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2009年 10月 28日 [ 特産品 ]

No.427-2:日一日と寒さ感じるこの季節に、あたたかい食の話題を


 秋の深まりとともに恋しくなるのが、日本酒。そこでおすすめしたいのが、富山県で昨年開発された高級酒用の酒造好適米「富の香(とみのかおり)」で仕込んだ富山の地酒。また、富山ならではのご当地おでんを県内外に発信しようと、このほど発足した「富山おでん会」の話題も紹介しよう。

●薫り高く、まろやかでやさしい味わいの酒

秋の深まりとともに恋しくなるのが、日本酒。そこでおすすめしたいのが、富山県で昨年開発された高級酒用の酒造好適米「富の香(とみのかおり)」で仕込んだ富山の地酒だ。

豊饒の富山湾が目の前に広がる氷見市で明治5年創業の高澤酒造場。富の香を使った「曙 富の香 大吟醸」は、華やかで優しい口当たりが特徴。“刺身との相性も抜群”と高い評価を得ている。砺波平野で江戸末期の頃より酒づくりに精進している若鶴酒造の「純米吟醸 富の香」は、穏やかで優しい味わい、洗練された旨みが口に広がる純米吟醸酒。富山市の酒蔵・富美菊酒造が手間暇かけて仕込んだ「富美菊 純吟富の香生原酒」は薫り高く、まろやかで優しい味わい。すっきりとした後味で料理の味を邪魔しない点が魅力だ。

「富の香」は、大吟醸酒などの高級酒米として主に西日本で栽培されている「山田錦」と富山県育成品種「雄山錦」を交配させて誕生。平成8年から育成が進められ、昨年国へ品種登録と商標登録の出願が行われた。昨年は約8haで実証栽培、今年は10haで本格的に栽培され、今秋の収穫を終えたばかり。

10月31日(土)・11月1日(日)、富山テクノホール(富山市)で開催される「越中とやま食の王国フェスタ2009~秋の陣~」の富山県酒造組合のブースでは、「富の香」を使った地酒も登場し、試飲・販売される。また、現在、県内7つの酒蔵で平成20年産米を使った地酒の熟成が進んでおり、11月に杜氏の集まりで飲み比べが行われる予定だ。

富山県農林水産部農産食品課では「富の香は山田錦に匹敵する醸造特性と富山に適した栽培特性を併せもった酒米。仕込んだ酒は、味にまろやかさがあると好評だ。富山の清らかな水と酒米が富山らしい高級酒を生んでくれることを期待している」と話している。

●白とろろ昆布を具材の上にのせて味わう

寒い日にフウフウしながら熱々のおでんを味わう至福の時間‥‥。「富山おでん会」がこのほど発足した話題も紹介しよう。発起人会のメンバーは、すり身製造の「上久」、かまぼこ製造の「梅かま」、ラーメンの「天高く」、「まるたかや」、特産品販売の「富山県いきいき物産」の5社。ビジネスマッチングフェアで知り合い、富山ならではのご当地おでんを県内外に発信しようと準備を進めてきた。今年4月に神奈川県・小田原城址公園で催された「小田原おでんサミット」に出店し、1,700食を完売。その後、東京有楽町で行われた県の魅力発信イベント「いこいこ! とやまワールド」などにも出店し、県外客からの評判を呼び、大きな手ごたえを感じたという。

さて、「富山おでん」とはどんなおでんなのか。郷土料理としてこれまでありそうでなかったことから、発起人会では、昆布の消費量日本一の富山県にちなんで白とろろ昆布をのせることを基本にした。食べ進むうちに汁を吸った昆布がいい味になるようだ。また、具材に富山湾の魚、地元野菜など県産食材1品以上を使うこととしているが、だしや味付け、具材などは各店の自由としている。

「上久」のおでんは、すっきりと澄んだ昆布だし。かつお、みりんなどの調味料も加えて、品のいい味に仕上がっている。これに富山湾ならではのシロエビ、甘エビのつみれ、こんにゃくのあんばやし(薄く切ったこんにゃくの田楽)、さつまあげ、玉子などが加わる。具材からもだしが出て、美味しさを増すようだ。

 発起人会代表の蛯谷正純さん(上久社長)は「活動は始まったばかり。いろいろな店や事業所に気軽に富山おでん会に参加していただき、各店の個性を活かした富山おでんを一緒に作りあげていきたい。小田原おでんサミットなど、県内外のイベントへの出店、富山のおでんマップの作成も考えている。地産地消、地場産業の活性化にもつなげていきたい」と話している。



問い合わせ
「富の香」について
●富山県農林水産部農産食品課
TEL.076-444-3283
FAX.076-444-4410
http://www.pref.toyama.jp/cms_sec/1613/

「富山おでん会」について
●富山おでん会事務局<(株)上久>
TEL.076-491-3232
FAX.076-424-5736

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