~25日(金)には「かんかとおはな展」を開く予定。メンバーが制作した花器に花を生ける展示会となるので、ぜひ鑑賞を。鋳物師町の趣が色濃く感じられる金屋町。歴史に思いを馳せながら、ぶらりと見て歩きたい。


▲高岡市鋳物資料館▲金屋町金属工芸工房「かんか」▲刻印体験
問い合わせ
「高岡市金屋町、国の重伝建地区選定」について
●高岡市教育委員会文化財課
TEL.0766-20-1453
FAX.0766-20-1667
http://www.city.takaoka.toyama.jp/kyouiku/2069/index.html

「高岡市鋳物資料館」について
●高岡市鋳物資料館
TEL&FAX.0766-28-6088
http://www.city.takaoka.toyama.jp/sggs/html/imono/what.html

金屋町金属工芸工房「かんか」について
●かんか
TEL&FAX.0766-25-8550

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