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1997年 11月 19日 [ トピックス ]

No.012-2:冷凍寿しが南極観測隊員の食料として初めて採用


 高岡市の水産加工食品会社「旭」では、雪国の生活の知恵から生まれた「寒干し製法」という手法を使った冷凍押し寿しを開発して話題を呼んでいる。
 同寿しは、富山湾で捕れたサバとサンマを使って加工し、急速冷凍パックしたもの。これを国立極地研究所で隊員に試食してもらったところ、非常においしいと好評を得て、第39次南極観測隊の食料に、寿しとして初めて採用された。11月上旬に約200本が観測船に積み込まれて南極に運ばれる。
 これまではサバやサンマなどの青魚は、冷凍すると鮮度が落ち、食感が悪くなって食べることができなかった。それを富山に伝わる「寒の内干し」をもとに、同社が独自の技術改良を加え開発した「寒干し製法」により、商品化に成功した。「寒の内干し」とは、1,200年前から富山県西部に伝わる魚の保存方法で、1月初旬の寒の入り時期に、魚の内蔵を除去して風通しのよい室内に数日間干すもの。魚の保存に塩が使われていなかった時代から行なわれてきた古い保存方法である。
 この寿しは、解凍しても作りたてのおいしさを味わうことができるうえ、1年以上の冷凍保存が可能である。また、魚の寄生虫を氷点下30度で冷凍殺虫しているため、食中毒などに対して安全であると国立極地研究所から高く評価された。
 日本人の好物の一つである寿しが、解凍するだけですぐに食べることができるため、昭和基地をはじめ、各観測地点の隊員の間で早くも話題を呼んでいる。同社の中木顯社長は「極地でストレスのたまる隊員さんの疲労回復や仕事の励みになってもらえればうれしい」と話している。

* 問い合わせ
●旭
〒933-01 高岡市伏木本町22-3
TEL 0766-44-4233

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