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2004年 9月 1日 [ イベント ]

No.159-2:祭の哀愁漂う旋律に酔いしれて−富山に祭の秋が到来


●唄い、踊り継がれる民謡の力

 秋風にのって情調漂う祭りの季節がやってきた。9月18日(土)〜19日(日)に城端町で開催される「城端むぎや祭」では、越中おわら節と並んで富山の代表的な民謡として知られる「むぎや節」の唄と踊りが堪能できる。(写真上)
 「麦や菜種は二年で刈るが 麻が刈らりょか半土用に・・・」———祭では、城端別院善徳寺境内や町中心部に哀愁を帯びた旋律が流れ、紋付き、はかまに白たすき、腰に刀をさした凛々しい若者たちが菅笠を持ち、男踊りを披露。浴衣姿の女性たちも菅笠を持ちながら女踊りを披露する。踊りは動と静の融合が見事で、勇壮ななかにも哀調が感じられる。むぎや節は、五箇山に隠れ住んだ平家の落人が慣れない山仕事や畑仕事をするなかで、都を偲んで唄い踊ったことが起源とされており、この悲話が哀愁を帯びた旋律に表れているようだ。越中の小京都といわれる城端町。趣のある街並みを、むぎや節の旋律と踊りを楽しみながら散策してみたい。


● 野菜や果物による芸術「つくりもん」と鳥帽子に狩衣の独特の衣装でササラを鳴らす「こきりこ」

 9月23日(祝・木)〜24日(金)、福岡町の中心部には、野菜や果物で形作られた大小さまざまなデコレーションが登場する。「つくりもんまつり」と呼ばれるこのまつりは、もともとは五穀豊穣に感謝して、秋の地蔵祭に野菜を供えることから始まったもの。いまでは、一つの作品にトラック単位の野菜や果実が使われるほどで、庶民芸術祭といった趣だ。人物や建物、風景、物語の一幕、世相を反映したものなど、見ごたえのある作品が多い。どの作品も野菜の形を巧みに生かしており、眺めていると、ユニークなその表情に思わず笑みがこぼれてしまう。人の気持ちをほっと和ませる楽しい祭りだ。
 また、世界遺産・相倉合掌造り集落で知られる平村では、「平の祭」が行われる。9月23日(祝・木)〜24日(金)の下梨地主神社境内での「五箇山麦屋まつり」と、25日(土)〜26日(日)の上梨白山宮境内での「こきりこ祭り」との2つの祭りの競演ともいえるもので、国の無形民俗文化財に選択される民謡の宝庫・五箇山の魅力に存分にふれることができる。いずれの祭りも、神社への獅子舞奉納や、のど自慢コンクール、舞台競演、総踊りなどが行われるが、今年の話題は、世界遺産の合掌造り集落を持つ富山県平村、上平村、岐阜県の白川村の民謡団体がこきりこ祭りで勢ぞろいし、舞台競演を繰り広げること。五箇山民謡と白川民謡の共通点や違いを聴き比べてみるのも一興だ。




問い合わせ
(地図は各ホームページ参照)
●城端むぎや祭について/城端町観光協会
TEL.0763-62-1821
FAX.0763-62-2346
http://www.johana-toyama.jp

●平の祭について/五箇山観光協会
TEL.0763-66-2468
0763-66-2468

●つくりもんまつりについて/福岡町商工観光課
TEL.0766-64-5333
FAX.0766-64-6046
http://www.town.fukuoka.toyama.jp

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