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2014年 3月 26日 [ トピックス ]

No.650-1:桜前線北上中、春の陽気に誘われて、富山のサクラの名所へ

やわらかな春の陽射しとともに桜前線が日本列島を北上中。富山の予想開花日は4月5日(土)、満開日は9日(水)。春風に誘われて、県内のサクラの名所に出掛けよう!新品種のニュースもお届け。県中央植物園では、企画展「北陸の菊桜」を開催中。高岡市の二上山で発見された固有品種のサクラ「フタカミザクラ」から抽出した酵母を使って仕込んだ清酒「ふたかみ桜」の話題も紹介!

●サクラの新品種、県内で発見・命名


▲松川べり(富山市)(左上)
▲神通川さくら堤・塩の千本桜
(富山市)(中央上)
▲舟川べり(朝日町)(右)
▲シママチキクザクラ
(上市町・嶋町神社) (左下)
▲ショウホウジキクザクラ
(高岡市・正法寺) (中央下)

 富山県は、日本一長い開花リレーを楽しめる“サクラの王国”。3月中旬に開花する野生種のキンキマメザクラから4月のソメイヨシノ、7月下旬にタカネザクラが咲き終わるまで、長期間にわたってサクラが咲くことや、春と晩秋から冬にかけて咲く二季咲き性の品種もみられるためだ。

 春の季節に見頃を迎えるサクラの名所をいくつか紹介すると、富山市中心部の「松川べり」(松川公園・磯部堤・城址公園)は、約470本のソメイヨシノの並木が圧巻。松川には遊覧船が運航され、水上からも花見が楽しめる。

 「神通川さくら堤・塩の千本桜」(富山市)は約1,000本のソメイヨシノの並木。ソメイヨシノとともにチューリップや菜の花が咲き競う「舟川べり」(朝日町)では、残雪の朝日岳とともに美しい景観が広がる。水濠公園として知られる「高岡古城公園」(高岡市)ではコシノヒガンが見もの。水面に映るピンクの花が楽しみだ。約270本のソメイヨシノが植えられている「朝日山公園」(氷見市)では、サクラ越しに富山湾や立山連峰の絶景を満喫できる。「向野のエドヒガン」(南砺市城端地区)は山田川の東岸に自生する単木。樹高は約15mで、淡いピンクの花と残雪の山々がハーモニーを奏でる。

 富山県では、野生種のサクラが多く自生していることや、県内で新たに発見された新品種が多いことも特徴だ。県中央植物園と「とやまさくら守の会」の調査で新品種と判明し、今年3月に命名されたのが、上市町石仏の嶋町神社の入り口にある「シママチキクザクラ」。菊咲き性品種で、花弁の数は200枚ほど。最初は濃紅紫色で、後からピンク色に変わる。花弁の縁にカーネーションのような切れ込みが多く、エレガントな印象。推定樹齢は60年以上で、樹高が約4mとコンパクトな点も特徴だ。見頃は4月下旬~5月上旬。

 同じく今年3月に命名された「ショウホウジキクザクラ」は高岡市・二上山麓の正法寺にある菊咲き性品種。咲き始めは淡いピンク色だが、満開時には花弁がほぼ白色になり、清楚な雰囲気を漂わせる。推定樹齢は100年以上の巨木だ。見頃は4月下旬。

●県中央植物園、企画展「北陸の菊桜」開催中


▲さくらまつりの夜桜(県中央植物園)

 県中央植物園では、上記の「シママチキクザクラ」や「ショウホウジキクザクラ」などを紹介した企画展「北陸の菊桜」を4月29日(火・祝)まで県中央植物園サンライトホールで開催している。「菊桜」または「菊咲き性のサクラ」とは、花弁数が100枚以上にもなり、中心が盛り上がったキクのような花形になったもの。豪華に見えるため「究極のサクラ」とも呼ばれている。ソメイヨシノでは花弁は5枚、一般に八重桜と呼ばれるものでも20~40枚程度であることを考えると、その花弁の多さがわかる。栽培品種の中でも観賞価値が高く、北陸を中心に育成されてきた。企画展では、「シママチキクザクラ」や「ショウホウジキクザクラ」のほか、県内でこれまでに発見された「ヒミクヅロキクザクラ」、「ツルギオリトキクザクラ」、「ジョウキョウジテマリザクラ」、「ニュウゼンオトメキクザクラ」、石川、新潟、岐阜の各県で発見された菊桜をパネルで解説している。

 県中央植物園では、「4月10日(木)~13日(日)に第3回さくらまつりを開催します。とやまさくら守の会による観察会や日没後に桜並木のライトアップも実施します。水面を幻想的に彩るサクラの景観をぜひ観賞ください」と話している。

●県固有品種「フタカミザクラ」の酵母で清酒


▲清酒「ふたかみ桜」(左)
▲フタカミザクラ(右)

 県食品研究所と吉乃友酒造(富山市)は県中央植物園と協力し、高岡市の二上山で発見され、同園に植栽されている固有品種のサクラ「フタカミザクラ」から抽出した酵母を使って、清酒「ふたかみ桜」を商品開発した。フタカミザクラは、キンキマメザクラとヤマザクラが交雑して誕生したと考えられる品種で、花は直径2cmほどと小型ながら、10~15枚の花弁を持つ。淡い紅色で、縁にフリルがあり、少女のような愛らしさが感じられる。なお、原木は枯れてしまい、県中央植物園に2本の若木が植栽されている。

 県食品研究所は、これまでチューリップやツバキ、寒ブリなどから酵母を抽出し、富山をイメージする酒の開発を進めてきた。第7弾の取組みとして、昨年4月、サクラ37品種を調べたところ、フタカミザクラの酵母が実用化に十分なアルコール濃度、酸度、アミノ酸度をもたらすことがわかり、吉乃友酒造がこの酵母を使って商品開発に挑戦した。県産の紫黒米(しこくまい)「黒むすび」で仕込んだことから、アントシアニンの成分によって鮮やかなピンク色に。酸味の利いたフルーティーですっきりとした味わいに仕上がっている。1本500ml入りで1,000円。道の駅「万葉の里高岡」などで販売が始まっている。

 県食品研究所と吉乃友酒造は、「フタカミザクラから分離・選抜した酵母、県産の紫黒米、水と、“オールとやま”の日本酒。サクラのイメージにマッチした色合いも特徴です。フルーティーな味わいをお楽しみください」と話している。

  今回ご紹介した清酒「ふたかみ桜」を5名様にプレゼントします。プレゼント応募フォームに、プレゼント内容「ふたかみ桜」・氏名・年齢・郵便番号・住所・メールアドレス・電話番号・記事を読んでの感想をご記入のうえ、お送りください。<3月30日(日)締切り。発表は発送をもって代えさせていただきます。> ※プレゼントは成年の方を対象とさせていただきますので、年齢を必ず明記(選択)してください。

→プレゼント応募フォームはこちら

問い合わせ
サクラについて
●富山県中央植物園
TEL.076-466-4187
FAX.076-465-5923
http://www.bgtym.org/

清酒「ふたかみ桜」について
●吉乃友酒造
TEL.076-466-2308
FAX.076-466-3519
http://www.toyama-smenet.or.jp/~jun/

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