トピックス

アーカイブ

2017年 3月 8日 [ トピックス ]

No.797:オール富山ロケ!感動作「真白の恋」

 新湊・内川地区など富山県内でオールロケを敢行した映画「真白(ましろ)の恋」が、県内や東京都内で上映され、話題を呼んでいる。軽度の知的障がいがある主人公の初恋を描いた作品。懐かしい風景が主人公を温かく包み込んでいる。監督は、富山市出身の坂本欣弘氏。なら国際映画祭2016観客賞などを受賞。文部科学省選定作品。

●主人公を温かく包み込む風景をスクリーンで


▲内川沿いを自転車で走る真白と油井
 ©2016「真白の恋」制作委員会

 「真白の恋」(配給:エレファントハウス)は射水市新湊地域を舞台に、30歳の女性・真白の恋と成長を、家族の葛藤も交えながら描いている。富山の美しい風景とともに、さまざまな問題に直面しながらも前向きに人生を歩んでいく人々の姿が印象的。障がいのあることを独自の個性と捉えて描いている点に心も温まる。

 富山県の漁師町で家族とともに暮らす渋谷真白(佐藤みゆき)。軽度の知的障がいをもつが日常生活には支障はなく、父・晴臣(長谷川初範)が営む自転車店の店番をしながら元気に暮らしている。ある日、兄の結婚式で東京から来たフリーカメラマン、油井景一(福地祐介)と出会う。その後、写真がきっかけで再会した二人は仲良くなる。真白は初めての恋に戸惑いながらも油井への想いを募らせていく。だが、周りの人間は真白を守ろうと過敏に反応する――。


▲主人公の真白(左)
▲真白の兄の挙式で二人は出会う(中央)
▲立山にやってきた真白(右)
©2016「真白の恋」制作委員会

 「真白の恋」は、富山市出身(在住)の坂本欣弘氏がメガホンを取った自主製作映画。2015年2~4月にロケが行われた。坂本氏は大学卒業後、映画・演劇の専門学校「ENBUゼミナール」(東京)で学び、岩井俊二監督が主催するプロジェクトに参加。「きみはいい子」(2015)の呉美保監督や、「おしん」(2013)の冨樫森監督のもとで助監督を務めた。「真白の恋」は映画監督デビュー作となる。

 原作・脚本を担当した北川亜矢子氏は、貫地谷しほり主演の「女くどき飯」や、「たべるダケ」などの連続ドラマで女性の心理を巧みに描いてきた。知的障がい者の実弟をもち、「真白の恋」では独特のリアリティを紡ぎ出している。

 現在上映中の映画館は、TOHOシネマズファボーレ富山、TOHOシネマズ高岡の県内2館、アップリンク渋谷(東京)。近日に公開予定の映画館もある。上映館の情報は、http://mashironokoi.com/へアクセスを。

●春風に誘われて、ロケ地を訪ね歩く旅へ

 映画を観たあとは、実際の富山県へ。ロケ地マップ片手に射水市新湊地域や県内各地を散策してみてはいかがだろう。ロケ地マップはB4判2つ折りで全4ページ、フルカラー。TOHOシネマズファボーレ富山、TOHOシネマズ高岡の県内2館、アップリンク渋谷(東京)、県内観光施設、日本橋とやま館などで配布中。今後、公開予定の映画館でも手にすることができる。


▲「真白の恋」ロケ地マップ

 マップでクローズアップされたロケ地をいくつか紹介しよう。“日本のベニス”といわれ、情緒ある風景を見せる射水市新湊地域・内川周辺は物語の中心舞台。真白と油井が偶然に再会する場所であり、印象的なシーンで何度も登場する。万葉の歌人・大伴家持が勧請した放生津八幡宮は、真白の兄が挙式するところ。真白が最初に油井と出会う場所でもある。海の貴婦人・帆船海王丸を係留する海王丸パークは真白と油井のデートスポット。パークからは日本海側最大の斜張橋・新湊大橋が一望できる。このほか、川の駅新湊近くの自転車店や写真店、地元キャラクターを使った「ムズムズどらやき」が人気の和菓子店などでロケが行われた。

 射水市以外でロケ地となった富山市の岩瀬浜は、県内有数の海水浴場だが、映画では冬のシーン。東京育ちの油井が一面の雪原風景に感動する。真白と油井がデートで訪れる呉羽山展望台からは、扇のようにそびえる立山連峰と富山市街地の大パノラマが楽しめる。立山の天狗平山荘は、真白が立山登山で宿泊した施設。標高2,300mに位置し、天候の条件などが揃えば雲海を眺めることができる。

●「人生の約束」、ロケーションジャパン大賞特別賞に輝く

 映画に関連した話題をもう1つ紹介しよう。地域を盛り上げた映画、ドラマとロケ地を顕彰する「第7回ロケーションジャパン大賞」<主催:地域活性プランニング(雑誌『ロケーションジャパン』発行>に、射水市新湊地域などで撮影された映画「人生の約束」(監督:石橋冠、出演:竹野内豊、江口洋介、西田敏行ほか)、ロケに協力した射水市が特別賞(撮影サポート部門)を受賞した。今回の大賞では、2015年11月から2016年9月までに公開、放送された映画、ドラマから21作品をノミネート。5,100人のアンケート調査とロケ地行楽度、撮影サポート度などを基準に選考された。

 同映画は昨年1月から全国で公開。友人の死をきっかけに主人公(竹野内豊)が新湊で曳山を守る人々と出会い、自身の生き方を見つめ直す、「絆」と「再生」の物語。江戸時代から受け継がれてきた曳山が絆を育む象徴として登場した。

 射水市では、富山県ロケーションオフィスや地元関係者などと連携し、『「人生の約束」を応援する会』を結成。地元エキストラ約1,400人を動員しての撮影など、官民一体で作品づくりを応援した。映画の解説やロケ地マップ、監督・出演者からのメッセージなどを掲載したタブロイド判特集号(企画・制作/北日本新聞社、協力/富山県・射水市)を約30万部発行し、県内外の映画館などで配付。集客へと結びつけた。このようなロケ受け入れから公開後のフォローまでの一連のサポート実績などが高く評価された。

 富山県ロケーションオフィスでは、「『人生の約束』をはじめ富山ロケの映画は、エキストラ出演やボランティアスタッフなど多くの地元の人たちに協力してもらっています。そうした大勢の人たちの思いがこもった作品をぜひ全国の皆さんにご覧いただきたいです。その後は、映画の感動をさらに味わっていただくため、ぜひ富山県へお越しのうえ、ロケ地めぐりをお楽しみください」と話している。

問合せ
●富山県ロケーションオフィス
TEL.076-444-6789
FAX.076-444-4404
http://www.location-toyama.jp/

コメント

その他のトピックス

ページの先頭へもどる↑