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2013年 9月 4日 [ イベント ]

No.622-2:秋の訪れを告げる美しい旋律と踊りに誘われて

秋は、祭りの季節。風情のある街並みに哀調を帯びた音色がよく似合う。“越中の小京都”と称される南砺市城端では9月14日(土)・15日(日)、「城端むぎや祭」が開催される。このほか、9月の祭り・イベントの中で「五箇山麦屋まつり・こきりこ祭り」(南砺市)、「中田かかし祭」、「福岡町つくりもんまつり」(高岡市)、「風の盆ステージ」(富山市)、「越中おわら宇奈月(仲秋の部)」(黒部市)をクローズアップ。美しい旋律、祭囃子に誘われて、富山にGO!

●菅笠を巧みに操る格調高い踊り


▲城端むぎや祭・坡場の坂での街並み踊り(左)
▲こきりこ祭り(右)

 「(歌詞)麦や菜種は二年で刈るが 麻が刈られよか半土用に…」。9月14日(土)・15日(日)、城端別院善徳寺山門前や城端伝統芸能会館「じょうはな座」に哀愁を帯びた旋律が流れる。紋付き、はかまに白たすき、腰に刀をさし、手に菅笠を持った凛々しい若者たちの男踊り、菅笠を持った着物姿の女性たちの女踊り。「麦屋節」は、平家の落人が都を偲んで唄い踊ったのが始まりとされ、勇壮さの中に漂う哀愁、菅笠を巧みに操る格調高い踊りが魅力だ。

 「城端むぎや祭」では、13団体が演舞を披露するむぎや踊り競演会、城端駅前、出丸町や浄念寺、坡場の坂、瑞泉寺前での街並み踊りをはじめ、ストリートパフォーマンスのコンテスト・じゃんとこいむぎや2013、むぎや踊り講習会、麦屋節コンクール全国大会、むぎや踊りパレード、総踊りなどが行われ、城端の町はむぎや一色に染まる。今年は善徳寺改修工事のため、境内から山門前にステージが移されるので注意を。

 南砺市城端から五箇山へ。9月23日(月・祝)・24日(火)に下梨地主神社境内で「五箇山麦屋まつり」、25日(水)・26日(木)に上梨白山宮境内で「こきりこ祭り」が繰り広げられる。「五箇山麦屋まつり」では、奉納「麦屋節」や正調「麦屋節」のど自慢コンクール、麦屋節踊り講習会、舞台競演、総踊りなどが予定されている。「(歌詞)こきりこの竹は七寸五分じゃ 長いは袖のかなかいじゃ」。平安時代の荘園開拓時に踊った田楽が起源とされるこきりこ節は、ささら、板ささら、筑子竹など、往時のままの珍しい楽器を鳴らしながら踊る。「こきりこ祭り」では、奉納こきりこ踊り、奉納獅子舞、こきりこ輪踊り、舞台競演会などが組まれている。踊り手が身につける烏帽子、狩衣の独特の衣装も趣があり、こきりこの世界に誘ってくれる。

●ユーモラスなかかし、つくりもんに心癒される


▲中田かかし祭(左)
▲福岡町つくりもんまつり(右)

 「第30回中田かかし祭」は9月21日(土)~23日(月・祝)、高岡市中田市街地及び中田中央公園で開催される。わらや木などを材料にして作られたかかしが中田商店街などに飾られるユニークな祭。かかしはコンクールのために一般公募されたもので、200体余りを数える。社会を風刺したものやアニメ、ドラマの主人公、おとぎ話などモチーフはさまざまで、審査を経て、グランプリなどが決まる。

 祭りは昭和58年から始まり、今年で第30回を迎える。コンクールでは、素朴なかかしの部を新設。一体一体を眺めていると、心もほのぼの、和やかになれるだろう。特別企画「義仲・上洛への道」では、倶利伽羅合戦の奇策「火牛の計」をかかしで再現。平家軍に勝利した木曽義仲をテーマにしたもので、武将の姿、勇猛な戦いぶりが、かかしでどう表現されるか楽しみだ。かかし展示のほか、第1回から29回までのかかし祭の写真展示、落語・マジック、かかし音頭踊りなども行われる。

 カボチャやキュウリで作ったユーモラスな人形、民謡の踊り手…。約300年続く、伝統の奇祭「福岡町つくりもんまつり」が9月23日(月・祝)・24日(火)、高岡市福岡町中心市街地で開催される。“つくりもん”とは、野菜や果実、穀物、草木で作った見立て細工のこと。まつりでは、風物や話題の人物、世相などを題材にした約40点が並ぶ。地蔵まつりが起源とされ、五穀豊穣に感謝し、地蔵に秋の収穫物を供えたことから定着し、奇祭として知られるようになった。素朴で親しみのある庶民芸術の祭典といった趣だ。つくりもん展示のほか、菅笠音頭・福岡つくりもん囃子街流しなども行われる。奇祭を盛り上げようと、「つくりもん焼き」が今年、商品開発されたことも話題。まつり両日、まちづくり福岡工房前にて露天販売される。レンコン、カボチャ、ナス、ハクサイ、トウモロコシをモチーフにした大判焼き風の菓子で、街の新名物に、と期待する声も多い。

●まだまだ、おわらに酔いしれて


▲風の盆ステージ(左)
▲越中おわら宇奈月 仲秋の部(右)

 9月1日(日)~3日(火)、富山市八尾町を舞台に行われた「越中八尾おわら風の盆」。その熱気と余韻が残るなか、もう少し八尾町でおわら踊りを楽しみたいと思っている方は、八尾曳山展示館(越中八尾観光会館)へ。9月14日(土)と28日(土)各13:30~14:30、「風の盆ステージ」が開催される。哀調を帯びた胡弓、三味線の音色、優美な踊り、響き渡る唄は本番さながら。ぼんぼりに明かりが灯るなか、器楽演奏や唄の紹介、夜流しの再現、豊年踊りの所作の解説、舞台演舞などが行われる。舞台演舞のあとは、輪踊りに参加して踊ることもできる。おわらについて、より深く知りたい方には必見の本格ステージだ。

 湯の香りに誘われて、県内有数の温泉郷、宇奈月温泉へ。涼しい秋風、湯の街とおわらの風情を感じられるのが、9月10日(火)~16日(月・祝)20:15~22:00に行われる「越中おわら宇奈月 仲秋の部」。宇奈月温泉開湯90周年の節目の年を迎え、今秋は一層の盛り上がりが期待されている。山間に響く、胡弓や三味線の美しい音色、甲高い唄声……。温泉街に設けられたおわら特設会場での踊りの披露、輪踊りを観賞したい。おわら練習会で踊りを学んだところで、誰もが参加できるおわら街流しへ。月明かりの下でおわらを優雅に踊る夜を過ごそう。湯浴みとおわらの両方を楽しめる粋な1週間となりそうだ。

 五穀豊穣、収穫などに感謝して行われる秋祭り。情緒漂う民謡、哀調を帯びた旋律に酔いしれる時間を富山で過ごしてみては……。

問い合わせ
「城端むぎや祭」について
●南砺市観光協会 城端観光案内所
TEL.0763-62-1821
FAX.0763-62-2346
http://www.johana-toyama.jp/

「五箇山麦屋まつり・こきりこ祭り」について
●五箇山観光総合案内所
TEL.0763-66-2468
FAX.0763-66-2469
http://www.gokayama-info.jp

「中田かかし祭」について
●第30回中田かかし祭実行委員会(中田コミュニティセンター内)
TEL.0766-36-1135
FAX.0766-36-8050
http://nakada-comi.jp/

「福岡町つくりもんまつり」について
●福岡町つくりもんまつり実行委員会(高岡市福岡総合行政センター 経済振興課内)
TEL.0766-64-1427
FAX.0766-64-0566
http://www.city.takaoka.toyama.jp/f-keizai/tukurimonmatsuri.html

「風の盆ステージ」について
●越中八尾観光協会
TEL.076-454-5138
FAX.076-454-6321
http://www.yatsuo.net/kankou/

「越中おわら宇奈月 仲秋の部」について
●越中おわら宇奈月実行委員会(宇奈月温泉旅館協同組合内)
TEL.0765-62-1021
FAX.0765-62-1025
http://www.unazuki-onsen.com/

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