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1997年 4月 18日 [ トピックス ]

No.002-2:世界最大級の曼荼羅(まんだら)が完成


 富山県利賀村に、このたびチベット仏教の「金剛界曼荼羅」「胎蔵曼荼羅」が復元された。4メートル四方の世界最大級の大きさを誇り、しかも胎蔵曼荼羅は、世界に数点しか現存しない貴重なものだといわれる。これらは4月下旬から同村の瞑想の郷「瞑想美の館」で一般公開される。
 極彩色で描かれたこの曼荼羅は、利賀村と友好提携しているネパールのツクチェ村の画僧、サシ・ドージ・トラチャンさん(50才)が弟のチャッカラさん(47才)を助手に、平成6年から制作に取り組んできたもの。キャンパス地に岩絵の具を使い、金剛界曼荼羅には1037体、胎蔵曼荼羅には122体の仏が描かれている。
 曼荼羅とは、仏の功徳や仏教の教えを表した絵のことで、インドからチベットや中国に伝わった。日本には空海によって中国から持ち込まれている。今回の利賀村で復元されたものは、日本に伝わる以前の仏教の様式で描かれており、日本では極めて珍しい。
 利賀国際山村文化体験村事務局の中谷信一局長は、「大作の曼荼羅を描くのは、技術的にも、体力的にも大変なことです。しかもネパールでは、近年大きな曼荼羅を描く人が少なくなっているようなので、今回が最後のチャンスだと思って取り組みました」と語る。
 瞑想の郷には、すでにサシさんが制作した「寂静四十二尊曼荼羅」「忿怒五十八尊曼荼羅」と仏画2点が展示されている。金剛界・胎蔵曼荼羅の完成で、瞑想の郷には世界で唯一、4つの曼荼羅が揃うことになった。
注)胎蔵曼荼羅…チベットでの名称。日本では一般的に胎蔵界曼荼羅と呼ばれる。

* 問い合わせ
●瞑想の郷
〒939-25 富山県利賀村上畠
TEL 0763-68-2324

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