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2018年 10月 10日 [ トピックス ]

No.877:富山県が舞台の映画、公開ラッシュ!

2018年9月1日(土)から全国公開中の劇場アニメ「君の膵臓をたべたい」、10月19日(金)からは富山市出身の小説家、山内マリコさん原作の映画「ここは退屈迎えに来て」の上映がスタートするなど、富山県を舞台とした話題作の公開が相次ぐ。現在、「君の膵臓をたべたい」の聖地巡礼マップをロケ地になった高岡市、射水市の観光施設やWEBなどで配布中。物語に思いを馳せ、マップ片手に各地を旅し、富山の魅力に触れてみては。

●「君の膵臓をたべたい」に高岡市・射水市(新湊エリア)の風景


▲劇場アニメ「君の膵臓をたべたい」
(©住野よる/双葉社 ©君の膵臓をたべたい
アニメフィルムパートナーズ)(左)
▲映画「ここは退屈迎えに来て」
(©2018「ここは退屈迎えに来て」
製作委員会)(中央・右)

 衝撃的なタイトルが印象的な「君の膵臓をたべたい」(「キミスイ」)は小説家、住野よるさんのデビュー作。昨年7月に実写映画化され、小説とともに大ヒットを記録した。劇場アニメは、母方の祖母が高岡市在住という牛嶋新一郎さんが監督を務めた。街並みや風景に昭和の雰囲気が色濃く残る高岡・新湊の景色が数多く登場する。

 主人公は、他人と深くかかわることを避けるように生きている高校生「僕」。春、病院の待合室で、手書きの文字で「共病文庫」と題された一冊の本を拾う。それは、天真爛漫なクラスの人気者、山内桜良が密かに綴っていた日記帳だった。日記の中身を目にした「僕」に、桜良は自分が膵臓の病気で余命いくばくもないことを告げる。最期の日が訪れるまで、精一杯人生を楽しもうとする桜良に振り回され、「僕」の心は少しずつ変化していく――。

 富山県西部の高岡市と射水市・新湊エリアの風景がアニメとなって登場するのが本作の大きな魅力。オープニングでは、「日本のベニス」と言われる内川(射水市・新湊エリア)の景観が登場する。万葉線末広町電停は、「僕」がレトロ電車に乗って桜良との待ち合わせ場所に向かうシーンに登場。能登半島、立山連峰が一望できる二上山では、「僕」と桜良が花火を見る。海越しの立山連峰を望む雨晴海岸は、二人が海辺で語り合うシーンの場所になっている。


▲キミスイの聖地巡礼マップ

 高岡市、射水市の観光施設やWEBなどで配布中の聖地巡礼マップを持ってロケスポット(10カ所)に行き、マップのシーン画像にスマートフォンアプリ「COCOAR2アプリ」をかざすと、スタンプが得られる。スタンプを6個集めると、オリジナルグッズと交換できるデジタルスタンプラリーを実施中。また、ロケスポットでは、キミスイに登場するキャラクターと一緒に写真撮影(スマートフォンアプリが必要)もできる。どのキャラクターが出現するかは、現地に行ってみてのお楽しみ。2018年12月30日まで。

 高岡市と射水市・新湊エリアを結ぶ万葉線では、オレンジ色のレトロ電車で「僕」役の高杉真宙さん(高岡駅発→越ノ潟行)、山内桜良役のLynnさん(越ノ潟発→高岡駅行)による、車内アナウンスが流れるのでお楽しみに。車窓から風景を眺めてみよう。毎日9:00~19:00、2019年5月31日まで。

●原作者のふるさと、富山県でロケ敢行、「ここは退屈迎えに来て」

 「ここは退屈迎えに来て」は、若者に圧倒的な共感を呼んだ山内マリコさんのデビュー小説を映画化。主人公「私」が高校生だった2004年から2013年までの時間軸の上でキャラクターを交差させながら描く青春群像劇だ。メガホンをとったのは、「ナミヤ雑貨店の奇蹟」で感動の人間模様を描いた廣木隆一監督。橋本愛、門脇麦、成田凌ら新世代豪華キャストが出演している。

 ストーリーを紹介しよう。27歳の「私」(橋本愛)は、何者かになりたくて上京したが、10年経ち、なんとなく地元に戻り、フリーライターとしてタウン誌などの仕事をしている。高校時代に仲が良かったサツキ (柳ゆり菜)と、当時みんなの憧れの的だった椎名(成田凌)に会いに行くことに。一方、地元に残った「あたし」(門脇麦)は元カレの椎名のことが忘れられずに苦しんでいる。「ここじゃない」「あなたじゃない」「それじゃない」――もどかしい想い、それでも羽ばたくことを夢見てやまない青春と、青春のその後をリアルに、そして瑞々しく描く。群像劇のなかに女性の繊細な心理描写とたくましさを文学的に描写する鮮やかな手腕が光る。

 ロケは原作のイメージの場所とされる富山県で昨年6月に行われたが、映画ではどこにでもありそうな地方都市という設定。地方都市を象徴する「車」からの風景が多く、ロードムービー的な群像劇となっている。山内氏は、「この映画が、日本中に偏在している、同じような境遇で生きる若い人たちに届いてほしい」と話している。

 ロケ地をいくつか紹介しよう。富山市中心部の総曲輪通り・中央通り商店街では、取材を終えた「私」とカメラマンの須賀(村上淳)がサツキと待ち合わせて車に乗り込むシーンを撮影。入善町立桃李小学校では、「私」や椎名らがはしゃいでプールに落とし合い、水を掛け合うシーンが印象的。原作者の山内マリコさんもエキストラで参加している。常願寺川の堤防では、椎名に誘われた「私」とサツキらがはしゃぎながら自転車で走る光景が撮られたが、成田凌さんは「絶対いい画が撮れていると確信しながら芝居をした」とコメントしている。

 まなみ先生役で出演している富山県出身の女優、瀧内公美さんにも注目を。2017年、廣木隆一監督の「彼女の人生は間違いじゃない」に主演し、第27回日本映画プロフェッショナル大賞新人女優賞を受賞するなど高い評価を得る実力派。今後の活躍が期待されている。

 本作ほか、これまでも数々の映画制作に協力している富山県ロケーションオフィスでは、「原作者の山内マリコさんの出身地、富山県内でのロケ。観光名所や絶景ではなく、県民が日常を過ごす何気ない風景がロードムービーとして美しく描かれています。ぜひご鑑賞ください。10月13日(土)には公開記念として、橋本愛さん、山内マリコさんをお招きして、映画の見どころや県内での撮影エピソードをお聞きする富山プレミアムセッションがイオンモール高岡で開催されます」と話している。


▲取材中のフリーライター「私」(橋本愛)

 このほか、No.873で紹介した「散り椿」も9月28日(金)から公開が始まり、上映館やWEBなどでロケ地マップが配布されている。今年は「羊の木」や「ナラタージュ」(No.842で紹介)もあり、本県のたくさんのスポットが全国で話題となった。映画鑑賞後はロケ地マップを片手に、映画に登場する数々の名所古刹を訪ねてみてはいかがだろうか。

問合せ
●富山県ロケーションオフィス(富山県観光振興室内)
TEL.076-444-6789
FAX.076-444-4404
http://www.location-toyama.jp/

〇「公開記念富山プレミアムセッション」について
北日本新聞社営業局
TEL.076-445-3365(平日9:00~17:00)

とやま観光ナビ
https://www.info-toyama.com/

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