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2019年 5月 1日 [ トピックス ]

No.905:話題続々、春の富山で感動体験!

 風薫る季節、富山各地を訪ねながら、歴史ロマンや花の精に触れるひとときを。江戸時代後期の算学家・測量家、石黒信由(射水市出身)などの関係資料が国重要文化財に追加指定されることが決まった。また、南砺市で約120年続いた銭湯の建物などが国登録有形文化財に! 2019となみチューリップフェアや『100の指標 統計からみた富山(平成30年度版)』、『富山県勢要覧(平成30年版)』が発売された話題も併せて紹介しよう。

●射水市出身の算学家・測量家、石黒信由の息遣いが聞こえる貴重な資料


▲石黒信由関係資料
「皇国総海岸図 日本総図写」(左)
▲桂湯の外観(中央左)
▲となみチューリップフェアの
大花壇へ(中央右)
▲『100の指標 統計からみた富山』、
『富山県勢要覧』(右)

 石黒信由(1760~1836 いしぐろのぶよし)は越中国高木村(射水市高木)に生まれ、23歳から算学を学んだ。43歳の時、全国を測量中であった伊能忠敬が放生津を訪れた際に教えを受け、測量にも同行している。その後、加賀藩から優れた測量技術を認められ、新田開発や河川・用水修築などにその技術を活かし、地域の発展に尽くした。「越中四郡村々組分絵図」や「加越能三州郡分略絵図」など、作製した地図は伊能忠敬のものにおとらない正確なものであるとされる。「石黒信由関係資料」のうち、3,762点はすでに国重要文化財に指定されている。

 今回追加されたのは、地図類や、算学・航海術に関する著書類、記録類、測量器具、写真ガラス原板などの関係資料(2,630点)。信由だけでなく、子の信易、孫の信之、ひ孫の信基の史料が多く含まれているのが特徴だ。江戸時代の測量、地図作成の経緯や、技術の実際を具体的に示す基本資料としてその重要性が評価されている。


▲量程車部品(距離測定器)(左)
▲象眼儀(中央)
▲算盤(右)

 国指定重要文化財「石黒信由関係資料」を含む「高樹文庫資料」などを収蔵・展示する射水市新湊博物館(射水市鏡宮)では、現在、「量程車部品(距離測定器)」、「象眼儀」など、国重文に追加指定となる6点を含む関係資料を展示している。算学や測量学に興味のある方はぜひ見学を。

●南砺市の建造物、国登録有形文化財に


▲冨田家住宅 北土蔵(左)
▲吉江地区招魂社(右)

 南砺市の「冨田家住宅長屋門、味噌蔵、北土蔵、南土蔵」、「桂湯」、「吉江地区招魂社(旧吉江小学校奉安殿)」が、国の登録有形文化財(建造物)となることが決まった。

 冨田家(南砺市安居)は安居寺の門前にある旧家。江戸後期に建てられた長屋門は当初、門柱の後ろに控柱を2本設け、切妻屋根をかけた薬医門形式だったとみられ、旧家の屋敷構えの表門として厳かな趣を添える。並んで建つ北土蔵(明治前期)と南土蔵(昭和前期)は背面の屋敷構えを重厚に見せ、味噌蔵(昭和前期)は土蔵造り平屋建てで屋敷中心部の構えを引き立てている。

 桂湯(南砺市城端字大工町)は銭湯として昭和5年に建設。平成16年の廃業後、雑貨店として再生・活用されている。脱衣場、浴場、住居の3棟からなり、脱衣場棟は木造2階建てで、外壁を銅板で装飾した「看板建築」と呼ばれる。

 吉江地区招魂社(旧吉江小学校奉安殿 南砺市荒木)は蛇腹状の廻り縁や帯状装飾、エンタシス(円柱胴部のゆるやかなふくらみ)付きの柱身など、西洋古典様式を基調にした重厚な石造建築物。昭和5年に建設され、戦後間もなく解体されたが、昭和32年に現在地に移築された。建造物を眺めながら、歴史ロマンを感じてみてはいかがだろう。

●春爛漫「2019となみチューリップフェア」へ

 砺波平野に春の訪れを告げる「2019となみチューリップフェア」が5月5日(日・祝)まで砺波チューリップ公園(砺波市花園町)をメイン会場に開催中。大型連休に訪れてみてはいかがだろう。

 68回目となる今年のテーマは「笑顔咲く 彩りの春」。チューリップフェアのメイン花壇である「大花壇」では、“魔法”をキーワードに21万本のチューリップで地上絵が描かれている。会場では、5月1日(水・祝)から新元号「令和」にちなんだ展示が始まるのも話題。出典となった『万葉集』に詠まれた花とチューリップを組み合わせたディスプレーがメインゲートの北門正面に設置される。砺波市でチューリップ栽培が始まった大正から昭和、平成に開発された品種の変遷が楽しめる。


▲花の大谷

 「花の大谷」は、立山黒部アルペンルートの「雪の大谷」をイメージしたチューリップの回廊。3万本のチューリップを使って高さ4mの回廊を設けている。華やかな花壇を見上げながら、通り抜けてみたい。このほか、県産品種を代表する「黄小町」を使った高さ5mの「チューリップツリー」や、水面に色とりどりの花が映える「水上花壇」、ダブルデッカー(2段植え)・トリプルデッカー(3段植え)など世界最大級のフラワーパークであるオランダ・キューケンホフ公園で見られる手法を取り入れた「オランダ風花壇」など見どころいっぱいだ。300品種、300万本のチューリップが咲き誇る花の一大イベントで心を癒してみたい。

●いろいろな角度から富山をみつめるハンドブック『100の指標 統計からみた富山』、『富山県勢要覧』発行

 富山について知るならこの2冊!『100の指標 統計からみた富山(平成30年度版)』、『富山県勢要覧(平成30年版)』が発売された。富山旅のお土産にもおすすめだ。


▲『100の指標 統計からみた富山』(左)、
『富山県勢要覧』(右)

 『100の指標 統計からみた富山』は、最新の統計データをもとに、全国における富山県の位置(順位)、県内における各市町村の位置(順位)をわかりやすく掲載している。全国1位の「持ち家比率」、「道路改良率」、「道路整備率」、「老人クラブ加入率」、2位の「保育所等入所率」、4位の「1世帯あたり人員(一般世帯)」、6位の「女性就業率」、37位の「人口」、9位の「勤労者世帯の実収入(都道府県庁所在市)」、47位(少なさ1位)の「火災発生件数」などのデータをみると、多世代同居、夫婦共働きで一世帯の所得が多いことや、火災発生件数の少ない土地で安心して暮らす県民の姿がイメージできる。

 市町村編は「土地と人」、「産業と労働」、「生活環境」、「災害と安全」、「福祉と医療」、「教育と文化」、「行財政」の7つの分野で各市町村のデータを確認することができる。

 『富山県勢要覧』は国や県などが作成した各種統計から、富山県の各分野にわたる基本的な統計を選んで、総合的な視点から体系的に編成したもの。富山県のデータを年次推移が分かるように編集した「県勢編(199項目)」、全国47都道府県別のデータを掲載した「都道府県編(82項目)」、県内市町村別のデータを掲載した「市町村編(86項目)」に分かれている。

 なお『100の指標 統計からみた富山』は、No.879で紹介した慶應義塾大学教授、井手英策氏の著書『富山は日本のスウェーデン 変革する保守王国の謎を解く』(集英社新書)の参考文献にもなっている。

 『100の指標 統計からみた富山』はB6判161頁、600円(税込)、『富山県勢要覧』はB6判222頁、700円(税込)。いずれも富山県民会館1階のD&DEPARTMENT TOYAMA、紀伊國屋書店富山店、富山県統計協会にて販売中。統計協会へ電話(TEL.076-444-3190)またはインターネットで申し込むと 、郵送(送料実費)で購入可能。

問合せ
「石黒信由関係資料」について
●射水市新湊博物館
TEL.0766-83-0800
FAX.0766-83-0802
http://www.city.imizu.toyama.jp/museum/

「南砺市の国登録有形文化財」について
●南砺市ブランド戦略部 文化・世界遺産課
TEL.0763-23-2014
FAX.0763-62-2112
https://www.city.nanto.toyama.jp/

「2019となみチューリップフェア」について
●チューリップ四季彩館<(公財)砺波市花と緑と文化の財団>
TEL.0763-33-7716
FAX.0763-33-0090
http://www.tulipfair.or.jp/

「100の指標 統計からみた富山」、「富山県勢要覧」について
●富山県経営管理部 統計調査課
TEL.076-444-3190
FAX.076-444-3490
http://www.pref.toyama.jp/cms_sec/1117/
とやま統計ワールド
http://www.pref.toyama.jp/sections/1015/index2.html

●富山県統計協会
https://www.goiken-toyama.com/1015/books/index.html


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