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1998年 11月 18日 [ トピックス ]

No.026-1:糖尿病の早期発見に、世界初の診断薬を開発!


■世界で初めての診断薬
 富山県高岡市の医薬品原料メーカーの富士薬品工業では、尿中のIV型コラーゲンを測定して糖尿病性腎症を検査する、世界で初めての診断薬「パナウリアuIV・C」を開発した。この薬により、医療機関での簡単な検査を受けるだけで、従来よりも早く発見でき、早期治療の道を拓くものとして注目を浴びている。すでに厚生省の認可も受け、来年5月頃から発売する予定だ。

■糖尿病性腎症の早期発見に道を拓く
 生活習慣病の1つである糖尿病は、バランスのとれた食事や適度の運動によって、血糖をコントロールできるが、それを怠ると糖尿性網膜症や糖尿性腎症などの合併症を引き起こす。なかでも腎臓の働きが低下する糖尿病性腎症は、進行すると慢性腎不全に陥り、回復が困難となる。
 これまで糖尿病性腎症の兆候は、尿中に微量に含まれるアルブミン(タンパク質)を測定することで診断してきた。しかし、アルブミンがわずかに出現した時点に治療を始めても、快方に向かわせるのが難しく、より早く発見する診断薬が望まれていた。
 同社が開発した「パナウリアuIV・C」は、尿のアルブミンがまだ正常な範囲にあり、腎臓の障害がほとんど確認できない段階でも、尿中から腎臓の血管組織の一部である、IV型コラーゲンを測定することで発見できる。
 これまで医学界では、糖尿病性腎症の診断にIV型コラーゲンが有効ではないかと言われてきたが、今回の「パナウリアuIV・C」の製造承認申請に伴う同社のデータによって、IV型コラーゲンが世界で初めて指標として認定されることになった。

■慢性関節リウマチの診断薬の開発も進めている
 同社は、昭和62年に診断薬分野に進出して以来、今回の「パナウリアuIV・C」で4番目の新薬となる。また現在、世界で最初の慢性関節リウマチの診断薬の開発も最終段階に達している。同社では、今後も意欲的に新薬の開発を行っていきたいとしている。

●(株)富士薬品工業バイオ医薬部
〒933-0951高岡市長慶寺530番地
TEL 0766-26-4423

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