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2012年 9月 5日 [ トピックス ]

No.571-1:逆さ地図リニューアル、環日本海・東アジア地域の可能性を探るツールに

富山県は、日本海を中心に地図の南北を逆転させた「環日本海諸国図」(通称:逆さ地図)の改訂版を作成した。改訂版の名称は「環日本海・東アジア諸国図」。縮尺は450万分の1、B1判、4色刷り。台湾の全土、中国南部は香港、広州まで、中国西部は西安、重慶まで表示範囲を広げた。平成26年度末までに開業予定の北陸新幹線など、交通網の整備状況も反映させた。富山県刊行物センターで、1枚300円で販売中。

▲環日本海・東アジア諸国図

●近隣諸国との交流圏拡大を背景に

 富山県は、日本海を中心に地図の南北を逆転させた「環日本海諸国図」(通称:逆さ地図、350万分の1)の改訂版を作成した。改訂版の名称は「環日本海・東アジア諸国図」。縮尺は450万分の1、B1判、4色刷り、正距方位図法(富山県庁中心)。従来版は台湾の一部しか表示していなかったが、今春の富山―台北便就航などを踏まえ、改訂版では台湾の全土を表示。上海、杭州までだった中国南部は香港、広州まで、北京までだった中国西部は西安、重慶まで表示範囲を広げた。東海北陸自動車道、平成26年度末までに開業予定の北陸新幹線など、交通網の整備状況も反映させた。

 逆さ地図は、平成6年に作成。県が進めている環日本海交流の拠点づくりをPRするとともに、中国、ロシアなどの対岸諸国に対し、日本の重心が富山県沖の日本海にあることを強調するため、逆転の発想から北と南を逆さにして、大陸から日本を見た地図にした。初版から18年が経過し、県と近隣諸国との交流圏が拡大してきていることや、高速道路や新幹線など交通網の整備が進んできたことなどから初めて改訂を行った。

 新たに表記した主要港や主要港を擁する都市名は、ロシアのナホトカ湾内東部にあるボストーチヌイ港、トロイツア港、北朝鮮のラジン(羅津)港、韓国の光陽、木浦。シベリア鉄道の名称を表記し、日本国内の市町村合併も反映させた。ベースとなる国土地理院の地図は、「500万分の1 日本とその周辺」。

●環日本海時代のゲートウェイとして期待

 逆さ地図を眺めていると、日本列島は大陸と連なり、日本海を囲む大きな輪の一部のようだ。一方、日本海は大きな湖のようにも見える。富山県は日本海側のほぼ中央に位置し、対岸諸国との交流・交易の歴史を生かして、早くから経済や文化などさまざまな分野で国際交流などに取り組んできた。近年では、日本海とその周辺及び関連地域全体を、生命の源である海を共有する一つのまとまりとしてとらえ、海との関わりを軸にその自然・文化・歴史・経済などを総合的に研究し、地域間の交流を促進し生命の輝きが増す未来を構想する「日本海学」の推進にも取り組んでいる。

 平成23年11月には、伏木富山港(伏木港、富山新港、富山港)が日本海側の各港湾を牽引する「総合的拠点港」の5港の1つに選定されたほか、国際海上コンテナ、国際フェリー・国際RORO船(貨物をトラックやトレーラーで搬出・搬入するため、船尾などにゲートを有する船舶)、外航クルーズ(背後観光地クルーズ)の3つの「機能別拠点港」としても選定された。環日本海・アジア新時代のゲートウェイ、日本海側の物流・交流拠点として、さらなる発展が期待されている。

 「環日本海・東アジア諸国図」は、富山県刊行物センター(富山県民会館1階ロビー内)で販売中。税込みで1枚300円。送料別途で、郵送も可能となっており、希望の方は、同センターへ(TEL.076-432-3111)

 富山県土木部 建設技術企画課では、「環日本海・東アジア諸国図は、見慣れた世界地図の北と南を逆さにしたユニークな発想の地図。柔軟な発想で、環日本海地域の可能性を探ってほしい」と話している。

▲ガントリークレーンが並ぶ伏木富山港(富山新港・射水市)


問い合わせ
「環日本海・東アジア諸国図」について
●富山県土木部 建設技術企画課
TEL.076-444-3316
FAX.076-442-7954
http://www.pref.toyama.jp/cms_sec/1510/

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