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2016年 10月 5日 [ トピックス ]

No.776:富山のデザインの最新動向をチェック!台湾との連携強化とデザインウエーブ2016の開催

 富山県総合デザインセンターと台湾デザインセンターは、市場開拓や商品開発などに向け、今後の連携に関する覚書を締結した。共同研究や人的交流などにつながることが期待されている。また、富山のデザインの最新動向を伝える「富山デザインウエーブ2016デザイン展」を富山県民会館で開催中<平成28年10月10日(月・祝)まで>。富山デザインコンペティション2016作品展、富山プロダクツ2016展などで富山発のデザインを感じてほしい。

●県総合デザインセンターと台湾デザインセンター、覚書を締結


▲覚書の締結(左)
▲デザイン企画展
「トヤマモデル―県総合デザインセンター
の商品開発メソッド」
(台湾デザインセンター)(中央)
▲富山デザインウエーブ2016デザイン展
(富山県民会館)(右)

 調印式は、平成28年8月10日(水)、台北市の台湾デザインセンターで行われ、石井県知事、台湾行政府経済部の呉明機工業局長らが出席。アジアや欧米市場の開拓、商品開発などでの協力強化に向け、覚書を取り交わした。

 県では、1988年に財団法人の富山インダストリアルデザインセンターを開設し、99年に県総合デザインセンターとして組織を拡充した。高岡銅器や錫器、漆器といった伝統工芸品をはじめ、デザインを生かした新商品開発の支援を行っている。販路開拓に向けて、これまでにニューヨークやミラノで伝統工芸品の展示を行い、シンプルで洗練されたデザインが高く評価されている。

 一方、台湾では、得意とする電子関連産業とデザインの組み合わせなど、国をあげてデザインの振興に取り組み、産業活性化を目指している。2003年に台湾デザインセンターを開設。また、2015年12月に世界デザイン大会が台湾で開催されるなど、国際的なデザイン拠点として注目されている。

 県総合デザインセンターは、2014年から台湾デザインセンターとの交流を活発化させており、今回の覚書締結で、富山と台湾が連携し、デザイン力を生かした新商品開発に取り組むことにより、産業振興、アジア圏や欧米などに向けた販路開拓、人材交流の活発化などを図る。

●富山のものづくりとデザイン、高評価

 県では、8月4日(木)から13日(土)まで、デザイン企画展「トヤマモデル―県総合デザインセンターの商品開発メソッド」を台湾デザインセンターで開催し、鋳物メーカーの能作、しけ絹で知られる松井機業など県内企業20社約160点の製品を展示した。高いデザイン性が評価され、製作のプロセスなどに注目が集まった。


▲石井知事らがデザイン企画展を視察(左)
▲デザイン企画展の会場(中央)
▲デザインセミナーの様子(右)

 また、デザインセミナー「マテリアルにみるイノベーションと応用―富山デザインと金属工芸」を開き、能作の能作克治社長や同社のヒット商品「KAGO」の担当デザイナーらが、デザイナーと連携してヒット商品を生み出す手法などを紹介。石井知事は「富山県は日本海側屈指の“ものづくり県”。ものづくりには高い機能性に加え、優れたデザインが求められている。そのため、県では総合デザインセンターを拠点に、民間と連携し、商品開発や人材育成などデザインの振興に取り組んでいる」と話した。

 会場には、台湾のデザイナーや工芸品企業関係者などが来場。「富山県のデザイナーと連携した商品開発の手法などについて詳しく知ることができ、大変参考になった」など、富山のデザインを評価する意見が多かった。

●富山デザインコンペティション2016、とやまデザイン賞決定

 富山デザインウエーブは“富山から世界に発信するデザインムーブメント”をキャッチフレーズに1990年から始まった。デザイン展では、富山のデザインの最新動向を伝える展示がずらり。デザインの新たな風を感じ、感性を刺激してほしい。

 富山の産業を生かした新しいデザインの商品化を目的に、全国のデザイナーから作品を公募する「富山デザインコンペティション」。今年のテーマは「欲しい!共感するプロダクト」。全国から252点の応募があり、「富山デザインコンペティション2016作品展」(会場:県民会館1階ロビー)では、第1次審査を通過した12作品を展示している。10月1日(土)には、2次審査が行われ、12点の中から最高賞のとやまデザイン賞、準とやまデザイン賞、黒木靖夫特別賞が決定した。


▲とやまデザイン賞「Slanting mirror」(左)
▲準とやまデザイン賞
「お守りホイッスル」(中央)
▲黒木靖夫特別賞「Catie」(右)

 とやまデザイン賞には、馬渕晃氏の「Slanting mirror(スランティングミラー)」が選ばれた。ステンレスの円柱を斜めにカットし、切り口を磨き上げた置き型の鏡。鏡面が周りの景色を映し出し、空間に新たな彩りを与える。準とやまデザイン賞は、柏木玲子氏の「お守りホイッスル」。災害時などに居場所を伝えるホイッスル。大切な人へのプレゼントにもなる。黒木靖夫特別賞には、orada’sの「Catie(カタイ)」。富山の金属を使った蝶ネクタイで、ハレの場をより華やかに彩ってくれそうだ。

 企画展「インテリアデザインにおける布と紙の新しい挑戦」は、布による新しい空間を作り続けるテキスタイルデザイナー・須藤玲子氏と富山の蛭谷和紙の川原隆邦氏にスポットを当てた展示。布と紙のインテリアにおける可能性について探ることができる。「富山マテリアルワークショップ作品展」では、“富山の食を彩る~ガラス作品に囲まれたカフェでランチを楽しむ~”をテーマに、5名のデザイナーが富山に集まり制作したガラス作品を紹介。「富山プロダクツ2016展」では、富山発の機能性・デザイン性に優れた工業製品を選定する「富山プロダクツ」で今年新たに選定された製品を展示している。

 富山県商工労働部商工企画課では、「県総合デザインセンターと台湾デザインセンターの覚書の締結を契機に、県内企業のデザインを生かした製品を国内外にアピールしたい。また、販路開拓に積極的に取り組んでいきたい」と話している。

問合せ
「覚書の締結」について
●富山県商工労働部 商工企画課
TEL.076-444-3245
FAX.076-444-4401
http://www.pref.toyama.jp/cms_sec/1301/

「富山デザインウエーブ2016デザイン展」について
●デザインウエーブ開催委員会(富山県総合デザインセンター内)
TEL.0766-62-0510
FAX.0766-63-6830
http://dw.toyamadesign.jp/

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