トピックス

アーカイブ

1999年 1月 23日 [ トピックス ]

No.029-1:おいしいカニの宝庫・富山湾


●2種類のカニが味わえる富山湾●
 寒ブリと並び富山の冬の味覚を代表するカニ。水揚げが最盛期となる2月は、身入りが良くなり最高においしい季節。特に富山では、ズワイガニとベニズワイガニの両方のカニが水揚げされ、新鮮な2種類のカニを一度に堪能できる。漁港で水揚げされた新鮮なカニは、料理店や旅館・民宿で、刺身、鍋物、酢の物、焼き物などで味わえる。

【ズワイガニ】
■冬の味覚の王者を堪能
 ズワイガニは、冬の味覚の代表として全国的に人気があり、その美味を求めて全国から訪れる食通も多い。底引き網漁で捕ったズワイガニは、漁港の市場でセリにかけられる。かつてはゆでてから市場に出されていたズワイガニだが、最近では生きたまま出荷されるケースが増えている。県内でも新湊漁港では、毎日活ズワイガニでセリが行われている。
 県内各地の料理店や旅館で水槽を置き、生きたものを注文に応じて料理している。

▼ズワイガニ料理紹介▼
<カニの刺身>
 生きたカニでしか作れない富山ならではの逸品。生きたカニの足の部分が使われ、甘エビに似た白い肉質で、淡泊なうえに上品な甘さがあり、口の中でとろけるおいしさだ。生きたカニは非常に貴重であるが、富山県内の料理店では、比較的簡単に味わえる。
<カニの甲羅焼き>
 生きたカニのみそ(内蔵)を付けたまま、炭火で丹念に焼き上げた一品。香りも繊細でカニの香ばしさが際立つ。ことにカニみそは独特の風味があり、酒との相性も抜群だ。
<甲羅酒>
 炭火で焼き上げたカニの甲羅を器にして、日本酒を注ぎ込んだもの。カニの甲羅から出た旨味と香りが酒に移って、独特の磯風味が楽しめる。お酒好きにはたまらない一品だ。

【ベニズワイガニ】
■カニ料理が手軽に満喫できる
 カニのおいしさを手軽な料金で味わえるとあって人気が高いベニズワイガニ。ズワイガニよりも深海に生息し、体色も紅が濃い。
 水揚げされたベニズワイガニは、漁港に裏返して並べられ、威勢のいい掛け声とともにセリにかけられる。漁港に紅い花が咲いたような光景は、富山の冬の風物詩。セリの後、釜でゆでられてから料理店や旅館に持ち込まれる。身は水分が豊富で食べやすく、特にみそのおいしさは、ズワイガニとひけをとらない。

■富山湾で生まれたカニ漁法が全国に普及する
 ベニズワイガニ漁が今日のように全国的に盛んに行われるようになったのは、昭和36年、富山県魚津市の漁業者が考案した「かご漁法」によるもの。それまでは、網を張ってカニの足やハサミを引っ掛けて捕獲する「刺し網漁法」が行われていた。しかし、網にからまったカニの取り外しや破れた網の修繕などで作業効率が悪く、それに伴うカニの著しい痛みも問題点であった。餌をカゴに入れて海底に沈め、匂いなどでおびき寄せてカゴに入ったものを漁獲する「かご漁法」はこれらの問題点を一挙に解決。その後急速に日本各地だけでなく、世界中の漁場に普及していった。

▼ベニズワイガニ料理紹介▼
<カニめん>
 カニのみそは濃厚な味で珍重されており、富山県内にはベニズワイガニのみそに徹底的にこだわる料理店も多い。特に「カニめん」は、カニの甲羅にみそやネギなどを詰めて煮込んだもので、みそのおいしさが凝縮された一品。みその中の不純物を取り除き、純度を上げるために 1週間も煮炊きを繰り返しているところもあるほどで、これを酒や炊き立てのご飯と一緒にいただくわけだ。
<わっぱめし>
 曲げわっぱに入ったかにめし。甘味の強いコシヒカリに、ゆでたベニズワイガニの身をほぐし、ご飯の上にちらして蒸しあげたもの。その上に卵焼きを細切りにした銀糸卵、シイタケ、ベニショウガなどがのる。ふっくらと蒸し上がった「わっぱめし」は、カニの旨味と風味が、アツアツのご飯によっておいしさも倍増される。
<カニ鍋>
 カニに白菜、豆腐、えのきだけなどを入れ、昆布だしで煮ていただく。ベニズワイガニの煮汁が野菜に移り、磯の香り漂うおいしい鍋料理だ。

《取材協力》
●割烹たけし
店の水槽で泳ぐズワイガニを目の前で調理してくれる店。
〒934-0012 新湊市中央町14-8
TEL 0766-82-2070

コメント

その他のトピックス

ページの先頭へもどる↑