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2004年 10月 27日 [ トピックス ]

No.167-2:富山県産いやしロボット「パロ」実用化、高齢者福祉施設へリース


●本物のタテゴトアザラシの赤ちゃんの鳴き声を使用

 人や生活に身近なロボットが続々と登場しているなか、城端町出身で産業技術総合研究所(茨城県つくば市)の柴田崇徳主任研究員と、砺波市の電子機械の企業が共同で開発したいやしロボット「パロ」が実用化され、今秋から高齢者福祉施設へのリースが始まった。
 パロは、人の心に安らぎや楽しみを与えることを目的とした「メンタルロボット」。タテゴトアザラシの赤ちゃんがモデルで、体長57cm、体重 2.7kg。体に視覚や触覚のセンサー、聴覚マイクロフォン、音声認識の知能、サーボモーターなどを装備しており、撫でられたり、抱かれたり、人の声を聞いたりすると、やわらかい人工毛皮でおおわれた体を動かし、鳴き声を発したりする。また、まぶたが動くので、顔の表情にも変化があるのも特徴。驚いたり、喜んだり、怒ったりと、あたかも心や感情があるように振る舞う。本物のタテゴトアザラシの赤ちゃんの鳴き声がたくさん使われており、製作にあたってはカナダ北東部のマドレーム島沖の氷原へ出掛け、タテゴトアザラシの生態調査を行った。音声認識の機能と、学習機能があり、思い思いの名前を付けて呼び掛けると、新しい名前に反応するようになるのもユニークだ。


●「世界一癒し効果の高いロボット」としてギネスブックに認定

 柴田主任研究員らは、1993年から癒しの動物型ロボットの研究開発をスタートさせ、これまでに県内をはじめ、国内外の高齢者施設や小児病棟でパロによるロボット・セラピーの実証実験を行ってきた。その結果、人への心理的効果(リラックスなど)、生理的効果(ストレスの低減など)、社会的効果(人とコミュニケーションを活発にするなど)が確認されたという。2002年には、パロは「世界一癒し効果の高いロボット」としてギネスブックに認定され、実用化に向けてさらに期待が高まっていた。
 製造は、県内企業の数社に委託され、年間900台の生産を目指す。富山の技術の粋を集めた“県産ロボット”として、関係者の期待も高まっている。
 パロの販売・リースにあたり、城端町(11月から南砺市)にベンチャー企業「知能システム」が設立され、全国の高齢者施設からのリース申込みを受け付けている。リース料金は1台月額12,000円から。個人向けの販売は2005年春からで、パロ本体及び付属品一式42万円(消費税込み)を予定。「なでたりしてパロとコミュニケーションをとってください。可愛がった分、安らぎや楽しみも得られます」と同社では話している。




問い合わせ
●知能システム
フリーダイヤル.0120-86-1842
TEL.0763-62-8686
FAX.0763-62-8600
http://intelligent-system.jp/
http://paro.jp/

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