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2002年 4月 24日 [ トピックス ]

No.092-1:北アルプスの深部を行く「黒部ルート見学会」 参加者募集


●電源開発の歴史や電気事業への理解を深めてほしい

 黒部峡谷鉄道の終点、欅平(けやきだいら)と上流の黒部ダムを結ぶ、関西電力の工事用輸送設備「黒部ルート」。5月から11月まで「黒部ルート見学会」が開催される。このルートは全長約18・で、竪坑エレベーター、バッテリートロッコ列車、インクライン(地下ケーブルカー)などを乗り継ぎながら北アルプスの深部を抜けるという壮大なもの。黒部川第三、第四発電所など電源開発の資材輸送路として整備され、現在もダムや発電所、送電線の保守・点検に欠くことのできない輸送設備となっている。通常、一般の観光客の立ち入りはできないが、電源開発の歴史や電気事業への理解を深めてもらうことを目的に、平成8年から一般公募による「黒部ルート見学会」が実施されている。
 参加対象者は、小学5年生以上(小学生は保護者同伴)の健康な方で、乗り物の乗降やトンネル内の歩行に支障のない方。見学コースは、欅平出発コースと、黒部ダム出発コースの二つ。定員は両コースとも1回につき30人。
 実施日、申込方法などの詳しい情報は下記ホームページや黒部ルート見学公募委員会事務局まで。

→写真をダウンロード(350dpi)


●世紀の難工事といわれたダム建設に思いを馳せる  

 欅平出発コースを紹介しよう。まず、欅平から工事用トロッコ列車に乗車して、3分ほどで上部軌道へ上がる竪坑エレベーターに到着。このエレベーターは、50階建のビルに相当する高さ(約200m)を2分で駆け上がるので、まずその機動力に驚かされる。エレベーターを降り、バッテリートロッコ列車に乗り換え、黒部川第四発電所へと向かう。
 その途中に、吉村昭の小説の舞台ともなった「高熱隧道」を通る。トロッコ列車のガラス窓に水滴が付き、硫黄の臭気が鼻腔を刺激する。岩盤むき出しのトンネルと熱気、硫黄の臭気が難工事であったことを物語っている。
 自然環境に配慮して全地下式となっている黒部川第四発電所では発電機室やベルトン水車などを見学。世紀の難工事といわれた建設当時に思いを馳せながら、地下に設けられた巨大な人工空間を眺めてみたい。
 発電所を見学後、34度の急傾斜を昇るインクラインに乗車し、約450mの高低差を体感。マイクロバスで黒部トンネル内を40分ほど走ると終点の黒部ダムに到着する。
 標高600mの欅平から1470mの黒部ダムまで、その差実に870m。その間、外気が味わえるところは、ほとんどない。しかも工事用ルートなので、快適な旅というわけにはいかないかもしれないが、北アルプスの深部を抜けるこのルートで、黒部川の電源開発にかける人間の英知や難工事の歴史、雄大な自然を体感してみるのもいい。

問い合わせ
●黒部ルート見学公募委員会事務局(関西電力北陸支社内)
TEL(076)442−8263
ホームページ/関西電力
http://www.kepco.co.jp/info/hokuriku/koubo/index.htm
富 山 県
http://www.pref.toyama.jp/sections/1111/kurobe/index.htm

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