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1998年 7月 28日 [ イベント ]

No.022-3:世界文化遺産の合掌の里が秋祭り一色に染まる。


■平村の祭り
 富山県平村では、9月23日・24日に下梨地区で「五箇山麦屋まつり」、続く25日・26日には隣接する上梨地区で「こきりこ祭り」が開催される。祭りでは、神社への参拝のあと、境内で地元に古くから伝わる民謡が披露される。
 平村(五箇山)は、わが国有数の豪雪地帯に位置していることから、かつては日本の秘境といわれた。そのために合掌造りの民家をはじめ、現在も独自の文化、民俗、習慣を数多く残している。なかでも、大きなカヤ葺き屋根が天に向かって合掌する姿は、素朴な日本の原風景をイメージするものとして、訪れる人々の心に郷愁を誘う。平成7年には、平村の相倉合掌集落が、上平村菅沼集落や岐阜県白川郷とともに、世界文化遺産に登録されている。
 その平村はまた、日本民謡の宝庫として全国的にも知られており、今日まで30以上が歌い継がれている。秋祭りには収穫への感謝の気持ちを込めて、麦屋節、こきりこ節など五箇山ゆかりの民謡が歌い踊られる。両祭りとも、一般の人々を対象にした民謡踊り講習会が行われるのが特徴で、地域の人々の輪に加わって踊ることができる。

■「五箇山麦屋まつり」
 1日目は午後から子供たちの民謡大会、麦屋節踊り講習会が行われる。夕方からは、地主神社に参拝したあと、地元の民謡保存会が総出演して麦屋節、四つ竹節など、五箇山民謡の数々が披露される。
 2日目は、午後から一般の人々を対象にした麦屋節踊り講習会が開かれたあと、麦屋節笠踊りコンクールが開催される。そして夕方から地元の民謡保存会が総出演して、夜の12時ごろまで五箇山民謡を歌い踊る。2日間とも、夜9時ごろから一般の人々が自由に踊りに参加できる総踊りに入る。

(主な民謡)
・麦屋節
 五箇山は、倶利伽羅の合戦や屋島の戦いで敗れた平家一門が落ちのび、隠れ住んだところといわれる。その平家の落武者が自らの悲しい運命を歌に託したのが麦屋節だとされる。「麦や菜種は二年で狩るが 麻が刈らりょうか半土用に 波の屋島を遠くのがれてきて…」と、哀調をおびた歌に合わせて、黒紋付と袴に白たすき、脇差のいでたちに菅笠を持って踊る。

・四つ竹節
 平村で古くから伝承されてきた民謡で、四つ竹の伴奏に「越中五箇山蚕の本場、娘やりたやあの桑摘みに、たからゆたかな麦屋のお郷…」と唄う。

・古代神
 室町時代に歌い踊られた田楽の名残りをとどめるもので、「サァーわしのサーエー 殿さまほめるじゃないが、大工木挽や桶屋もなさる、人が頼めば左官もなさる…」とユーモラスな歌詞と軽快なテンポで唄い踊られる。

■「こきりこ祭り」
 大伴家持や遊行女婦土師、木曽義仲などの配役をはじめ、1,100人の出演者はすべて地元の市民が演じる。作・演出は音楽家・劇作家の藤本壽一氏が行い、その下で、一般から募集された15名のアマチュアの演出家が担当。この「越中万葉夢幻譚」の運営には、150名の市民ボランティアが参加し、会場の整理、舞台照明、衣装係などの裏方を受け持つ。
 わが国でも数少ない市民参加型の野外音楽劇として、「越中万葉夢幻譚」は全国的にも高く評価されており、平成6年には「国土庁長官賞」「サントリー地域文化賞」を受賞している。今年も8月22日・23日の両日、夏の夜に幻想的な歴史スペクタクルを繰り広げる。
 この野外音楽劇は、フランスの古城や湖で盛んに行われている市民参加による歴史ショウ、「ソン・エ・リュミエール」の精神を取り入れたもの。 会場の高岡古城公園には、幅100m、奥行き60mの芝生ステージや6,000人収容のスタンドが設営され、1,100人の市民俳優が一心同体となって熱演を繰り広げる。
 入場料は、aゾーン3,500円、bゾーン3,000円

<こきりこ節>
http://www.toyama-smenet.or.jp/navi/jukebox/jukeboxb.htm

<麦屋節>
http://www.toyama-smenet.or.jp/navi/jukebox/jukeboxc.htm

●平村役場産業観光課
〒939-1997 平村下梨
TEL 0763-66-2131

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