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1998年 2月 13日 [ 特産品 ]

No.016-4:何につけてもうまい!特級醤油を上回る旨味が自慢の魚醤油!


 富山県滑川市の水産加工会社、カネツル砂子商店では、産卵期のブナザケを使った「さけジャン」とソーダカツオを用いた「かつおじゃん」の2種類の魚醤油を商品化した。いずれの魚も脂ののりが悪く、味が良くないことから市場での価値が低い。そこで有効に利用しようと加工を試みたものだ。
 伝統的な魚醤油は、魚を塩水に漬けてそのまま2〜3年熟成させて作るが、魚独特の強い臭いがある。今回、県食品研究所の指導でカネツル砂子商店が作った魚醤油は、従来の方法にこうじを加えることにより、熟成期間を6ヵ月に短縮。同時に臭いや塩分濃度を低く抑えることに成功した。
 醤油の味は、甘味、酸味、苦味などが複雑に交ざり合って形成される。なかでも重要なのが旨味成分のアミノ酸。アミノ酸の持つ窒素量が多いほど旨いとされ、JAS(日本農林規格)では、窒素量で醤油の等級を決めている。特級醤油の基準値は100ml中1.5g以上となっているが、今度の魚醤油は、その特級醤油の基準値を上回る1.86も含まれている。
 穀物醤油と変わらない上品な香ばしさや深いコク、しまりのある味わいは特筆もの。色も穀物醤油と同じく、透明味を帯びた赤色である。
 昨年、富山市で開催された『特産王国富山フェア』に出品したところ人気が高く、お客さんからは「普通の醤油とは違った新鮮なおいしさで、くせになる」と評判を呼んだ。また以前、取材で同社を訪れた『美味しんぼ』の原作者、雁屋哲氏に贈ったところ、「何につけても旨い、注文したい」と電話があったほどだ。
 「5年前から取り組んできましたが、ようやく納得のいく商品が完成しました。付け醤油、煮物、鍋物など何にでも使えますが、特に刺身醤油としては絶品ですね。これを使いだすと、もうほかの醤油は使えないほどですよ」と、砂子社長は自信満々だ。
 今後は熟成期間をもっと短縮したり、原料の配分を研究し、さらにまろやかで完成度の高い魚醤油にしていきたいという。「さけジャン」「かつおじゃん」は、各240ml入り300円。カネツル砂子商店、滑川市『ほたるいかミュージアム』で販売している。

* 問い合わせ
●カネツル砂子商店
〒936-0038 富山県滑川市北町1253
TEL 0764-75-0035

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