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2016年 4月 6日 [ トピックス ]

No.751:富山県の人口は?ぶり、いか、こんぶ好きの県民性?さてその実態はいかに…

 県は、富山県の人口(平成27年10月1日現在)や富山市の家計調査結果(平成27年平均)を発表した。可処分所得や、ぶり、こんぶ、いか、さしみ盛合わせなどの年間支出額は全国1位…。先行き不透明感がある経済状況のもとで個人消費の動向が気になるところ。データから見えてくる富山の姿はいかに…。

●少子高齢化の進展


▲富山県の人口ピラミッド(左)
▲富山湾の海の幸(右)

 『富山県人口移動調査結果報告書』によると、富山県の総人口<平成27年10月1日現在(推計値)>は1,064,009人で、前年に比べて6,061人減少している。男女別では、男513,594人(構成比48.3%)、女550,415人(構成比51.7%)。平成10年に人口はピークを迎え、11年に出生者数が死亡者数を初めて下回り、総人口は17年連続して減少。少子高齢化が顕著になっている。全国総人口に占める富山県の割合は、昭和22年以降年々低下し、昭和45年には1%を割り、平成27年では0.84%。人口密度(1㎢当たり)は県全体で250.5人となっている。(※『富山県人口移動調査結果報告書』は、平成22年国勢調査確報値を基準に、その後の移動数を加減した、平成27年10月1日現在の人口の年齢別構成・市町村別状況の推計値及び平成26年10月1日から平成27年9月30日までの1年間の人口の動きなどを収録)

 人口ピラミッドをみると、年少人口(15歳未満)12.3%、生産年齢人口(15~64歳)57.1%、老年人口(65歳以上)30.6%。69~70歳の終戦前後の出生減、66~68歳(昭和22~24年生)の第1次ベビーブーム、49歳(昭和41年生)の丙午の出生減、41~44歳(昭和46~49年生)の第2次ベビーブームが大きな特徴だ。

 総世帯数は398,185世帯で、平成26年に比べて3,519世帯(0.89%)増加。平成に入ってから、平成22年を除き、1.0%前後の伸び率で増加傾向が続いている。

 人口の動向をみると、平成26年10月1日~27年9月30日の自然動態(出生者数―死亡者数)では△5,164人と減少。13年連続減少、純増減は17年連続減少となった。また、社会動態(転入者数―転出者数)では△897と減少した。合計特殊出生率(平成26年)は1.45(全国1.42)。昭和47年の2.12(全国2.14)以降、低下傾向が続き、平成18年には1.34(全国1.32)まで低下したが、近年上昇している。

 市町村別人口は、富山市の417,893人が最も多く、高岡市の170,683人、射水市の91,784人、南砺市の51,465人、砺波市の48,777人と続いている。富山市と高岡市を合わせると588,576人で、県人口の過半数を占めている。

 社会動態をみると、都道府県間で移動した人は富山県外からの転入者が16,744人、県外への転出者は17,641人と転出超過になっている。転入者が最も多いのは石川県で、次いで東京都、愛知県、大阪府、神奈川県。転出先では、東京都、次いで石川県、愛知県、大阪府、神奈川県の順となった。ただし、昨年と比較すると転出者以上に転入者が増加しているため、その差は縮んでいる。

●勤労者世帯の実収入が高い


▲費目別消費支出金額
(富山市、2人以上世帯)(左)
▲実収入の内訳
(2人以上世帯のうち勤労者世帯)(右)

 富山市の家計調査結果について、県は、総務省統計局より公表された「家計調査報告(家計収支編)」<平成27年平均速報結果の概況>の中から全国8,821世帯と富山市分104世帯の数値を比較し、分析した。家計調査は、全国の世帯を対象に毎月の家計収支を調査することで国民生活の実態を明らかにして、経済施策や社会政策立案のための基礎資料を得るためのもので、主に都道府県庁所在地の調査結果が公表されている。

 結果をみると、富山市の2人以上の世帯の消費支出は、1世帯当たり1か月平均313,798円(全国平均287,373円)で、全国5位となった。平成26年と比較すると、実質8.7%の減少だ。

 2人以上の世帯のうち勤労者世帯 (世帯主が会社、団体、官公庁、学校、工場、商店などに雇われて勤めている世帯)の実収入は、1世帯当たり1か月平均629,591円と全国2位。内訳を見ると、「勤め先収入」のうちの「配偶者の収入」(96,635円、全国6位)及び「他の世帯員収入」(40,324円、全国2位)が全国平均を大きく上回っている。また、年金などを含む「その他の収入」(69,052円、全国2位)もある。夫婦共働きで、多世代同居が多い富山県の世帯の特徴を示している。実収入から税金などの非消費支出を引いた可処分所得は530,185円 と全国1位。2人以上の世帯のうち勤労者世帯の消費支出は1世帯当たり1か月平均333,302円で全国12位となった。

●ぶり、いか、こんぶの支出、全国1位


▲とろろこんぶ

 2人以上の世帯の1世帯当たりの食料品品目別の年間支出金額をみると、「ぶり」が7,881円で44年連続全国1位。2位との差は825円。「こんぶ」は2,530円で、昭和35年以来全国1位(平成25年を除く)。「いか」(3,936円)、「さしみ盛合わせ」(9,754円)、「魚介の漬物(みそ漬、昆布締め等)」(6,507円)、「オレンジ」(1,005円)、「冷凍調理食品」(10,099円)も昨年に引き続き全国1位となった。 「もち」、「牛乳」、「ほうれんそう」、「えのきたけ」、「こんぶつくだ煮」、「そうざい材料セット」などは全国2位。「かまぼこ」、「カツレツ」、「天ぷら・フライ」、「調理パン」が全国3位となった。

 魚介やこんぶの支出が多いのは、富山湾の幸に恵まれていることや、江戸時代に北前船によって北海道から運ばれたこんぶの食文化が根づいているからだ。冷凍調理食品やそうざい材料セットについては、夫婦共働きの家庭が多いためと考えられる。一方、支出金額が全国下位の品目として、「ミネラルウォーター」が46位となった。富山は水道の蛇口をひねるとおいしい水が飲める“水の王国”だけに、「ミネラルウォーター」は不要な買い物ということだろう。

 富山県統計調査課では、「人口の動きは、社会経済の動向を分析するためにとても重要です。また、家計調査結果では、富山湾の幸に恵まれ、魚介を手に入れやすい富山の状況が表れています。統計調査課のHP“とやま統計ワールド”にデータを掲載しているのでぜひ確認してほしい。データから富山の暮らしぶりが見えてきます」と話している。

問合せ
●富山県経営管理部 統計調査課
TEL.076-444-3190
FAX.076-444-3490
http://www.pref.toyama.jp/cms_sec/1117/

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