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2010年 5月 12日 [ トピックス ]

No.454-1:全国初の「水上式太陽光発電システム」


 地球温暖化対策を推進する環境先端県・富山県。太陽光パネルと土台を水面に浮かべて発電する「水上式太陽光発電システム」を県民公園太閤山ランド(射水市)の人工池に設置した。また、光を透過するシースルータイプの太陽光発電システムを併設した電気自動車用急速充電ステーションを県庁構内駐車場に整備し、供用を開始。


●県民公園太閤山ランドの人工池に設置

 地球温暖化防止に向けた取り組みを推進している環境先端県・富山県。太陽光パネルと土台を水面に浮かべて発電する「水上式太陽光発電システム」を県民公園太閤山ランド(射水市)の人工池に設置した。このシステムは、空調設備会社・日本空調北陸(富山市)が開発した独自システムで、水上式の太陽光発電システムは全国初。県では、太陽光発電の仕組みを一般に広く理解してもらうことで、普及啓発につなげたい考えだ。
 
 設置場所は、人工池の西側、虹のうきはし(桟橋)近く。池の噴水の周囲にいかりで固定したポリエチレン製の土台に太陽光パネル84枚(12m×13.5m)を並べた。普段使われていない水面を有効活用した点が大きな特徴で、太陽光発電システムの設置場所として、新たな可能性を見い出した。発電のほか、噴水機能、降雪感知機能、温度・日射量計測機能を備えている。
 
 15kW(180W×84枚) の発電能力を備え、電力は噴水(高さ3〜4m)の動力、公園の照明電源に使用する。池の水をポンプで汲み上げ、噴水(散水)によって太陽光パネル全体を冷却することで発電効率を高められるのもポイント。太陽光パネルは熱を帯びると発電効率が下がるが、冷却して表面温度を1度下げると、発電効率は0.5%上昇する。冬には積もった雪を噴水で融かすことができる。

 県民公園太閤山ランドは、面積118.1haの広大な敷地に人工池、芝生広場、スポーツ広場、展望塔、こどもみらい館などが点在する水と緑があふれる公園で、子ども連れファミリーが多く訪れる。県では、子どもや親たちに環境教育に役立ててもらおうと、太陽光発電システムのそば(屋外)とこどもみらい館にシステムを説明したパネルを掲示しているほか、発電量表示パネルで発電電力・積算電力をリアルタイムで表示している。

●太陽光急速充電ステーション、供用開始

 県は、光を透過するシースルータイプの太陽光発電システムを併設した電気自動車用急速充電ステーションを県庁構内駐車場に整備した。地球温暖化対策の一環として、電気自動車(EV)の普及につなげるのがねらい。一般に開放するほか、県所有の電気自動車の充電にも使う。ステーションは、県庁正面ゲートの右手、グリーンの分電盤が目印だ。
 
 ステーションでは、透過率5%のシースルータイプの太陽光発電システム(発電能力600W:パネル12枚)で発電した電力を急速充電に活用する。充電までの流れを説明すると、太陽光パネルが太陽の光エネルギーを受けて発電→発電した直流の電気が変換器に流れる→変換器で直流の電気が交流の電気に変換され、県庁舎に流れる→県庁舎から電気自動車充電設備に流れ、電気自動車の充電に。

 一般の利用は、平日8:30〜17:00。充電時間は最大30分程度で、充電が80%になると自動停止する。10〜20分で約60kmの走行が可能になる。当面は無料で利用できる。使用方法は急速充電設備に記載されているので確認して充電したい。ステーションでは、環境教育のため、子ども向けに太陽光発電システムの概要、発電電力などを表示している。

 富山県生活環境文化部環境政策課では「水上式太陽光発電システムを県の地球温暖化対策のシンボルとしていきたい。未来を担う子ども世代に地球環境の大切さを伝えられれば」と話している。




問い合わせ
●富山県生活環境文化部 環境政策課
TEL.076-444-3141
FAX.076-444-3480
http://www.pref.toyama.jp/cms_sec/1705/

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