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2016年 8月 31日 [ イベント ]

No.771:「かがやいて 水・空・緑のハーモニー」全国植樹祭とやま2017、平成29年5月に開催決定

 「第68回全国植樹祭とやま2017」(主催:公益社団法人国土緑化推進機構、富山県)が来年5月28日(日)、富山県で開催されることが決定した。大会テーマは、「かがやいて 水・空・緑のハーモニー」。北アルプス・立山連峰から富山湾までの大パノラマが広がる魚津桃山運動公園(魚津市)を式典会場に、富山の豊かな森林資源や多彩な歴史・文化、ダイナミックな自然環境を発信する。現在、全国植樹祭の開催準備進行中!

●式典行事や記念植樹を行う国民的行事

 全国植樹祭は、豊かな国土の基盤である森林・緑に対する国民的理解を深めるため、昭和25年から毎年全国持ち回りで開催されている国土緑化運動の中心的行事。通例では、天皇皇后両陛下のご臨席のもと、式典行事や記念植樹などが行われており、国民体育大会、全国豊かな海づくり大会と並んで三大行幸啓の一つとされている。富山県での開催は昭和44年、砺波市・頼成の森での第20回大会以来48年ぶり、2回目となる。


▲大会シンボルマーク(左)
▲第68回全国植樹祭プレ大会の植樹の様子
(平成28年5月22日)(右)

 3,000m級の北アルプス・立山連峰から森林・里山地域、平野、そして水深1,000mの富山湾まで、高低差4,000mのダイナミックで変化に富んだ地形を有する富山県。“森は海の恋人”といわれるように、豊かな森が豊かな水と豊かな海を育む。県では、平成18年に「富山県森づくり条例」を制定し、翌年から「水と緑の森づくり税」を活用して、地域住民との協働による里山再生や、とやまの森づくりサポートセンターを通じて、県民参加の森づくり活動に取り組んできた。また、国民病ともいわれている花粉症への対策として、花粉をまったく飛ばさない優良無花粉スギ「立山 森の輝き」を全国に先駆けて開発した。

 そして、今回の「第68回全国植樹祭とやま2017」を契機に、開催理念にあるように、より一層の県民参加による健全な森づくりの推進と、森林資源の循環利用の促進による林業再生を図る。森づくりと海づくりを一体的にとらえ、豊かな自然を守り育てる県民の活発な実践活動や、そこで育まれた歴史・文化など富山県の数多くの魅力を全国に発信し、緑あふれる自然といきいきと人が輝くふるさとを未来へとつなげる。

 また、大会の基本方針として、まず「豊かな森を育て、林業・木材産業の明るい未来を繋げていく大会」を掲げる。「県民参加による多様な森づくりの推進」、「持続可能な森づくりの推進と県産材活用による林業・木材産業の振興」、「優良無花粉スギ『立山 森の輝き』の発信」により、県民参加の森づくり活動をさらに広げる契機とし、豊かな森を県民共通のかけがえのない財産として、次の世代に引き継いでいく考えだ。このほか、「森づくりと海づくりの連携の推進」、「雄大な自然など富山県の魅力発信」、「『おもてなしの心』で『温かみ』のある大会」も挙げる。


▲魚津桃山運動公園から見た
立山連峰と富山湾

 式典会場の魚津桃山運動公園は標高160~200mの里山地域に位置し、北アルプスや富山湾が眺望できる県民憩いの場。森、川、海が一体的に実感できるなど、植樹祭の開催理念にマッチした素晴らしいロケーションを誇る。

 式典では、“世界に誇るとやまの自然と文化”をテーマにした映像や洋舞による創作舞踊の披露、天皇皇后両陛下のお手植え・お手播き、大会テーマのアピール、大会宣言、リレーセレモニー(次期開催県への引継ぎ)などが予定されている。

 天皇皇后両陛下のお手植え・お手播きでは、天皇陛下が、富山の森林・林業を象徴する樹種のタテヤマスギ(無花粉スギ「立山 森の輝き」)、コシノヒガン(本県発祥のサクラ)、ヒメコマツ(立山黒部アルペンルートの代表種)をお手植え。エドヒガン(日本を代表する長寿のサクラ)、タブノキ(海岸沿いに生育、森と海を結ぶ象徴)をお手播きされる。皇后陛下は、雪国富山の里山を花で彩る樹種として、コシノフユザクラ(本県固有の二季咲きのサクラ)、キタコブシ(雪国の春を象徴する花)、ホオノキ(万葉集では富山でのみ詠歌)をお手植え。ヤマザクラ(菊と並び日本を象徴する花)、マルバマンサク(合掌造りの木組みの結束材)のお手播きを予定している。

 この式典会場の魚津桃山運動公園に加え、朝日町、入善町、黒部市、滑川市、上市町に設けられた植樹会場では、招待者による記念植樹も行われる。植樹は、コナラ、ホオノキ、イタヤカエデ、クロマツ、「立山 森の輝き」、コシノフユザクラなど合わせて10,000本ほどになる。

●地域リレー植樹やお手播き用種子採取イベント展開中

 今春から、全国植樹祭の機運を盛り上げるため、県内各地でイベントが繰り広げられている。5月22日(日)には、1年前プレイベントとして、「第68回全国植樹祭プレ大会」(第17回とやま森の祭典)を魚津桃山運動公園で開催。爽やかな五月晴れのもと、約3,000人が来場。「立山 森の輝き」やコナラの苗木約1,000本の植樹、県産材プランターカバーの製作、のぼり旗への寄せ書きなどが行われた。


(左から)
▲第68回全国植樹祭プレ大会で植樹する
石井県知事と子どもたち
▲県産材プランターカバーの製作
▲お手播き用種子採取イベントが開かれた
氷見市長坂の大いぬくす
▲タブノキの種の皮むき

 県内15市町村では、地域特性に応じて植樹イベント「地域リレー植樹」が進められている。キッフオフイベントとして、4月23日(土)に富山市東黒牧地内(富山国際大学キャンパス内)で「とやまの森づくりボランティア交流会」が開催され、コナラやクリ、クヌギなどの苗木約500本を植樹した。5月8日(日)の「ひみ花とみどりのフェスタ2016」(氷見市海浜植物園)では、参加者がクロマツの苗木40本を植樹。6月10日(金)の「沢スギ愛護活動」(入善町杉沢の沢スギ)では、地元の上青小学校の5・6年生と地元住民がスギの苗木を植樹した。

 また、お手播き用種子採取イベントとして、5月25日(水)に富山市呉羽山公園都市緑化植物園でエドヒガン、6月9日(木)に魚津市・松倉城跡でヤマザクラ、8月23日(火)に氷見市長坂の大いぬくすでタブノキの種子採取が行われた。タブノキは県内の海岸沿いに多く生育する高木性の常緑広葉樹。長坂の大いぬくすは推定樹齢約500年、樹高約12m、幹回り約7mの巨木で、県指定天然記念物。イベントでは、灘浦小学校の児童や長坂地区住民が種子の皮むき処理などを行った。なお、万葉集では、大伴家持が「都万麻(つまま)」として越中で1首のみ、雨晴海岸に生えるタブノキの様子を詠っている。

●木製地球儀、巡回展示

 今年6月5日(日)に開催された「第67回全国植樹祭ながの2016」では、次期開催県を代表して石井富山県知事が全国植樹祭のシンボル「木製地球儀」と「エノキの苗木」を阿部長野県知事から引き継いだ。「木製地球儀」は21世紀最初の「第52回全国植樹祭やまなし2001」で作成されて以来、全国植樹祭のシンボルとして開催県に引き継がれている。地球環境の時代である21世紀、森林・林業がさらに重要な役割を担うというイメージを「木製の地球」で表現し、国民、企業、行政の3者の手で支えていく姿を「3枚の葉」で表している。


▲木製地球儀

 そしてこの地球儀は、平成13年に本県南砺市の井波彫刻協同組合が国の伝統的工芸品に指定されている井波彫刻の伝統の技を生かして製作したもの。本県へは15年ぶりの“里帰り”となったのも話題だ。素材は、地球がヒノキ、葉はナラ、基台はケヤキ材で、高さ60cm、幅50cm、重さ14.7kg。来年3月まで県内各市町村の庁舎などで巡回展示されているので、ぜひ観覧を。

 第68回全国植樹祭富山県実行委員会事務局(富山県森林政策課)では、「若葉とシャベルを手にした元気とやまマスコット・きときと君を隊長にしたPRキャラバン隊が各地を回り、全国植樹祭をPRしています。来年5月の本大会にもぜひご参加ください。10月より公募します。詳細は全国植樹祭ホームページをご覧ください」と話している。

問合せ
●第68回全国植樹祭富山県実行委員会事務局(富山県農林水産部森林政策課)
TEL.076-444-3114
FAX.076-444-4561
http://www.68syokujusai-toyama.jp/

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