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2002年 4月 5日 [ 特産品 ]

No.091-2:富山生まれの酒米から美酒が続々誕生


●富山の名水と酒米を使って、こだわりの酒造り

 富山県農業技術センター・農業試験場で開発された酒米「雄山錦」が、日本酒造りに 最適とされる酒米「山田錦」にひけをとらない酒の味を醸し出し、県内外の醸造メーカーの間で評価 が高まっている。
 富山県内には現在25の酒蔵があり、精米歩合、酒造好適米使用率及び指定名称酒割合 ともに全国トップクラスを誇るなど、富山県は日本有数の高級日本酒醸造県として知られる。 また、酒造好適米の作付面積でも全国上位に位置している。しかし、雄山錦の登場以前は、県内の酒 蔵のほとんどが県外産の酒米を使用し、「富山の名水、富山産の酒米を使い、富山独自のこだわ りの酒を造りたい」という声が高まっていた。雄山錦の2000年産米は、県内の13の酒蔵のほか、9 都道県で日本酒の醸造に使用されている。


●大吟醸酒などの高級酒醸造にも適合

 雄山錦は、「ひだほまれ」を母に、「秋田酒33号」を父に人工交配によって生まれた 。良い酒米の条件として、米粒が大きく、心白(米の中央部の白い部分)ができやすく、蛋白質含有 量の少ないことなどが挙げられる。雄山錦はこれらの特徴を備えているほか、稲の幹が太く、倒れに くい。また粒厚の揃いがよく、収穫量が多いのもポイントといえる。米に粘りがあり、精白度を高め ても砕米が少ないため、大吟醸酒などの高級酒醸造にも適している。
 雄山錦を使って醸造された日本酒の味は、「ふくらみがあって、まろやか」「丸み、 含み香がある」「山田錦で醸造された酒に匹敵する」と醸造メーカーなどから高い評価を得ている。新 しくできた日本酒が多くの愛飲家に親しまれるようになるまでには、約10年はかかるといわれる。日 本酒離れがいわれて久しいが、雄山錦が日本酒の需要増加の一助になることを期待したい。

問い合わせ
●富山県農業技術センター・農業試験場
TEL076-429-2111

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